近年の産業・経済の構造的変化や雇用の多様化・流動化等を背景として、就職・進
学を問わず、子どもたちの進路をめぐる環境は大きく変化しています。このような環
境にあっても、様々な課題に柔軟にたくましく対応し、社会人・職業人として自立し
ていくことができるよう、「生きる力」を育む教育の推進が求められています。
平成16 年1月に取りまとめられた「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協
力者会議報告書」(文部科学省)では、キャリア教育を「児童生徒一人一人のキャリア
発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態
度を育てる教育」ととらえています。そして、小・中・高の連携を意識し、学校教育
全体を通して、組織的、系統的にキャリア教育を実践することを求めています。
本県では、「とちぎ教育振興ビジョン(二期計画)」に基づき、キャリア教育推進に
関する様々な施策が展開されており、平成19 年3月には、「キャリア教育推進の手引
き(小学校編)」が発行されました。
総合教育センターにおいても、平成17年度より、キャリア教育に関する調査研究に
取り組んでおり、平成18年3月に、「キャリア教育の視点を生かした進路指導の工夫・
改善に関する参考資料(中学校・高等学校編)」を、県内の高等学校と中学校に配布し
ました。本冊子は、その続編として、小学校でキャリア教育を実践するに当たっての
基本となる考え方や方策についてまとめたものです。各学校での校内研修や実践の参
考資料としてご活用いただければ幸いです。
終わりに、本冊子の作成に当たり、ご指導、ご助言をいただいた上越教育大学大学
院臨床コース 三村隆男助教授に、深く感謝申し上げます。
平成19年3月
栃木県総合教育センター所長
五味田 謙一
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