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「次の世代の子どもたちに伝えたい読書の体験談」募集

 趣旨

 栃木県総合教育センターでは、平成16年度に、「本との出会い人とのふれあい-『本を通した人とのふれあい』体験談-」を作成しました。今年度は、本を通して人と人との「心のつながり」が生まれた体験談を募集し、「子どもに伝える読書の体験談」にまとめて、県内の保育所、幼稚園、各学校及び図書館等に配布します。当センターホームページでも紹介します。
 ふるって体験談をお寄せください。


 応募要領


応募資格 おおむね60歳以上の方
応募題 自由
応募方法 郵送、ファックス、e-メール
作品内容 ・本や読書活動によって、人と人との心のつながりやふれあいが生まれた体験談。(体験の例参照)
・本そのものを紹介することが目的ではありませんので、本の名称は書かなくても結構です。ただし、特定の本にまつわる体験談等の場合は、必要に応じて本の名称や作者名、出版社名等も書いてください。
・応募作品は未発表作品に限ります
文字数 ・1600字以内(ワープロ原稿可)
原稿の体裁 ・1行目の題名に続けて、2行目から本文を書いてください。
・原稿の最後に、お名前、年齢、郵便番号、住所、電話番号を書いてください。匿名をご希望の場合は、その旨をご記入ください。
*お知らせいただいた個人情報は、この体験談集の作成以外の目的では使用いたしません。
応募期間 ・平成18年6月1日(木)~平成18年8月31日(木)
その他 ・応募作品は返却しません。著作権は当センターに帰属します。
・原稿は、添削することもあります。
・応募者多数の場合は、作品を選考したうえで冊子に掲載します。また、当センターホームページでも紹介します。
・冊子掲載分については、謝礼として500円分の図書券を進呈します。

 応募先

〒320‐0002 宇都宮市瓦谷町1070 
  栃木県総合教育センター 研究調査部 
  「子どもに伝える読書の体験談」募集係
        TEL 028-665-7204  FAX 028-665-7303

 体験談の例

 読書の喜び

 私が読書の喜びを知ったのは、中学一年の冬休みだったと思う。兄かだれかが読んだのだろう、本箱の片隅に、一冊の古ぼけた単行本を見つけた。ほこり臭い表紙には、『次郎物語』という題名が見えた。
 なんとはなしに読み始めてみると、いつの間にか夢中になっている自分に気がついた。しかも、今までに味わったことのない、心がぞくぞくするような感動が突き上げてくるのを感じ、経験したことのない新鮮な感動をだれかに訴えずにはいられないような気持ちになった。
 私は、年の暮れ忙しく立ち働いている母に、興奮して呼び掛けた。
「かあちゃん、この本、ものすごくおもしろいぞ……。」
 「おもしろい」という言葉がその時の心境を表すにはどうも物足りないのを感じながらも、その言葉以外にはみつからなかったのである。
 母は、樽の中に白菜を漬け込む手を休めず、「次郎物語かい、それは九州の小学枚の校長先生だった、下村湖人という人が書いたんだよ。いい本見つけたね。」前かがみの腰を曲げたままそう言った。
 私は夢中だった。『次郎物語』に没頭した。知らぬ間に陽は傾き、いつの間にか障子が赤く染められていた。
 「ご飯だよー。」そう呼ぶ母の声が、何か別の世界から聞こえてくるように感じられた。
 『次郎物語』はポケットブックの大きさで、第一部から第六部までにわかれていた。あいにく家にあったのは第一部だけだった。私は続きがどうしても読みたかった。
 母は普段、私が欲しいものがあってねだっても、必要ないと思ったものは絶対に買ってはくれなかった。それなのに、その時はすぐに私の願いを聞いてくれた。私は飛ぶような気持ちで本屋に走った。
 第六部を読み終えるまでの約一週間、私は『次郎物語』の世界に溶け込み、次郎と一緒に喜び、次郎と一緒に悩み、次郎と一緒に考えた。
 あれから四十五年が過ぎた。数えきれない本との出会いがあった。でも、あの時の感動は今でも新鮮なものとして心に残っている。
宇都宮市 元教員
「本との出会い人とのふれあい-『本を通した心のふれあい』体験談-」(平成16年11月総合教育センター)より

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