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  • 集団における望ましい人間関係づくりに関する調査研究報告書
    ~児童生徒の意識の特徴と望ましい人間関係を構築するための手だて~

    (平成19年度調査研究事業)
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  •  C小学校では、平成15年度に特別支援学級を立ち上げ、学校全体で特別支援教育に取り組んでいる。教職員が意見を出し合い、可能なことをみんなで考えていこうとする雰囲気が、児童の望ましい人間関係づくりに大いに役立っている。異年齢集団での体験活動や集会活動が積極的に行われ、児童が地域の方々から認められ、自信を高める機会となっている。学校と保護者との関係が良好で、学校を信頼して相談に訪れる保護者も少なくない。
     年度当初、特別支援コーディネーターが支援を要する児童について全職員に説明し、どうすればその子が安定していられるか、周囲の子をどう育てるか、共通理解を図っている。また、指導計画を明確にし、教職員の対応が異ならないよう工夫している。たとえば、支援児童がつらくなったら自分で教員に申し出て、支援教員は「~まで終わったら○分間の休憩にしましょう。」と約束を交わし、守れたら褒めるようにしている。こうすることで、本人は安心感を得て、自分の行動に責任を持つようになってくる。周囲の子も「勝手な行動だ」ととらえるのではなく、その子の努力を認めるようになった。
     児童指導について、4年生の学級担任から次のような話があった。「朝は、教室で児童を待つ。家庭であまり話を聞いてもらえない子ほど、担任に話してくる。聞いているだけだが、その子は次第に落ち着き、友達の話も聞けるようになってくる。休み時間も、できるだけこういった児童の話を聞くようにしている。こうした中で児童からのサインを感じ取ることができるようになる。一方、授業中は、基礎・基本を学ぶための学習訓練を徹底し、私語を慎むように指導している。正しい行動、価値の高いものを教え、望ましい経験をたくさんさせるように心がけている。」
     平成18年度から、学校として、4年生以上がクラブ活動をしている時間を、3年生の「共遊の時間」にした。3年生の学級担任は、クラブ活動を担当せず、学級の児童と共に遊び、仲間づくりを行う。教員は遊びの輪に加わるものの、その場を仕切らないようにする。児童が遊びを決め、リーダーを中心に活動できるように支援する。共に遊びながらコミュニケーションをとり、児童の言葉を拾うという教育相談的な意味合いがある。「1年間続けた共有の時間は、子どもたちの人間関係づくりに大変よかった。」と3年生の学級担任が語ってくれた。
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