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  • 集団における望ましい人間関係づくりに関する調査研究報告書
    ~児童生徒の意識の特徴と望ましい人間関係を構築するための手だて~

    (平成19年度調査研究事業)
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  •  F中学校では、平成16年度より生徒の学び合いの意義に注目し、授業の在り方を研究する一方で、授業研究を中心に校内研修を活性化する試みを進めている。全国的に有名な先進校をこの数年間で全教員が視察し、学び合いと校内研修の在り方についての具体的モデルを直接見聞し、考え方を共有している。
     授業は学び合いを基本に据え、友達と話し合いながら学び合っていく学習スタイルが中心となっている。教員は「そのような学習を成立させる課題をつくることに苦労するが、やりがいがある。」と話す。教室では生徒がコミュニケーションしやすいように、机の並べ方をコの字型やV字型にするなどの工夫を取り入れている。「座席が違うだけで生徒は変わる。」「うるさくはならない。」「生徒同士で教え合うようになるし、教え合うように指導する。」「生徒の意識が違う。」「突っ伏す子がいない。」というように、学び合いによる人間関係の向上と生徒指導の効果を強調していた。
     生徒同士の学び合い中心の授業スタイルにしてから、「授業研究会が授業批判にならず、教員は生徒の変容を中心に見るようになった。」「授業公開が苦にならない。」「他教科の授業も見るようになった。」など教員の意識にも変化があった。
     このような教員の変化は、同僚性の育成を目指す職員研修にも起因している。その一つに「職員室の文化のアンケート」がある。これは、「現状に満足せず、教員としてあるべき姿を目指そうとする意見が、教員自身から提案される状態こそ、真の教育改革を支えるものである。」という考えをもとに、現時点での職員相互の関係が、真に望ましいものであるかどうかを把握するために行われている。
     もう一つは、「アクションラーニング」である。これは、現在の自分の仕事の中での気づきを教員間で学び合うもので、教員が学習指導や生徒指導に関するレポートを提出し、互いにレポートを読んだ上でグループごとに自由に話し合う、ワークショップ形式で行われる研修会である。
    「教員は、相互の得意分野を認めている。」「個性を認め合うことが基調としてある。」「考えてやっていることに対して文句を言われない。」「指導上の変化をいとわず、まずはやってみようという雰囲気がある。」という言葉のとおり、生き生きとした職員室の文化が根付いている。
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