英語教員研修 1年後アンケート集計結果

目的: 研修後1年が経過した時点での受講者の状況を、自己評価を通して調査することにより研修の成果や課題を明らかにし、今後の英語教員研修の改善に役立てる。
対象: 「平成16年度英語教員研修」受講者
実施時期: 平成17年12月
実施方法: 受講者本人がインターネット上にある栃木県総合教育センターのホームページから無記名で回答
回答者数: 114名 中学校 59名 : 20・30歳代 28名、 40・50歳代 30名、 不明 1名
高  校 55名 : 20・30歳代 22名、 40・50歳代 31名、 不明 3名
集計結果: 全体 : 回答全体についてのグラフ
中高別・世代別 : 回答を中高別・世代別(20・30歳代/40・50歳代)にまとめたグラフ

 集計結果:全体

年齢は
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1 現在の状況について、5段階で自己評価してください。

【教員としての資質能力】

@英語を教える楽しさを感じながら授業をしている。
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A生徒理解が深まり、生徒との関係も良好である。
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B職場の同僚と英語教育の問題点について、よく話をしている。
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C外部の研究授業や研究大会にできるだけ参加している。
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D1月に立てた「自主研修」の目標に向かって努力している。
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2 研修後から現在までの状況について、5段階で自己評価してください。

【英語運用能力】

@研修後、自主的に英語運用の向上を図ろうとしてきた。
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A研修後、授業において可能な限り英語を使うようになってきている。
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【英語教授力】

@研修後、授業においてコミュニケーション活動を工夫し、その量も増えてきた。
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A研修後、アクションリサーチによる授業改善を実践してきた。
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B研修後、授業の目標や内容、方法、評価について深く考察するようになってきた。
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C3年間を見通して、生徒に身に付けてもらいたい力を、学年毎に明確にし、指導・評価するようになってきた。
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D研修中に講師が紹介した指導法や、他の受講者のアイディア等を授業で実践してきた。
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3 授業における英語の使用状況について、A〜Dから選択してください。

(高校の先生方は、「英語T」あるいは「英語U」の授業)

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4 次の質問に YES か NO でお答え下さい。

@今までに、TOEIC、TOEFL、英検等のいずれかを受検した。
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A今後1年以内に、TOEIC、TOEFL、英検等のいずれかを受検しようと予定している。
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5 英語運用力の向上を図るために自主的に取り組んできた方法を選択してください。(複数回答可)

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6 次の質問には具体的にお書きください。

授業において、英語の使用やコミュニケーション活動を増やすのに、障害となっていることは何ですか。障害がない場合は「なし」とお書きください。

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 集計結果:中高別・世代別

1 現在の状況

【教員としての資質能力】

@英語を教える楽しさを感じながら授業をしている。
中学校
高等学校

凡例は以下、2(2)Dまで 同様

A生徒理解が深まり、生徒との関係も良好である。




B職場の同僚と英語教育の問題点について、よく話をしている。




C外部の研究授業や研究大会にできるだけ参加している。





D1月に立てた「自主研修」の目標に向かって努力している。

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2 研修から現在までの状況

【英語運用力】

@研修後、自主的に英語運用力の向上を図ろうとしてきた。
中学校
高等学校





A研修後、授業において可能な限り英語を使うようになってきている。





【英語教授力】

@研修後、コミュニケーション活動を工夫し、その量も増えてきた。





A研修後、アクションリサーチによる授業改善を実践してきた。





B研修後、授業の目標や内容、方法、評価について深く考察するようになった。





C3年間を見通して、生徒に身に付けてもらいたい力を、学年毎に明確にし、指導評価するようになった。




D研修中に講師が紹介した指導法や、他の受講者のアイディアを授業で実践してきた。




3 授業における英語の使用状況

中学校
高等学校


4 次の質問に YES か NO でお答え下さい。

今までに、TOEIC、TOEFL、英検等のいずれかを受検した。
中学校
高等学校


今後1年以内にTOEIC、TOEFL、英検等のいずれかを受検しようと予定している。




5 英語運用力の向上を図るために自主的に取り組んできた方法を選択してください。(複数回答可)

中学校  

高等学校  


6 次の質問には具体的にお書きください。

授業において、英語の使用やコミュニケーション活動を増やすのに、障害となっていることは何ですか。障害がない場合は「なし」とお書きください。
中学校
高等学校



 考察

アンケートの結果から、英語教員研修の成果が表れていることがわかります。アンケート項目毎の、 「そう思う」、「どちらかと言うとそう思う」の回答の合計をパーセントで示すと次のようになります。


【教員としての資質能力】            
 @ 英語を教える楽しさを感じながら授業をしている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 A 生徒理解が深まり、生徒との関係も良好である。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 B 職場の同僚と英語教育の問題点について、よく話をしている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 C 外部の研究授業や研究大会にできるだけ参加している。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 D 1月に立てた「自主研修」の目標に向かって努力している。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【英語運用力
 @ 研修後、自主的に英語運用力の向上を図ろうとしている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 A 研修後、授業において可能な限り英語を使うようになってきている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【英語教授力】
 @ 研修後、授業においてコミュニケーション活動を工夫し、その量も増えてきた。・・・・・・・・・・
 A 研修後、アクション・リサーチによる授業改善を実践してきた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 B 研修後、授業の目標や内容、方法、評価について深く考察するようになってきた。・・・・・・・
 C 3年間を見通して、生徒に身に付けてもらいたい力を、学年毎に明確にし、
    指導・評価するようになってきた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 D 研修中に講師が紹介した指導法や、他の受講者のアイディア等を授業で実践してきた。・・

82%
82%
62%
48%
73%

76%
69%

57%
30%
79%

64%
73%

ところで英語教員研修の目指す姿は、「英語教員研修Q&A」で示しましたが、次の通りです。

T 生徒が英語を使って生き生きと活動し、同時に教師が学校の実情に応じて英語を用い、生徒の活動を支援している姿
U 教師がよりよい授業を目指し授業を改善する姿
V 「自分は英語教師としてこうありたい」という理想を掲げて、教師自らが教員生活を通して楽しく勉強している姿

U、Vの目指す姿については多くの先生方が前向きに取り組んでいることがわかります。 しかし、Tについては、生徒間の学力差や英語理解力、受験指導、教員間の共通理解等の現実的な問題に直面し、 思うようにできないもどかしさを感じ悩んでいる方が、特に20〜30歳代の先生方に多いようです。


 コミュニケーション活動を授業の中に

 現行の学習指導要領では、「実践的コミュニケーション能力の育成」が教科目標であり、評価では「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」が観点の一つになっています。伝統的な英文和訳、和文英訳、文法・語法問題演習だけではなく、生徒間での、また、生徒と教師間でのコミュニケーション活動を通して、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことを織りまぜながら指導することが求められています。

  診断的な評価、形成的な評価を評価計画の中に

 生徒に、正確に表現させたり、単語・熟語・構文等を覚えさせたり、論理的な解釈力を身に付けさせたりすることはもとより、意味のある場面で意味のある表現活動、到達目標を明確にするための診断的な評価、生徒の「気付き」を大切にする形成的な評価等を授業の中に積極的に取り入れていただきたい。

  コミュニケーション活動を到達目標の一つに

 各学校においては、それぞれの実態に応じて、学校独自のコミュニケーション活動を工夫し到達目標として位置付け、コミュニケーション活動(自己表現活動)と、単語や表現を覚えたり系統立った文法学習とのバランスをとることが、今後一層重要です。
 最後になりましたが、年末の忙しい時期に、約7割の方々からご回答をいただきありがとうございました。寄せられたご意見と集計結果を検討し、今後の研修に生かしていきたいと考えます。


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