栃木県の小・中学生の体力・運動能力の現状と、幼児期から児童期に大切にしたいことに関する提案の後、大田原市のふたば幼稚園、芳賀町の南高根沢ひばり保育園、那須塩原市立稲村小学校から、体づくりに関する保育・授業の実践発表がありました。
最後に、異校種の教職員同士でグループ協議を行い、幼・保・小の連携は子どもの体力の向上にもつながることを共有することができ、有意義な部会となりました。
提案 幼児期運動指針と小・中学校における体力の現状について
栃木県の小・中学生の体力の現状を踏まえ、幼児期運動指針(平成24年文部科学省)に基づいて、幼児が遊びや生活の中で、自ら楽しく体を動かし、多様な動きを経験する時間を確保することが、生涯にわたり心身ともに健康に生きる土台となることを説明しました。
発表1 幼児期の体力向上
-手作り遊具を通して-
幼稚園からは、点々と並んだ敷石をとぶ、坂道を駆け上る、屋根にボールを投げて落ちてきたところを受けとめるなど、子どもが思わず体を動かしてしまう遊びを、思う存分できるように、教師が教材や遊具を手作りしているという発表がありました。その遊具は、子どもの興味・関心をヒントに生まれ、幼児自身が準備や片付けもできるように工夫されてしました。子どもの遊び心や主体性を発揮できる環境を構成し、遊びの中で体を動かすことの大切さを学びました。
発表2 たくさん遊んで心も体も元気な子
-体を動かすことの好きな子を育てよう-
保育園からは、子どもが自分で靴を履く、布団を敷く、給食を配膳するなどの生活動作を、自然に体を動かしている場面と捉え、その中で、意欲や達成感、憧れを感じることができるように援助しているという発表がありました。保育園は、0歳から6歳の子どもたちが1日の大半を過ごす場であり、体も著しく発達する時期であることから、生活の中で体を動かす楽しさや心地よさが味わえるように、保育士がかかわることの大切さを学びました。
発表3 楽しみながら運動に親しむ子どもを育てるために
-小学校低学年における取組-
小学校からは、体育の授業で児童の待ち時間を減らし運動量を増やす環境の工夫、運動遊びを取り入れて仲間とふれあいながら体を動かす内容の工夫など、低学年の児童が、「やってみたい」と思える実践の発表がありました。また、リーフレット「体を動かすことが大好きな子どもを育てよう」(平成25年3月総合教育センター)を活用し、学童保育でも児童が雑巾をしぼって廊下を拭くなど、生活の中で体を動かす取組を始めました。小学校において、体を動かす時間、空間、仲間という視点で指導を見直すことで、児童が外遊びを好むようになり、意欲や人とかかわる力も育つという成果が見られました。
グループ協議 幼・保・小連携の取組と課題
前半の提案と発表を受け、幼児期から児童期の体づくりに関する課題に対して、幼・保・小が連携し、どのように取り組んでいけばよいのかを話し合いました。様々な立場からの貴重な情報を得ることで、今後の改善策を考えることができました。