今年度より、県内の公立学校すべてに地域連携教員が設置されるなど、より学校と地域が連携した教育活動が推進されることが期待されています。本部会は、「学校と地域の連携が学校経営にどのような影響をもたらすか」に焦点を当て開催しました。
最後に、宇都宮大学の廣瀬隆人教授から指導助言をいただき、地域連携が学校経営に与える効果について再確認することができました。
発表1 地域連携が学校経営に与える効果についての調査研究
「地域連携が学校経営に与える効果」の調査を行い、調査研究から明らかになってきた、学校と地域との連携の実態(組織体制や取組内容等)、連携が学校経営に与える効果、連携の意義、連携を進める上での課題等についての発表がありました。
発表2 平成26年度地域連携重点推進モデル事業の取組とその効果
-「とり+かえっこ」の活動を通して-
地域連携教員を中心にした組織体制や効果的・効率的に工夫して行われた内容の紹介、学校と地域が連携した取組について発表がありました。
その中で、実体験を通した授業の展開、風通しのよい職員室の推進、地域ネットワークの広がり等の事例が紹介されました。特に強調されたことは、地域連携は、福祉的な課題を抱えた子どもにとっても大きな効果をもたらすということでした。
また、新しい取組であり忙しさはあったが、計画が進むにつれて充実感に満たされたとの話があり、最後に、校長として校務分掌に配慮していると付け加えられました。
シンポジウム 学校と地域の連携によってもたらされる効果とその意義
-有効な進め方やあり方、課題について考える-
公立小学校、中学校、高等学校長の3人の登壇者により、学校経営上効果があった地域連携の取組、地域連携教員が設置された効果や、今後の連携推進のあり方等について意見が述べられました。
地域連携の効果の一例として、連携活動そのものが、学校の特色になり得る(学校の自慢=地域の自慢)との話がありました。また、地域連携の方法は、小・中学校においては地域の方が学校に支援に入り、中学校、高等学校と学年が上がるにつれて、生徒がより地域へ出向いていくという傾向が見られたとのことでした。さらに、地域では中学校からもっと声が掛けられることを望んでいることも分かってきました。
地域連携教員については、それぞれの立場から、「もっと地域連携教員の役割について校内で周知する必要がある」「学校課題解決教員とも言える地域連携教員には主任手当を支給しては」「もっと学校の魅力を地域に発信することが必要」等の話がありました。
指導助言
廣瀬隆人教授から、今後の方向性に関して3点の話がありました。
- 地域連携の実績を積み重ねていく(数字化)ことの必要性
- 学校経営として、教師の授業力の向上・同僚性の重視
- 地域連携を実施する目的を明確にする
様々な支援を必要とする学校、子どもたちがいて、その学校の課題解決に向けて地域連携をどう進めていくかという視点で、まとめの話をいただきました。
学校・家庭・地域の三位一体となった教育活動の充実が、学校が抱える課題の解決につながっていくということが確認されました。