平成26年度実践的防災教育総合支援事業の指定を受けた高等学校、聾学校の発表、及び実際に竜巻被害を受けた小学校の発表がありました。最後に、まとめとして、宇都宮大学教育学部の伊東明彦教授より指導助言をいただきました。
発表1 生徒の防災意識を高める防災教育の在り方
-平成26年度実践的防災教育総合支援事業の研究から-
生徒が主体的に適切な対応をすることを目指した防災教育の実践を発表していただきました。災害に関する講話、ボランティア活動への参加、課題を明確にした上での変化や負荷がある様々な避難訓練の実践が紹介されました。実施後の振り返りから課題を明確にし、次の実践につなげることで、生徒が自ら判断し行動しようとする力が育成されることが分かりました。
発表2 聾学校における避難訓練の実際
-自ら判断し行動できる能力を身につけるための実践的な訓練をとおして-
災害を未然に防ぐことのできる、よりよい避難行動の在り方について、地震・火災・竜巻を想定した避難訓練の実践を通して発表していただきました。避難訓練は、在学中の避難だけではなく、将来を見据えての避難指導であることが大切であり、そのためには、児童生徒一人一人が正しく判断できる力を、様々な想定での訓練の実施により学ばせていくことが必要であることが分かりました。
発表3 竜巻被災の教訓を生かして
平成24年に体験した竜巻被災の様子や復旧の様子について、記録写真を提示して紹介していただきました。また、体験から得た教訓を生かした、竜巻対応マニュアルの作成や避難訓練の工夫、防災学習の様子等も紹介していただきました。突風や竜巻の場合は、発生や進路の予測ができないため、どこに避難するかではなく、どう危機を回避するかを考え、的確に判断する力を身に付けることの重要性を学ぶことができました。
指導助言
防災教育に必要な視点として、「自然災害に関する知識・理解」、「実践力」、「協働の精神」を示されました。特に、知識・理解についてご指導いただきました。地震等の災害についてよく理解することは、自然災害と自然の恩恵の関係を知ることにつながり、日頃から自然に関心をもつことで、災害に備える意識の向上を図ることができることを教えていただきました。