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  • 栃木県教育研究発表大会
  • 平成28年度 栃木県教育研究発表大会
  • 国語部会(中・高)
  • 部会テーマ:表現力の育成
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  • 児童・生徒指導部会Ⅱの様子1
    児童・生徒指導部会Ⅱの様子2
    児童・生徒指導部会Ⅱの様子3
    児童・生徒指導部会Ⅱの様子4
     学習指導要領では、目標の一つとして、国語を適切に表現し理解する能力を育成すること、伝え合う力を高めることが掲げられています。4領域のうち「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」の3領域においては、「読むこと」の指導に偏りがちである現状を踏まえ、「説明的文章の構造を把握するための方法-学習事項を書くことに生かす視点を含めて-」、「『読むこと』と『書くこと』の有機的連関-『作文』と『小論文』をつなぐ-」の発表が行われました。続いて発表をもとに研究協議を行い、まとめとして宇都宮大学教育学部の飯田和明准教授より指導助言をいただきました。


    発表1 説明的文章の構造を把握するための方法
      -学習事項を書くことに生かす視点を含めて-


     「実生活で生きてはたらく」国語力を育成する観点から、説明的文章の授業を文章の読解にとどまらせるのではなく、説明的文章の授業を通して文章の書き方を学ばせ、自分の文章に生かすという授業改善の視点が提案されました。「読むこと」と「書くこと」を結びつけた授業の実践例として、文章の大まかな理解から文章の構成や論理の展開に気付かせるために、文章構造図を用いた指導法が紹介されました。


    発表2 「読むこと」と「書くこと」の有機的連関
      -「作文」と「小論文」をつなぐ-


     「読むこと」と「書くこと」の有機的連関が、論理的思考力・表現力を育成するという観点から、授業で学んだ文章教材を手がかりに、自分の考えや感じたことを当事者意識をもって相手につたえるとともに、その根拠や基準を明確に表現する活動を通して、「書くこと」に対する生徒の意欲を高める実践についての発表がありました。手紙の往還を通して生徒が同調や反論の方法を学んでいく様子が、生徒の記述の詳細な分析によって示されました。


    研究協議

     発表1、2の内容を踏まえ、自らの実践を振り返り気付いたことや自分で実践してみたいことなどについて活発な議論がなされました。協議の中では、「校種を問わず課題は同じである」、「領域をつなぐ指導においてねらいを明確にすることの重要性」、「評価の難しさ」、「書くことの指導をどのように継続して行っていくか」、「書かせた後の指導の工夫」、「教材と生徒と向き合う熱意を持ち続けること」などの課題が取り上げられました。


    指導助言

     宇都宮大学教育学部の飯田和明准教授からは、発表1、2の講評として、何を教えたいかが明確になる点で文章構造図が有効であること、「相手に同調する」ことを深めることが難しい理由など具体的かつ詳細な指導助言をいただきました。歴史的な経緯(縦)と現状(横)と今後の見通しの3点を意識しながら、教員自身が自らの研究の軸をもってほしいといった言葉もありました。大会直前に農業試験場を訪れた際のエピソードを交えながらのお話は、その言葉一つ一つが参加者を勇気づけるものでした。

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    •  参加者の感想
    • 理論より実践例が多くあったので、生徒の変容が分かってよかったです。日々の授業にすぐに生かすことができそうで、参考になりました。
    • 中学校と高等学校の二つの実践を聞くことができ、勉強になりました。また発表内容が聞き応えのあるものでした。
    • 今回の協議班は同校種でよかったと思いました。テーマや協議内容、人数によって、同校種か異校種かの対応をしていただければありがたいです。
    • よい刺激をいただけたので、自校で様々なことにチャレンジしたいと思います。
    • 現職の先生方から授業の実際の話を聞けたので貴重な機会となりました。また、今の国語教育で何が課題なのかが見えてきました。


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