本部会では、高等学校における授業研究会の取組と宇都宮大学教職大学院生の実践事例の発表を通して、教員が主体的・協働的に取り組む校内研修の在り方について考えました。最後に、宇都宮大学大学院の松本敏教授から指導助言をいただき、校内研修について多くの示唆を得ることができました。
【発表1】
授業力向上を目指した授業研究会について
-教科を越えたワークショップ型授業研究会 より効果的な校内研修システムの構築へ-
教科の壁を越え、同僚性を高め、互いの授業力向上を目指した高等学校における取組についての発表がありました。研究授業の参観の仕方や授業研究会の進め方など、校内研修の充実に向けた取組の紹介がありました。また、授業を通して教師同士が学び合い、子どもの姿から学ぶという姿勢でワークショップ型授業研究会に取り組む様子について紹介がありました。
【発表2】
授業研究の推進による同僚性・授業力の向上
―宇都宮大学教職大学院・教育実践プロジェクトの学びから―
授業研究を課題として教育実践プロジェクト(長期実習)に取り組んだ教職大学院生3名の発表がありました。3会場に分かれ、ポスターセッション形式で実践事例を発表しました。
(1)「授業のデザインとリフレクションを中心とした若手教員との協働的な授業研究
-子ども主体の学び合いを基盤とした授業を目指して-」
授業のデザインとリフレクションを中心とした、小学校における授業研究について発表がありました。子どもの学びの姿を基にして授業研究でのリフレクションを重ねることにより、子ども主体の学び合う授業へと変容していく過程について紹介がありました。
(2)「事実をもとに省察する教師集団の形成について-子どもの姿を語り合う授業研究を核にして-」
授業中の生徒の様子を撮影したビデオを編集し、少人数で放課後にリフレクションを行うことで、生徒の学びを観察する教師の目を養い、全体で行う授業研究の質を改善した、小学校における実践についての発表がありました。教科や学年の枠を越えて学び合える教師集団の育成を目指した実践と省察について紹介がありました。
(3)「同僚性の向上を目指した校内授業研究の在り方-道徳の授業を中心とした実習校教職員との関わりを通して-」
中学校において、教育の専門家として互いに成長しようとする「同僚性」の向上を目指して、多忙な学校現場の環境の中で、いかに充実した授業研究を行っていけるかについて発表がありました。実習校教職員及び生徒との関わりの中で見えてきた、生徒の学びや授業力向上の客観的な視点についての紹介がありました。
【指導助言】
宇都宮大学大学院の松本敏教授から指導助言をいただきました。まず、高等学校と教職大学院の取組の成果について講評をいただきました。その後、「授業研究は時間がかかるが、年間に一回はじっくりとやっていくこと」、「楽しい授業研究を進めていく上で自己開示がポイントになること」等についてお話いただきました。