本部会では、宇都宮市小学校教育研究会道徳部会の研究主題を受け、道徳の教科化に向けて2年間の研究を行ってきた小学校の発表と、栃木県独自の道徳教育郷土資料集を活用した道徳の授業研究を重ねてきた中学校の発表がありました。次に、これらの発表を基に、小グループでの研究協議を行いました。まとめとして、宇都宮大学大学院の和井内良樹准教授から指導助言をいただきました。
【発表1】
豊かな心をもち、生き生きと学ぶ子どもの育成
-自他のよさに気付き、高め合おうとする道徳の授業を通して-
児童が課題意識をもって道徳的価値と自分との関わりを主体的に考えることができるように、学校全体で道徳の授業に取り組んだ実践について発表されました。校内研修の充実を図ったことや、教師が明確な指導観に基づいて指導を行ったことなどについての工夫が紹介されました。また、児童が自他のよさを感じ、豊かな心をもって生き生きと学ぶことができるように、道徳の時間や学校での様々な教育活動の中で、友達の考えを聴いたり自分の思いを伝えたりすることを大切にした実践についても紹介されました。
【発表2】
「ふるさと とちぎの心」を活用した道徳科の授業の工夫
生徒の豊かな心を育てるために、道徳教育郷土資料集「ふるさと とちぎの心」を活用した実践について発表がありました。ねらいとする道徳的価値を把握して資料を分析し、年間指導計画への位置付けを行った実践と、栃木県に関わりの深い人物、自然、伝統について考えさせる授業の成果と課題が紹介されました。足利市にゆかりの深い題材を扱った授業について、授業の様子や教材として使用した動画を示しながら、具体的な取組の説明がなされました。
【研究協議
】
二つの発表に関する感想や、道徳科の実施に向けて現在行っている各学校での取組、今後取り組むとよいと思われることなど、小グループに分かれて協議を行いました。
【指導助言
】
宇都宮大学大学院の和井内良樹准教授より、「考え、議論する道徳」について、「主体的・対話的で深い学び」と関連させながらお話いただきました。子ども自身に自分の考えをもたせること、全員が発言する場を設けること、発問や板書の工夫、子どもの実態をふまえた教材の開発など、具体的な御指導をいただきました。