宇都宮市山本町化石採集地点
宇都宮市(うつのみやし)山本町(やまもとまち)化石採集地点

宇都宮市(うつのみやし)山本町(やまもとまち)
化石採集地点 露頭写真


※ 1985年当時、宅地造成が行われていました。現在は住宅地となっています。



この露頭の礫岩(れきがん)および泥岩層から多数の貝化石や浮遊性有孔虫化石(ふゆうせいゆうこうちゅうかせき)が産出しました。
下に貝化石の代表的なものの写真を示します。


不明 (ビカリヤではないらしい)


メルセナリア チタニアナ


フォス イワキアナス


スチカーディウム シオバラエンス


デンタリウム ヨコヤマイ


グリシメリス


クラミス カネハライ


トリテラ タナグラエンシス

※ これらの軟体動物化石群集は塩原型動物群〔鎮西(ちんぜい)1963〕といって、この地域の気候が寒冷化し海水温がやや下がった時期に、比較的浅い海域に生息した動物群集だそうです。
〔1985年筑波大学地球科学系、野田教授(のだきょうじゅ)の同定による〕

※ このように、産出化石の種類から、地層の堆積時期や堆積環境を推定することができます。
示準化石※1示相化石※2

特に浮遊性有孔虫化石は広く海域に生息していたので、この時代の精度の高い示準化石として用いられます。


語句の解説

示準化石(しじゅんかせき)※1

地層が堆積した時代を示す化石です。

示準化石は次のような条件を備えています。

①同一種の生存時期が限られていること

②広い範囲で大量に生存していたこと


示相化石(しそうかせき)※2

地層が堆積した当時の環境を示す化石です。

たとえば、塩原型動物群は寒流の影響を受けた海域で、比較的沿岸にすんでいたようです。