理科実験講座実施報告 本年度、本校は県教委による県立高校未来創造推進事業(サイエンスドリームプロジェクト) の重点校として、3年間の指定を受けました。
その取り組みの一環として、12月7日(金)に東北大学名誉教授の三上直彦先生をお迎えし、理科実験講座を開催しました。 三上先生は東北大学退官後、サイエンス・ラボふくろう塾を開き、理科・科学の体験学習教室の運営と出前授業や理科実験を行って、理科教育の支援を行っていらっしゃいます。
当日は、1年生及び2年理系クラスの希望者を中心に、32名の生徒が参加しました。
「講座テーマ : レーザーで分子の形を調べる」
今回は「レーザーで分子の形を調べる」というテーマでの講義と分光器の製作と観察を行いました。
水(H2O)の 分子のHOHの結合角やO-H結合の距離について、教科書には載っているけれども、どうやってはかるのだろう?という問から講義がスタートしました。物質の化学的な特性は分子の形が基本ですが、分子を見ることはできません。そこで、分子に光(電磁波)をあてて応答(光、イオン)させて調べます。光(太陽光)は異なる波長が連続していますが、それを回折格子によってわけることができます。
そこで手製の分光器をそれぞれ作って、水素やヘリウムが出す光を観察しました。回折格子を使うと、水素やヘリウムなどからは特定のスペクトルがでてくることがわかりました。参加した生徒達は、自分で作った分光器を使って、蛍光灯や太陽光、電球などを眺め、楽しそうに、興味深げに観察していました。すっかり、三上先生に引きつけられ、前に出てきたまま座り込んで最後までお話を聞いていました。
最後にはレーザー光を使って液体中の水分子が水素結合によってどのような形でいるのか、三上先生が大学で研究されていたお話も聞くことが出来ました。生徒達は自分で作った分光器を大切にお土産として持って帰りました。
高校の授業で勉強することは限られています。大学での研究に触れたことのない生徒達でしたが、大学の研究の一端を知ることが出来て、貴重な時間となりました。大学進学後には、それぞれにテーマを見つけて、研究に取り組むきっかけになったことでしょう。