現在、教育を取り巻く環境は、少子化の進行や知識基盤社会への移行、急速な情報化の進展や価値観の多様化など、大きく変化しています。こうした中、教職生活全体を通じて「学び続ける教員像」の確立が求められていることから、教職員の資質・能力の向上に加え、学校がこれまで以上に組織的に取り組むことが必要とされています。
本県では、「とちぎ教育振興ビジョン(三期計画)」の基本理念にある「とちぎの子どもたちを 自らの力で 自分の未来を 力強く切り拓いていける人間に育てる」教育を推進しています。「全国学力・学習状況調査」の分析では、本県児童生徒は「学習意欲や社会への関心」が高いことが明らかになりました。一方、学校の取組では「授業研究を伴う校内研修の実施回数が少ない」等の課題がみられます。そこで、子どもたちをさらに伸ばしていくためには、校内研修等を通した教職員の協働により、授業を中核に教育活動の質を高めていくこと、また、そのような改善のための働きを学校内部に創り出し、継続していくことが重要になります。
栃木県総合教育センターでは、これまでにも学校の組織的な取組に注目し、学校組織マネジメントや校内研修に関する調査研究を行い、学校の組織力向上の取組を支援してまいりました。
本冊子では、平成24 年3月に発行したリーフレット「栃木の『学校力』の向上-自らの力で自分の未来を力強く切り拓くことのできる子どもを育てるために-」を基に、「学校力」向上の視点や手立て、調査協力校における2年間の取組についてまとめました。学校の実態に応じて御活用いただければ幸いです。
最後に、本調査研究を進めるに当たり、御指導、御助言を賜りました筑波大学人間系(教育学域)教授 浜田博文先生、並びに御尽力いただきました調査協力校における先生方に対しまして、厚く御礼申し上げます。
平成25年3月
栃木県総合教育センター所長
金井 正
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