調査研究
平成22年度調査研究 高等学校における教科指導の充実 (更新)
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21世紀は、新しい知識・情報・技術が、政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域の基盤として飛躍的に重要性を増す、いわゆる「知識基盤社会」の時代であると言われています。そのような時代を生きるために、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和を重視する「生きる力」をはぐくむことがますます重要になります。また、各種の調査からは、日本の児童生徒について、思考力・判断力・表現力、知識・技能の活用、学習意欲、学習習慣・生活習慣などで課題があると分析されました。このような状況を踏まえて、平成20年1月の中央教育審議会答申で学習指導要領の改訂の方向性が示され、平成21年3月に高等学校学習指導要領が告示されました。
平成22年12月に公表されたOECD生徒の学習到達度調査(PISA2009年)の結果においては、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーのそれぞれで下位層が減少し、上位層が増加したことから、読解力を中心に日本の生徒の学力は改善傾向にあると考えられていますが、課題は依然として残されています。今後とも引き続き、基礎的・基本的な知識・技能の習得や、問題解決のための思考力・判断力・表現力の育成に努めていくことが求められます。
栃木県総合教育センターでは、基礎・基本の確実な定着を図る教科指導の在り方について研究するとともに、その成果を普及することで生徒の学力の向上に資することを目的に、平成17年度から「高等学校における教科指導の充実に関する調査研究」を行ってきました。今年度は、昨年度に引き続き、「今回の学習指導要領の改訂の趣旨を踏まえるとともに、各種調査の結果から指摘されている課題の解決を図るための教科指導の在り方を探る」ことに重点を置き、国語科、地理歴史科、数学科、理科、外国語科(英語)の各教科で調査研究に取り組みました。本冊子はその成果をまとめたものであり、教科指導を充実させる一助として、御活用いただければ幸いです。
最後に、調査研究を進めるにあたり、御協力いただきました研究協力委員の方々に深く感謝申し上げます。
平成23年3月
栃木県総合教育センター所長
瓦 井 千 尋 -
国語科 新学習指導要領への対応 - 言語活動の充実(2)- まえがき 1 調査研究の背景 2 国語科における指導の工夫―言語活動を取り入れた指導― 3 言語活動を充実させるために 【参考資料】 地理歴史科 言語活動を取り入れた「日本史B」の指導 まえがき はじめに 事例1 絵画資料の読み取りをもとに、13世紀の社会の様子を表現する授業 事例2 18世紀の人々の生活の様子について、複数の資料を組み合わせて考察する授業 事例3 地域の歴史に関する資料の読み取りをもとに、社会的背景について考察し、表現する授業 おわりに 数学科 数学の学ぶ意欲を高める指導の工夫
~理解と納得、そして、おもしろさを実感できる授業を目指して~まえがき はじめに 数学に関する調査と指導の工夫 事例1 「絶対値」の理解を深め、納得を促す指導の工夫 事例2 「鈍角の三角比」の理解を深め、納得を促す指導の工夫 事例3 「整数」の理解を深め、納得を促す指導の工夫 おわりに 理科《物理領域 》 生徒の興味・関心を高める授業を目指して〔電磁気学〕 まえがき 研究の概要 事例1 観察実験「電圧計の構造」 事例2 生徒実験「非直線抵抗の特性」 事例3 生徒実験「コンデンサーの充電・放電」 事例4 演示実験「コインとばし」 事例5 演示実験「ロジェの振り子」 理科《化学領域 》 探究する力を身に付ける化学の授業を目指して[電気分解] まえがき 調査研究の背景と概要 演示実験・生徒実験 電解質水溶液の電気分解(化学Ⅰ) 生徒実験・探究活動 電気分解の法則と電気分解の利用(化学Ⅱ) 参考文献等 理科《生物領域 》 「生命」の理解を深める活動への取組 まえがき 調査研究の背景 事例Ⅰ 植物の体のつくりとはたらき 事例Ⅱ 動物の発生 事例Ⅲ 動物の受容器と神経系 外国語科(英語) 「授業を英語で行う」ための工夫 まえがき はじめに 事例1 英語Ⅰにおける「授業を英語で行う」工夫 事例2 英語Ⅱにおける「授業を英語で行う」工夫 事例3 リーディングにおける「授業を英語で行う」工夫 おわりに -
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