中学校と高等学校における歴史学習において、生徒の歴史的思考力を育む授業実践についての発表が行われました。質疑応答の後にはグループに分かれた研究協議で、「思考力を育む歴史の授業」について熱い意見交換が行われました。
最後に、宇都宮大学教育学部熊田禎介准教授から発表についての講評と今後の社会科、地歴・公民科の方向性等について御指導いただきました。
発表1 時代の特色を捉える力を育てる中世学習
-構造化を手だてとして-
これまでの歴史学習を見直し、生徒に歴史事象を捉える視点をもたせた指導法についての発表がありました。様々な社会事象を構造化して、概念を捉えさせることにより、生徒は思考法を身に付け、自ら学習を進めていく様子が報告されました。
発表2 歴史的思考力を育む近現代史の授業の展開
-様々な視力から歴史を考察する力の育成を目指して-
-沖縄戦はなぜ民間人を巻き込んだ激戦になったのか-
「高等学校における教科指導充実に関する調査研究」において、近現代史における歴史的思考力を育む授業展開の工夫に取り組んだ成果の発表があり、生徒が日本と世界とのつながりを多面的・多角的に考察していく様子が報告されました。教師の具体的な手だて、生徒たちの授業を通しての思考の流れ、生徒たちの具体的な変容を見て取ることのできる発表でした。
研究協議
「思考力を育む歴史の授業」について、校種を越えて活発な意見交換がなされました。実際の授業の内容や展開等はそれぞれに参考になるものとなりました。「中学校、高等学校それぞれの考えを知る機会となった」「他校の実態を聞くことができ有意義だった」など多数の意見がありました。
指導助言
宇都宮大学教育学部の熊田禎介准教授より、歴史学習における課題設定、授業での問いの重要性や指導と評価の一体化について、また、小・中・高を見通して、どのように思考力を育むか、歴史学習は子どもたちに何ができるかについて助言をいただきました。