平成18年度英語教員研修 1年後アンケート集計結果

目的: 研修後1年が経過した時点での受講者の状況を、自己評価を通して調査することにより、研修の成果や課題を明らかにし、今後の研修改善に役立てる。
対象: 「平成18年度英語教員研修」受講者
実施時期: 平成19年12月
実施方法: 受講者本人が、インターネット上にある栃木県総合教育センターのホームページから無記名で回答
回答者数: 106名 中学校 63名 : 20・30歳代 41名、 40・50歳代 22名
高  校 43名 : 20・30歳代 21名、 40・50歳代 22名
集計結果: 全体 : 回答全体についてのグラフ
中高別・世代別 : 回答を中高別・世代別(20・30歳代/40・50歳代)にまとめたグラフ

 集計結果:全体

年齢は
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1 現在の状況について、5段階で自己評価してください。

【教員としての資質能力】

@英語を教える楽しさを感じながら授業をしている。
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A生徒理解が深まり、生徒との関係も良好である。
graph03

B職場の同僚と英語教育の問題点について、よく話をしている。
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C外部の研究授業や研究大会にできるだけ参加している。
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D1月に立てた「自主研修」の目標に向かって努力している。
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2 研修後から現在までの状況について、5段階で自己評価してください。

【英語運用能力】

@研修後、自主的に英語運用力の向上を図ろうとしてきた。
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A研修後、授業において可能な限り英語を使うようになってきている。
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【英語教授力】

@研修後、授業においてコミュニケーション活動を工夫し、その量も増えてきた。
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A研修後、「アクション・リサーチ」などを参考にして授業を改善してきた。
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B研修後、授業の目標や内容、方法、評価について深く考察するようになってきた。
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C3年間を見通して、生徒に身に付けてもらいたい力を、学年毎に明確にし、指導・評価するようになってきた。
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D研修中に講師が紹介した指導法や、他の受講者のアイディア等を授業で実践してきた。
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3 授業における英語の使用状況について、A〜Dから選択してください。

(高校の先生方は、「英語T」あるいは「英語U」の授業)

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【研修前との比較】 graph15

4 最も困っている・悩んでいる指導は次のうちどれですか。A〜Fをクリックしてください。

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5 次の質問に YES か NO でお答え下さい。

@今までに、TOEIC、TOEFL、英検等のいずれかを受検した。
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A今後1年以内に、TOEIC、TOEFL、英検等のいずれかを受検しようと予定している。
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6 英語運用力の向上を図るために自主的に取り組んできた方法を選択してください。(複数回答可)

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7 次の質問には具体的にお書きください。

授業において、英語の使用やコミュニケーション活動を増やすのに、課題となっていることは何ですか。
課題がない場合は「なし」とお書きください。

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 集計結果:中高別・世代別

※グラフ内の数値は実数

1 現在の状況

【教員としての資質能力】

@英語を教える楽しさを感じながら授業をしている。
中学校
高等学校
gragh_nendai01 gragh_nendai02

凡例は以下、2(2)Dまで 同様

A生徒理解が深まり、生徒との関係も良好である。
gragh_nendai03

gragh_nendai04

B職場の同僚と英語教育の問題点について、よく話をしている。
gragh_nendai05

gragh_nendai06

C外部の研究授業や研究大会にできるだけ参加している。

gragh_nendai07

gragh_nendai08

D1月に立てた「自主研修」の目標に向かって努力している。

gragh_nendai09

gragh_nendai10

2 研修から現在までの状況

【英語運用力】

@研修後、自主的に英語運用力の向上を図ろうとしてきた。
中学校
高等学校

gragh_nendai11

gragh_nendai12

A研修後、授業において可能な限り英語を使うようになってきている。

gragh_nendai13

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【英語教授力】

@研修後、コミュニケーション活動を工夫し、その量も増えてきた。

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gragh_nendai16

A研修後、「アクション・リサーチ」などを参考にして授業を改善してきた。

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B研修後、授業の目標や内容、方法、評価について深く考察するようになった。

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gragh_nendai20

C3年間を見通して、生徒に身に付けてもらいたい力を、学年毎に明確にし、指導評価するようになった。
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gragh_nendai22

D研修中に講師が紹介した指導法や、他の受講者のアイディアを授業で実践してきた。
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gragh_nendai24

3 授業における英語の使用状況

中学校
高等学校
gragh_nendai25 gragh_nendai26


【研修前との比較】
※数値はパーセント
gragh_nendai27

gragh_nendai28

4 最も困っている・悩んでいる指導は次のうちどれですか。

中学校
高等学校
gragh_nendai29 gragh_nendai30

5 次の質問に YES か NO でお答え下さい。

今までに、TOEIC、TOEFL、英検等のいずれかを受検した。
中学校
高等学校
gragh_nendai31 gragh_nendai32


今後1年以内にTOEIC、TOEFL、英検等のいずれかを受検しようと予定している。
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6 英語運用力の向上を図るために自主的に取り組んできた方法を選択してください。(複数回答可)

中学校  
gragh_nendai35
高等学校  
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7 次の質問には具体的にお書きください。

授業において、英語の使用やコミュニケーション活動を増やすのに、課題なっていることは何ですか。
課題がない場合は「なし」とお書きください。
中学校
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高等学校
gragh_nendai38



 考察

アンケートの結果から、アンケート項目毎の、「そう思う」、「どちらかと言うとそう思う」の回答の合計をパーセントで示すと次のようになります。


【教員としての資質能力】            
 @ 英語を教える楽しさを感じながら授業をしている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 A 生徒理解が深まり、生徒との関係も良好である。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 B 職場の同僚と英語教育の問題点について、よく話をしている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 C 外部の研究授業や研究大会にできるだけ参加している。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 D 1月に立てた「自主研修」の目標に向かって努力している。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【英語運用力】
 @ 研修後、自主的に英語運用力の向上を図ろうとしている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 A 研修後、授業において可能な限り英語を使うようになってきている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【英語教授力】
 @ 研修後、授業においてコミュニケーション活動を工夫し、その量も増えてきた。・・・・・・・・・・
 A 研修後、アクション・リサーチによる授業改善を実践してきた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 B 研修後、授業の目標や内容、方法、評価について深く考察するようになってきた。・・・・・・・
 C 3年間を見通して、生徒に身に付けてもらいたい力を、学年毎に明確にし、
    指導・評価するようになってきた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 D 研修中に講師が紹介した指導法や、他の受講者のアイディア等を授業で実践してきた。・・

90%
86%
64%
32%
77%

84%
63%

61%
42%
81%

71%
88%

 ところで、英語教員研修の目指す姿は、「英語教員研修Q&A」で示しましたが次の通りです。

T 生徒が英語を使って生き生きと活動し、同時に教師が学校の実情に応じて英語を用い、生徒の活動を支援している姿
U 教師がよりよい授業を目指し授業を改善する姿
V 「自分は英語教師としてこうありたい」という理想を掲げて、教師自らが教員生活を通して楽しく勉強している姿

 忙しい最中に、時間を工面して、T、U、Vの目指す姿に前向きに取り組んでいることが、アンケートからわかります。しかし、Tについては、生徒間の学力差や英語理解力、受験指導、教員間の共通理解等の現実的な問題に直面し、思うようにできないもどかしさを感じ悩んでいる方が多いようです。


 コミュニケーション活動を授業の中に

 現行の学習指導要領では、「実践的コミュニケーション能力の育成」が教科目標であり、評価では「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」が観点の一つになっています。伝統的な英文和訳、和文英訳、文法・語法問題演習だけではなく、生徒間での、また、生徒と教師間でのコミュニケーション活動を通して、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことを織りまぜながら指導することが求められています。

  コミュニケーション活動を到達目標の一つに

 各学校においては、それぞれの実態に応じて、学校独自のコミュニケーション活動を今後一層工夫し、シラバスの中に到達目標として位置付け、コミュニケーション活動(自己表現活動)と、単語や表現を覚えたり系統立てて文法を学習したりすることとのバランスが重要です。

  診断的な評価と形成的な評価を指導・評価計画の中に

 各考査等のペーパーテストによる正確な表現、単語・熟語・構文等の定着、及び、論理的な解釈力等の評価はもとより、クラスの実態を把握し、到達目標を明確にするためのアンケートによる診断的な評価、生徒の「気付き」を大切にする形成的な評価を授業の中に積極的に取り入れてほしいと思います。

 最後になりましたが、年末の忙しい時期に、約7割弱の方々からご回答をいただきありがとうございました。寄せられたご意見と集計結果を検討し、今後の研修に生かしていきたいと考えます。


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