佐野天明鋳物
佐野天明鋳物(さのてんみょういもの)について知ろう!

「天明(*1)鋳物」とは、下野国(しもつけのくに)佐野天明(さのてんみょう)〔栃木県(とちぎけん)佐野市(さのし)〕の地で作られた作品、または、佐野の鋳物師(いもじ)によって各地で作られた作品を言います。

さらに、佐野の鋳物業そのものを指す場合もあります。

その歴史は古く平安時代(へいあんじだい)にさかのぼると言われています。

最も生産が盛んとなったのは室町時代(むろまちじだい)から江戸初期(えどしょき)と言われ、その作品は茶の湯釜(ゆがま)、梵鐘(ぼんしょう)などから、なべ、かまなどの生活用品に至るものまで有り、越名(こえな)・馬門(まかど)河岸(かし)(*2)から、江戸方面に大量に出荷されていました。


天明鋳物の作品は、国や県・市町村の文化財に指定されているものも多く、佐野市内、栃木県内はもちろん、東日本一帯に広く見出すことができます。

どんな歴史があるのか、どのように作られるのか、このホームページで調べてみましょう。


~一千年の歴史を誇る~天明(命)鋳物(35.3MB)
(制作:佐野鋳物工業組合)


用語解説

(*1)「天命」と「天明」

天命はもともとこの地方の地名です。

古文書や作品銘によると、古くは「天命」、江戸時代の貞享(じょうきょう)年間(1684~1687)頃から「天明」が使われるようになったと考えられます。

ここでは、「天明鋳物」と統一して表記します。

(*2)越名・馬門河岸

明暦年間(めいれきねんかん)(1655~1658)に今の佐野市に開設された河岸で、江戸の日本橋まで通じていて、関東(かんとう)の三大河岸のひとつと言われました。