殺生石
殺生石(せっしょうせき)

4月16日、黒羽(くろばね)を出発した芭蕉(ばしょう)は、18日には那須湯本(なすゆもと)に到着、温泉神社(おんせんじんじゃ)に参拝し、殺生石などを見学しました。
殺生石は、九尾の狐(きゅうびのきつね)が玉藻稲荷(たまもいなり)で討たれた後、その魂が那須に飛んで石になったと伝える石です。
その毒気に当たった虫の死骸が数多く見られると芭蕉は記していますが、現在でも硫黄のにおいが強く、荒涼とした場所です。
湯本に至る途中に詠んだ句が、

野を横に 馬引き向けよ ほととぎす

です。
「広い那須野(なすの)を進んで行くと、野を横切って、ほととぎすがするど鋭く鳴いて過ぎた。馬子よ、その方角に馬を引き向けてくれ。ほととぎすの声の消えゆく方へ。」
という意味の句です。


殺生石の入り口


九尾の狐が飛んできて石になったという大きな石