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大谷磨崖仏 |
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大谷磨崖仏にはどのような特徴があるか |
大谷磨崖仏(千手観音菩薩立像)
磨崖仏とは、岩壁などに刻まれた石仏のことです。
大谷寺(おおやじ)には、凝灰岩でできた自然の岩窟(がんくつ)を利用して掘り出された10体の仏像があります。
本尊の千手観音菩薩立像(せんじゅかんのんぼさつりつぞう)は、高さが398cmです。
面長の顔や切れ長の目線、左右対称にまとめた腕の配置、腹部から足元にかけての衣の表現は天平時代(てんぴょうじだい)の作風であり、奈良時代(ならじだい)から平安初期(へいあんしょき)の作と考えられています。
また、下から仰ぎ見る視線を意識したプロポーションや、磨崖仏には難しい四十二臂(ひ)の複雑な腕のまとめ方などから、かなり腕のある仏師(ぶっし)の作と推定されています。
本尊の他に、釈迦三尊像(しゃかさんぞんぞう)、薬師三尊像(やくしさんそんぞう)、阿弥陀三尊像(あみださんそんぞう)と伝えられている9体があります。
これらの磨崖仏は、仏像を岩からほぼ彫りだし、その上に粘土を塗って仕上げる技法でつくられています。