奥日光
奥日光の湿原のようす


ラムサール条約湿地区域図

戦場ヶ原(せんじょうがはら)・小田代ヶ原(おだしろがはら)を含む「奥日光の湿原」は、平成17年11月8日ラムサール条約湿地に登録されました。


(1)ラムサール条約とは
正式名は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいます。

1971年にイランのラムサールにおいて開催された国際会議で、特に水鳥に注目し、その生息地として国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の「保全」と「賢明な利用」を進めることを目的に採択されました。
その後、対象湿地は「水鳥等の飛来地」から「広く生態系として重要な湿地」に拡大され、現在に至っています。


(2)戦場ヶ原の特色


戦場ヶ原

戦場ヶ原は本州最大級の高層湿原で、ワタスゲ、レンゲツツジ、ホザキシモツケ等の100種以上の湿原性植物の生育が確認されています。
大昔に男体山(なんたいさん)の噴火により、湯川がせき止められた浅い沼が、長い年月をかけて土砂やそこに生えていた植物の残骸(ざんがい)などで埋まり、湿原になったものです。


(3)小田代ヶ原の特色


小田代ヶ原

戦場ヶ原の東に位置する小田代ヶ原は、湿原から草原へと変わっていく過程にあり、アヤメ、ノハナショウブ等の湿原性植物のほか、ウマノアシガタ、ホザキシモツケ、ニッコウアザミ等の草原性植物の生育が確認され、多様な植物相を有しています。
小田代ヶ原に生える1本のシラカバの木、通称「貴婦人」は、その美しい姿から自然写真愛好家たちの間でも有名です。


(4)「奥日光の湿原」保全の取り組み
・小田代原の南側の日光市道1002号線では、平成5年度から一般車両の乗り入れが規制され、冬季を除いた毎日、低公害バスが走っています。

・戦場ヶ原などには木道が敷かれ、湿原を傷つけることなく豊かな自然を観察できる研究路となっています。

・奥日光の植生を守るため、小田代原や戦場ヶ原などには「シカ侵入防止柵」が設置されており、その結果湿原内の植生が回復するなどの効果が確認されています。

・県と環境省(かんきょうしょう)、日光市、地域の方々が協力し、毎年夏にオオハンゴンソウ等の帰化植物の除去を行っています。