学力に関する国際的な調査や教育課程実施状況調査では、日本の高校生の学力の状況や学習に対する意識などが明らかにされ、国のレベルからも学力向上のための様々な提言がなされています。栃木県では、「とちぎ教育振興ビジョン(二期計画)」を策定し、中・長期的な展望に立った教育施策を、平成18年度より新たにスタートしました。ビジョンでは、「確かな学力」を育成することを教育施策推進上の重要な観点として掲げ、教材や指導の工夫をすること、思考力・判断力・表現力などを高める学び合いを充実することなどの指導のポイントを示しています。
各学校においても、教育活動の改善充実に日々努めているところですが、特に教科指導においては、限られた時間の中でも効果的な指導を展開して、生徒の学力向上に資することが大切です。
これらのことを踏まえ、総合教育センターでは、「高等学校における教科指導の充実に関する調査研究」に取り組んでおります。この調査研究の目的は、基礎・基本の確実な定着を図るための授業改善を目指して、教科指導の在り方について研究し、その成果を普及することにより、学力の向上に資することにあります。今年度は、国語科、数学科、理科(物理、化学、生物)、外国語科(英語)の4教科において、教育課程実施状況調査等の調査結果から指摘されている課題を踏まえ、その解決を図るための授業改善の方策等について研究に取り組みました。研究の成果をまとめた本冊子を、各学校の実情に応じて有効にご活用いただければ幸いです。
最後に、今年度の調査研究を進めるにあたり、ご協力いただきました研究協力委員の方々に深く感謝申し上げます。
平成19年3月
栃木県総合教育センター所長
五味田 謙一 |