人工衛星用カメラ研究開発講習会報告書


   平成25 年7月22日(月)~7月25日(木)の4日間、東京理科大学理工学部(野田校舎)電気電子情報工学科・木村真一教授研究室等で実施されました、公益社団法人全国高等学校長協会主催の「人工衛星用カメラ研究開発講習会」(小型人工衛星の製作基本技術講習並びに衛星に搭載するカメラの共同製作)に、本校情報技術科3年斎藤章智君が参加しましたので、ご報告をいたします。
 
  ◇人工衛星用カメラ研究開発講習会参加報告

 栃木県立宇都宮白楊高等学校 情報技術科3年 斎藤章智

 

  本講習会は7月22日~7月25日の4日間、東京理科大学 理工学部 木村研究室で開催されました。日本全国から20人の工業系高校生が参加し、大学施設への宿泊を伴う講習会でした。栃木県からは私と栃木工業高校生の2名が参加しました。
  私達の生活は、通信衛星・放送衛星・気象衛星・測位衛星システム(GPS)などに支えられています。宇宙という過酷な環境下で衛星や探査機を動作させるためには、高度な技術と高い信頼性が要求されます。機器の情報を処理するためには、組み込み型マイコンが必要となります。また、機器の周辺情報を得るためには、様々なカメラやセンサの技術が必要となります。
  今回の講習会では、人工衛星用の単焦点カメラの製作、カメラ制御用のPICマイコン回路製作及びC言語を用いた制御用プログラミングをおこないました。制御用コマンドをカメラに送ることで、画像の左右反転(ミラーリング)処理や色情報抽出(RGB単色表示)処理などができることを確認しました。モニタやオシロスコープを用いてカメラ信号を取り扱うのは初めてだったのですが、興味関心をひく演習がたくさんあり、気が付くとあっという間に講習会の4日間が終わっているという状態でした。
  私は、メカトロニクスやロボットの研究開発をするために大学に進学する予定です。今回の講習会をとおして、物理や電子回路などの基礎的基本的な知識を理解し、その知識を活用できる能力が必要であることがわかりました。ものつくりに活用できるような、実践的な能力がもてるよう努力していきたいと思います。


        回路全体                回路内部

 

【参考】
 ◇人工衛星打ち上げプロジェクトについて◇

 全工協会では、創立100周年記念事業の一環として、人工衛星・相乗り小型副衛星(分類名)の打ち上げプロジェクトを立ち上げました。
 これは、小型人工衛星(20cm立方程度)をH-ⅡAロケットなどの一部分に乗せて打ち上げます。地球の軌道上(高度約600km)を周回させて、地球画像送信や大気環境観測をミッションとする壮大な構想で、未だ、高等学校では実現していません。
 JAXA(宇宙航空研究開発機構)など関係機関の支援と会員校の協力の下、創立100周年(平成31年)までに人工衛星の打ち上げを目指します。

公益社団法人 全国工業高等学校長協会HPより
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http://www.zenkoukyo.or.jp/satellite/a_sat.html