近年、少子高齢化、国際化、高度情報化、科学技術の進展、環境問題の深刻化など、社会の変化はますます加速しつつあり、教育の分野にも大きな変革が進んでいます。一方では、青少年犯罪の増加や不登校、いじめ、学習意欲・体力の低下への懸念などの問題が指摘され、児童生徒の心と体の健康や学力を危惧する声が高まっています。
そこで、本県児童生徒の生活習慣や行動傾向を把握し、「社会性の育成」や「心と体の健康」及び「学びの充実」を目指す指導の在り方を明らかにすることが必要と考え、平成15年度に、小学校第2学年及び小学校第5学年、中学校第2学年、高等学校第2学年(全日制)の児童生徒から約3000人を抽出し、「児童生徒の生活状況調査」を実施しました。
具体的な質問は、基本的生活習慣や学校外での過ごし方などの「A あなたの普段の生活について」、勉強することの意義や学校外での学習に関する「B 勉強のことについて」、悩みや不安、行動などの心や体の健康に関する「C あなた自身のことについて」の3つの内容で構成しました。
平成16年3月には、その単純集計結果を「児童生徒の生活状況調査(中間報告)」として公表しました。今年度は、さらにクロス集計等の手法による詳細な分析・考察をとおして、私たち大人が子どもたちに向き合うときの姿勢について改めて考えさせられたことを7つの提言としてまとめ、ここにご報告いたします。
学校においては、家庭や地域へのメッセージとして活用するなど、栃木県の教育の重点である「生きる力をはぐくむ学校教育の充実」の実現のためにこの冊子を役立てていただけることを期待します。また、このことが、子どもたちにかかわるすべての教師、保護者、地域の方々がそれぞれの立場で、本県の子どもたちの成長のために手を差し伸べていただけることの一助となれば幸いです。
平成17年3月
栃木県総合教育センター所長
佐 藤 信 勝
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