きびがら細工
きびがら細工の歴史

栃木県(とちぎけん)鹿沼市(かぬまし)は、座敷箒(ざしきぼうき)の生産地として知られた所です。
鹿沼で箒きびの栽培が行われるようになったのは、天保(てんぽう)12年(1841年)、上殿の代官、荒井喜右衛門(あらいきえもん)が江戸(えど)練馬(ねりま)より箒きびの種を持ち帰り、花岡村(はなおかむら)に植えつけたのが始まりといわれています。
以後、品種改良を経て箒きびの生産量が増えるとともに、箒の生産も行われるようになり、鹿沼は座敷箒の一大産地となりました。
鹿沼で製造された箒は「鹿沼箒」といわれ、柄の付け根をハマグリ型に針金で編み上げたハマグリ型箒です。

鹿沼箒に一大転換期が訪れたのは、昭和(しょうわ)30年代の電気掃除機の普及です。
便利な電気掃除機が普及すると座敷箒の需要は激減しました。
そうした中、座敷箒に代わる新しい特産品として考案されたのが、きびがら細工です。