千人武者行列
祭りでは、他にどのような神事が行われるか

(1)流鏑馬神事(やぶさめしんじ)

流鏑馬とは、馬に乗り、走る馬から弓で鏑矢(かぶらや)を放ち、的を射抜く日本(にほん)古来の伝統芸能です。

その歴史は古く、平安時代(へいあんじだい)にさかのぼると言われていますが、現在行われている流鏑馬は約800年前、鎌倉時代(かまくらじだい)の源頼朝(みなもとのよりもと)によって神事として整えられました。

馬場は直線約260メートルの距離があり、進行方向左側に桧または杉の板的(いたまと)が約80メートル間隔で三カ所に立てられています。

射手は全力で走る馬の上から順番に的を射抜いていきます。

日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)の例大祭(れいたいさい)では、精鋭14人の射手が表参道の入り口から登場し、「いん(陰)、よう(陽)」という勇ましいかけ声を発しながら3つの的めがけて次々と矢を放ち、石鳥居へ向かって駆け上がるという華麗な技を披露します。


(2)御旅所祭(おたびしょさい)

千人武者行列(せんにんむしゃぎょうれつ)が御旅所に着くと、三品立、七十五膳という神饌(しんせん)を供え、「八乙女の舞(やおとめのまい)」「東遊(あずまあそび)」の二つの舞が古式ゆかしく奉納されます。


・神饌

神饌とは日本の神社や神棚(かみだな)に供える供物(くもつ)のことです。

神社などでは米・塩・水・野菜・鯛・鰹節(干鰹)・海藻・果物・清酒などを供えます。その中の米・塩・水を特に三品立といいます。

・八乙女の舞

八乙女とは祭礼・儀式の作法や心得などを習得した巫女(みこ)のことです。

後ろ髪を束ねて和紙を巻き、麻ひもで縛った巫女の姿で式神楽(しきかぐら)や剣の舞(つるぎのまい)を奉納します。

・東遊

六弦の和琴や高麗笛(こまぶえ)・篳篥(ひちきり)を伴奏に、舞人がおおらかな歌声の中、神前にて奉納する舞のことです。

雅楽の中でも日本古来の祭式芸能の流れを受け継ぐものであります。