栃木の郷土料理
耳うどん

旧葛生町(くずうまち)常磐(ときわ)〔現在の佐野市(さのし)〕では、暮れになると耳うどんを作り、正月期間中に食べる風習があります。

小麦粉を練って作った形が耳の形に似ていることから「耳うどん」の名前がつきました。


耳うどん

(1)耳うどんにはどのような由来があるのか

耳うどんは、暮れのうちにゆでて冷水に浸しておき、正月の来客にふるまうものです。

正月に客に手間がかかる料理を準備するのが大変だということからうまれたものです。

長時間冷水に浸しておける形として庶民の知恵から考案されたものです。

小麦粉をうどんの要領で伸ばして形を作ります。

この形が「耳」の形に似ています。

そして、鬼の耳になぞらえ、お正月に食べてしまえば、「一年間悪いことが聞こえない。その年は無病息災で過ごせるとか、悪口が聞こえないので近所つきあいが円満にいく」などの言い伝えがあります。


(2)耳うどんはどうやって作るのだろう

小麦粉をこねて薄くのばし、横約7センチ、縦3センチの大きさに切り、それを2つ折りにしてから、さらに片方の端どうしをくっつけて輪にして耳のような形を作り、ゆでます。

これを野菜やきのこ、鶏肉が入ったしょうゆ仕立ての汁に入れ、煮立てたものです。