タンポポ研究室 | |
タンポポの仲間分け |
タンポポのなかまわけは、なかなかむずかしいよ
質問
図鑑を見ると、いろいろななまえのタンポポがありますが、なぜこの調査ではニホンタンポポ(在来種)としているのですか?
考えかた
タンポポは,それぞれの地域によって少しずつ特徴がちがいます。
そして、それらをちがう種類にわけるかどうかについては、いろいろな考えかたがあるようです。
タンポポの種類を調べるのに次のような問題点があります。
ニホンタンポポという名前は、正式な名前(和名)ではありません。
小学生からおとなまで調査しやすいように使っています。
図鑑によっては,ニホンタンポポをいくつかに分ける考え方があります。
栃木県(とちぎけん)ではカントウタンポポ、シナノタンポポ、エゾタンポポの3つが文献などで報告されています。
しかし、最近(1990年代)の研究ではニホンタンポポ(在来種)は1種類とする考えも出されています。
地方の名前がつけられているのに、地域によって少しずつ形が違い、その違いが代々伝わっているからです。
このことは「地理的変異といって、生物学ではとても興味がある現象です。
外来種と在来種の雑種があることもわかってきました。
この雑種の総苞片(そうほうへん)の特徴は外来種に似ています。
ですから、総苞片が反り返っていないものは在来種と判断して問題ないようです。
タンポポ調査をしてみると、黄色い花びらで、少し総苞片が外側に反っているものが見られます。
総苞片だけ見ると、ちょうど在来種と外来種の中間の特徴をもっています。
これは、判断するのがむずかしいですが、その場合は「中間型」として、写真をとるなどして記録しておいてください。
シロバナタンポポは在来種のひとつです。
花びらが白く、総苞片が少し外側に反っています。黄色い花びらのタンポポとは、だいぶ見た目がちがいます。
まとめ
次の①と②のなかまわけになれたら、③のシロバナタンポポも加えて、4種類のなかまにわけて調査を行ってみるとおもしろいと思います。
① ニホンタンポポのなかま花の色は黄色。総苞片は外側に反っていません。
② セイヨウタンポポのなかま花の色は黄色。総苞片は外側に反っています。
③ シロバナタンポポのなかま花の色は白色。総苞片は外側に少し反っていません。
④ ①と②の中間型のなかま花の色は黄色。総苞片は外側にはなれています。