平成15年12月に学習指導要領の一部が改正され、「総合的な学習の時間の一層の充実」が求められました。さらに、平成16年10月にまとめられた中央教育審議会答申では、「総合的な学習の時間については、大きな成果を上げている学校がある一方、当初の趣旨・理念が必ずしも達成されていない状況も見られる」ことが指摘されるとともに、総合的な学習の時間の重要性を踏まえた改善や支援策の充実が必要であることが述べられています。生きる力をはぐくむために創設された総合的な学習の時間が充実することは、学習意欲と学びの質の向上、確かな学力の育成につながるものと考えます。
創設から7年、本県の小学校及び中学校の多くの学校では、総合的な学習の時間の全体計画が作成され、地域や学校の実態等に応じた総合的な学習の時間が展開されています。実践をとおして、児童生徒の望ましい変化や成長、家庭や地域との連携の深まりなど、総合的な学習の時間の多様な可能性を感じている教師は少なくありません。この時間が、子どもたちにとって実り多いものとなるよう、各学校が主体性と創造性を発揮して、今後とも前向きに取り組まれることを期待します。
本冊子は、すでに行われている実践の成果と課題を把握し、総合的な学習の時間の充実につなげるための考え方と方策についてまとめたものです。各学校における総合的な学習の時間のさらなる充実のためにご活用ください。
終わりに、本冊子の作成に当たって調査にご協力いただいた各学校、関係機関の方々に、深く感謝申し上げます。
平成18年3月
栃木県総合教育センター所長
佐 藤 信 勝
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