平成18年度 教職20年目研修(小学校・中学校) 選択研修の紹介
A:学校のグランドデザインと私の仕事 ~ミドルリーダーとしての役割を自覚して~ |
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研修のねらい | 学校の特色と自分の仕事との関係を明確に把握し、学校経営に参画する意識をもつとともに、校内の後輩教員の指導の在り方を一緒に考えます。 |
研修の内容 | 教育改革が進む中、子どもの個性を伸ばし豊かな心をはぐくむため、学校の自主性・自律性を確立し自らの判断で学校づくりに取り組むことが求められています。 そこで、以下の2つの演習を通して、自分の仕事やミドルリーダーに期待される資質や行動について考えていきます。 1 演習Ⅰ「学校のグランドデザインと私の仕事」 この演習では、記入シートをもとにして、学校のグランドデザインを図式化し、ミドルリーダーとして、自分の学校の特色を再確認します。さらに学校経営方針を踏まえた自分の仕事の在り方について協議を通して考えていきます。 2 演習Ⅱ「学校におけるミドルリーダーに期待される行動」 事前課題(教員として自分を成長させた経験)をもとにして、グループで作業を進めます。それぞれの学校において自分にどのような役割があり、中堅教員として学校経営にどう参画し、後輩教員をどう指導していくかについて理解を深めていきます。 私の学校グランドデザインシートについては、研修終了後、後日清書して提出していただきます。 |
当日の持参品 (課題等) |
・自校の「学校要覧」「校務分掌一覧」「学校経営案」(その他、学校の特色が分かるもの) ・「私を成長させた経験ワークシート」(様式A)を記入し持参する。 |
B:校内研修活性化 ~魅力ある校内研修を行うために~ |
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研修のねらい | 日頃行っている校内研修の在り方を振り返り、魅力ある校内研修となるよう、改善策を考えます。特に、研修の企画や運営の仕方について協議し、率先して研修を推進していけるよう、その在り方や実践について考えます。 |
研修の内容 | 現在、各校で行われている校内研修を、より魅力的なものにしていくには、どうすればいいでしょうか。校内研修も、工夫一つで、「身に付いた、役に立った、やってよかった」などの感想が多く聞かれるようになるはずです。 この研修では、協議や演習を通して校内研修を見直していくために、次のようなテーマ例を考えています。 ○校内研修の課題はどのように設定すればよいのか。 ○校内研修を組織的に進めていくには、どのようなことに配慮すればよいのか。 ○校内研修運営の仕方については、どのような工夫が必要か。 研修の主な流れは次のとおりです。 1 講 話「校内研修の在り方とその企画運営担当に求められるもの」 2 研究協議「効果的な校内研修のための方策 ― 組織的に進めるために ― 」 3 発 表 4 指導助言 |
当日の持参品 (課題等) |
・平成17年度の校内研修計画(年間計画等) ・実際に行った研修の要項等 ・「校内研修に関するアンケート」(様式B)を記入し、指定された期日までにFAX送信すること。また研修当日も持参すること。 |
C:児童・生徒指導の推進 ~ 小学校と中学校の連携のための相互理解 ~ |
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研修のねらい | 小学校と中学校で実際に行われている児童・生徒指導の内容や方法の相違点とその理由を探り、小学校と中学校が連携していく上で重視すべきことについて考えるとともに、今まで培ってきた児童・生徒指導についての考え方を振り返ります。 |
研修の内容 | 児童・生徒指導を適切に推進していくためには、言うまでもなく、児童生徒の発達段階を考慮していくことが重要です。そのためには、小学校と中学校がそれぞれの状況に応じて各学年の発達課題を考慮しながら指導していくことに加え、小学校と中学校の状況を両者が相互に理解し合い、適切に連携していくことが大切です。 小学校と中学校は同じ義務教育ということで1つに括られることが多いわけですが、学習活動をはじめとする諸活動やその指導方法等は、小学校と中学校では大きな違いが見られます。 そこで、この研修では、小学校と中学校の連携のための相互理解に焦点を当てます。なぜ小学校と中学校の児童・生徒指導の方法は違ってくるのかについて、協議を通して理解を深め、今まで各自が培ってきた「児童・生徒指導」についての考えを、小学校と中学校の連携の観点から見直したり確認したりします。 1 講 話 「児童・生徒指導上の問題点」 2 研究協議1 「小学校と中学校の相違点」 3 研究協議2 「小学校と中学校の相互理解」 4 指導助言 |
当日の持参品 (課題等) |
・「児童・生徒指導における小・中連携のための資料」(様式C)を記入し、持参すること。 |
D:人間関係づくり ~人とのかかわり方を体験し、円滑な人間関係づくりを自信をもって進めていこう~ |
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研修のねらい | 教育の場において様々な人々との関わりをもつ必要性について考え、円滑な人間関係づくりの重要性に気付き、そのノウハウを身に付けます。 |
研修の内容 | 近年、価値観の多様化や人間関係の希薄化などから、保護者や同僚との関係づくりに難しさを
感じている教員が増えています。また、児童生徒への効果的な指導を協力的な人間関係の中で進めていくこともとても大切です。 この研修では、グループエンカウンターやロールプレイング等を通して、保護者や同僚などとの円滑な人間関係づくりのノウハウを体験的に学び、実践できるようにします。 研修のおもな流れは次のとおりです。 1 演習「グループエンカウンターによる自己・他者理解」 あいさつ、バースデーカレンダー、二者択一などのエクササイズを通して、自己理解や他者理解について学びます。 2 演習「ロールプレイングの実践」 「保護者からの相談や苦情」、「同僚教師からの相談」について、役割演技を通して円滑な人間関係づくりを体験します。 |
当日の持参品 (課題等) |
・「今の自分を振り返ってみましょう」(様式D)を記入し持参すること |
E:「確かな学力」を育てる学習指導 ~学習指導の中核的存在としての役割~ ※開催要項では、題名は「学習指導と教科の基礎・基本の在り方」でしたが、上記のものに変更となりました。 |
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研修のねらい | 「基礎的・基本的な内容の確実な定着を図る指導の徹底」及び「個に応じた指導の一層の充実」という視点から、種々のデータや各学校の実践をもとに協議し、指導に生かす評価、「確かな学力」育成のポイントについて学びます。 |
研修の内容 | ミドルリーダーである20年目の立場を意識し、自分の学習指導だけでなく、学校全体の取り組みを見通した視点から、「確かな学力」を育成するための評価や学習指導の工夫改善について考えていきます。研修のおおよその流れは次のようになります。
1 講話 「確かな学力」を育成する学習指導の工夫改善 各種調査の結果(データ)をもとに、子どもたちの現状と求められる学力について考えます。 2 演習・研究協議 「確かな学力」の育成のために 【小学校】 TT、少人数指導、習熟度別指導等、共通する取り組みごとに班を編成し、 各学校での実践を振り返り、評価や学習指導の工夫改善について話し合います。 ・どのような工夫改善を行っているか(ねらい、指導の重点、配慮事項等) ・どのような成果や課題がみられるか ・他校の実践例も参考にし、「確かな学力」を育てるための有効な方策を探る 【中学校】 教科の枠を超えて、学校全体で「確かな学力」を育てる取り組みを 進めるためには どうしたらよいか。 学校規模ごとに班を編成し、仮想中学校を想定して、具体的な実践計画を立てます。 3 情報交換 小・中学校それぞれの学習指導における問題点や、学習指導に関する 小・中学校間の連携について情報交換を行います。 |
当日の持参品 (課題等) |
・「確かな学力」を育成するための取り組みがわかる資料(学習指導全体計画、各学校の実践例、自分で行った実践記録など) ・学力向上ハンドブック(平成16年3月 栃木県教育委員会) ・事前アンケート(様式E)を記入し、指定された期日までにFAX送信すること。 |
F:学校組織マネジメント ~「組織マネジメント」の手法とその活用~ |
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研修のねらい | ミドルリーダーとして、自己の使命を再確認し、学校経営への参画意識を高めるとともに、組織マネジメントの手法を学び、よりよい学校づくりのために活用できるようにします。 |
研修の内容 | ①組織マネジメントの必要性や着眼点について学びます。 ②組織マネジメントの手法を学びます。 ・学校内外の環境要因を明らかにします。 ・学校をよりよく改善していくための問題解決の進め方を学びます。 ③学校内の協働ネットワークづくりを学びます 研修の主な流れは次のとおりです。 1 オリエンテーション 2 講話 「学校組織マネジメントの概要」の復習 3 講話・演習 「自校のミッションの探索」 4 講話 「問題の発見から解決の進め方」 5 演習 「職場として活性化した学校の条件」 6 講話 「自校の資源の発見と活用」 7 演習 「私たちを取り巻く資源の構造」 8 講話・演習 「支援的な助言者による協働ネットワークづくり」 9 研修の振り返り、まとめ |
当日の持参品 (課題等) |
・勤務校の組織表、学校要覧、第1日の講話・演習「学校組織マネジメント」で使用した資料 ・事前アンケート(様式F)を記入し、指定された期日までにFAX送信すること。 |
G:「学び」から見た授業づくり ~子ども理解から出発する学習を構想する~ |
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研修のねらい | 子どもが学校で生活する時間の大半を占めている「授業」は、子どもの確かな「経験」となるように構想され、学習が成立すれば、しっかりとした足場をもった知的枠組みと価値の形成が図られます。このための具体的な方法や、その際の子ども理解の在り方について考えていきます。 |
研修の内容 | 子どもの確かな「経験」となるような授業とは何か、授業の際に本当に学習が成立しているかについて考えるために、具体的な授業の記録や模擬授業体験を通して議論します。 1 授業記録の検討 子どもの確かな「経験」となるような授業はどのようなものか、授業記録をもとに検討します。 その際、授業を構成する手だてとなる具体的な方法について資料をもとに確認します。 (1) 授業記録を読む。 (2) 授業についての感想を述べ合う。 (3) 授業記録についての議論をする。 2 模擬授業体験 授業記録で検討したような授業を実際に模擬授業を通して体験します。 その際、子ども役と観 察者に分かれます。 授業者:宇都宮大学教授 溜池 善裕 3 模擬授業についての協議 模擬授業について協議を行います。 4 まとめ |
当日の持参品 (課題等) |
・これまでの教職経験で思い出に残る子どもを一人選んで (1) どのような子どもだったか(その子をあなたはどう理解していたのか)。 (2) (1)を踏まえ、あなたは具体的にその子に対して授業、生活全般で どのようなかかわりをしたか。 について、メモ(様式G)をつくって持参すること。 |
H:特別支援教育の推進 ~特別支援教育を推進するための学級経営~ |
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研修のねらい | 発達障害のある子が安心して学校生活が営めるようになるためには、みんなが支えあう学級作りが欠かせません。また、障害児学級に在籍する児童生徒も交流教育で通常学級の児童生徒とともに学びあいます。そのような学びあいの際にも、みんなが支えあう学級作りが欠かせません。 発達障害のある子もともに伸びる学級経営のあり方について実践例を出し合い、特別支援教育を推進するために必要な学級経営について考えを深めていただきます。そして、各学校において、特別支援教育の視点を取り入れた学級経営を教職20年目の先生方に推進していただきたいと思います。 |
研修の内容 | 通常学級の担任の方には、自分のクラスの発達障害がある(と思われる)児童生徒に対応する際の、学級経営上の工夫についてあらかじめまとめていただき、それをもとに研究協議をしていきます。 障害児学級の担任の方には、障害児学級の担任と交流教育先の学級担任が交流教育を実施する上での留意している点や、交流教育を実施している学級の様子についてあらかじめまとめていただ き、それをもとに研究協議をしていきます。 研究協議では、発達障害がある子が安心した気持ちで学べるための学級経営にはどのようなこと が必要か、その条件について話し合っていただきます。 研修の流れ 1 趣旨説明(全体) 2 自己紹介と記録者決め(グループ) 3 事例発表(グループ) 4 研究協議(グループ) 5 協議内容の発表と指導助言(全体) |
当日の持参品 (課題等) |
・「特別支援教育を推進するための学級経営」(様式H)を作成し、A4一枚程度に簡単にまとめ、持参すること。 |