百目鬼物語
百目鬼物語(どうめきものがたり)〔宇都宮市(うつのみやし)〕

田原藤太(たわらのとうた)は、家来を従えて、池の辺の里(今の宇都宮)へ狩に出ました。

その帰り道で出会った老人に「大曽(おおぞ)の里の北西の兎田に行け。」と言われました。

兎田は、「馬すて場」と呼ばれる昼間でも薄気味悪いところでした。

そこに行ってしばらく待っていると、身の丈三メートルもある百の目を持つ恐ろしい化け物があらわれました。

藤太は、百の目の中の特に光り輝く一つの目をねらい、矢を放ちました。

見事命中し、化け物は、倒れました。

その後、兎田は塙田村(はなわだむら)と名前も変えられて、人が住むようになりました。