那須の酪農家
桃井さんはどのような酪農をおこなっているのだろう

(1)環境に配慮した酪農


フリーバーン牛舎

①フリーバーン牛舎
戻したい肥(家畜の排せつ物を用いてつくったたい肥)を牛舎の床にしきつめて利用した広い区画をつくり、床を清潔に保つことで乳牛の病気(乳房炎の発生)を抑えています。
このような牛舎で、150頭の乳牛を飼育し、1日に2.7トンの生乳を生産しています。

②自給飼料生産
餌として与える飼料を近隣酪農家との共同作業で生産し、安全で効率的な酪農を実践しています。

③家畜排せつ物処理
家畜の排せつ物処理は発酵乾燥施設で良質なたい肥となり、フリーバーンで使用する戻したい肥や飼料畑の肥料にしたり、稲わらと交換したりしています。
このように桃井さんは資源の循環に努めています。


(2)生乳を使った経営の多角化


アイスクリーム直売所

①アイスクリームの製造・販売
生乳を生産することに加えて、自家産の牛乳を原料としたアイスクリームの製造から販売までを一環して行っています。
那須(なす)は観光地であるためゴールデンウィーク、夏休み、紅葉シーズンを中心に観光客の人気となっています。

②ヨーグルトやチーズの加工
将来的にはアイスクリームだけでなく乳製品としてヨーグルトやチーズの製造や販売も検討しています。
那須は酪農王国としても知られてきており、おみやげとしての乳製品の需要も期待されています。


(3)酪農の普及のための努力
桃井さんの酪農は、飼料を自家生産したり排せつ物を使える物に処理したりするなど、資源の循環をめざした安全で環境に配慮したものです。
これらの技術は大変に質の高いものであり、まさに地域のモデル経営となっています。
また、那須高原という立地条件をいかして乳製品の加工・販売を行うことは、今後の酪農の発展にとって期待されているものです。
桃井さんは自分が進めてきた技術を惜しみなく他の酪農家の人たちに教え、よりよい酪農の普及に努めています。
那須の酪農家のリーダー的存在として今後の活躍も大いに期待されています。