8月18日(火)から8月25日(火)の後期課外を経て、本校全日制は8月27日(木)から第2学期が始まりました。主な学校行事等を中心に、2学期が開始して1ヶ月の本校の様子をお知らせします。
9月4日(金)、宇都宮市文化会館にて、宇高祭ステージ発表を行いました。このコロナ禍の中、学校における行事等の実施については慎重に慎重を期す必要がありますが、万全な感染リスク対策と学びの保障という視点から、入念に検討し、実施の判断をさせていただきました。
今年度の宇高祭は、一般公開なし、規模縮小での実施でしたが、「滝の原精神に基づき、品位を保ちながら、『謙虚に自分の可能性を信じて最後まで頑張る』という滝の原プライド」を遺憾なく発揮し、全ての生徒、教職員の心に残るステージ発表が実現できました。
先の見えない新型コロナウイルス感染状況に、当初は実施が危ぶまれましたが、実行委員の諸君等が中心となり、エビデンスに基づく「宇高祭感染症対策ガイドライン」を作成し、万全な感染リスク対策を講じてくれ、学校祭ステージ発表実施の判断を後押ししてくれました。宇高祭ステージ発表の実現に向け、その陰で尽力してくれた実行委員はじめ、関係諸氏に敬意を表します。
(ところで、宇高祭明けの9月8日、9日の両日、3年生第3回校内模試がありました。コロナ禍による約3か月の臨時休業の影響か、6月の第2回校内模試結果では、多少の学習の遅れが懸念されましたが、今回の結果では、3年生は全体的に大いなる伸びを見せてくれています。思えば、全ての部活動の大会や学校行事等が中止となり、部活に頑張っていた3年生諸君には大変辛い現実となってしまいましたが、それを力に変え、この夏休みに理想的な切り替えができたようです。「楽しい時に楽しめない人は、苦しいときに頑張れない」と言いますが、この宇高祭ステージ発表に向け、徹底した感染対策と準備をして、当日を十分に楽しんだ宇高生諸君の今後の頑張りが楽しみです。特に3年生は、3年担任団からのエールに代表される、宇高の全教職員の想いを受けて頑張ってくれるに相違ありません。今後の一層の伸びが期待されます。)
9月12日(土)、令和2年度の土曜講座が開始しました。学年の枠を超え、生徒の興味関心に応じた「講座」を用意し、本物の学び、学問の深淵に迫らせようとするものです。
また、9月12日(土)午後には、「ズームによるオンライン宇高一日体験学習」を行いました。御案内のように、コロナ禍により毎年夏に行われる全高校の一日体験学習は中止となりました。そんな中、生徒会を中心とするメンバーが、「宇高の本当の魅力を中学生に発信したい」と、企画し、実現したのが、このオンライン一日体験学習です。本校は、臨時休業中、Zoomによるオンライン授業を行い、本校生は比較的Zoomには慣れていたとはいえ、県内初の試みでしたので、多少の不安はあったでしょうが、生徒会役員の諸君は、見事な手作りの一日体験学習を作り上げ、宇高の魅力を発信してくれました。なお、当日は、事前にお申し込みいただきた方々と約400台近いパソコン・スマフォ等とオンラインでつながりました。一台で複数参加の方もいましたので、本当に多くの方に御参加いただきました。海外から参加してくださった方もいました。
さらに、9月12日(土)から、部活動の新人戦等が本格的に再開しました。本校でも、陸上競技部や百人一首かるた部が関東大会への出場権を獲得しました。他にもそれぞれの部で頑張っておりますので、詳しくは各部のHPを御覧ください。
9月19日(土)、太平洋戦争末期の沖縄県警察部長で、宇高(旧制宇都宮中学)の卒業生である荒井退造氏を顕彰する「『島守』シンポジウム」が県総合文化センターで開かれました。荒井退造氏は、沖縄戦では島田叡沖縄県知事を支え、県民の県外・北部疎開や軍との交渉などに当たった方です。島田氏と行動を共にし、1945年6月26日、島田氏と摩文仁の軍医部壕を出たのを最後に消息不明となりました。島田氏と共に県民の避難・保護に尽力し、合わせて約20万人の命を救ったことから、二人は「沖縄の島守」と讃えられています。「『島守』シンポジウム」は、来場者約400人やウェブで聴講した兵庫、沖縄県関係者らが、兵庫県出身の島田叡知事と共に沖縄県民疎開に尽力した荒井退造警察部長の功績から、平和の尊さを考えたものです。シンポジウムの締めくくりとして、本校演劇部の生徒7人が、6月の沖縄全戦没者追悼式で披露された「平和の詩」を朗読しました。
なお、9月30日(水)、全生徒に前期通知票をお渡しします。新型コロナウイルスの猛威は学校教育にも大きな影響をもたらし、生徒たちには辛い年となった今年度でしたが、今、学校は、ウィズ・コロナの視点からの「学びの保障」、「通常に近い形での教育活動」を目指して動き始めています。そんな中、「全教科主義」と「学業プラスワン」を実践しながら、本校生各人がそれぞれの持ち場で諸活動に励みながら教科の学習にも取り組んで参りました。その成果としての通知票です。ぜひ、御子息の成長を再確認していただければと思います。
県立高校生にも罹患者がでるなど、まだまだ新型コロナウイルス感染状況の先が見通せない状況ではありますが、10月以降の学校行事の実施等についても、万全な感染リスク対策と学びの保障という視点から、説明が付くまで検討し、適切な判断をしていきたいと考えています。引き続き、本校教育活動に対する御理解と御支援をよろしくお願い申し上げます。
令和2年9月27日
栃木県立宇都宮高等学校長
軽部 幸治