日誌

新規日誌24
2020/08/03

夏休みを迎えて~通常登校開始後の御報告にかえて~〔校長室より〕

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 生徒・保護者の皆様へ


 新型コロナウイルスとの戦いで始まった令和2年度ですが、本校も6月1日に通常登校が再開できました。宇高生は全員、元気で健康に、この滝の原に無事戻ってきてくれました。そんな生徒諸君の姿には、困難な時こそ、「滝の原主義」と、自律自治の精神等の「生徒指標」に心をいたし、自覚的・主体的な行動実践で、常に前向きでピンチをチャンスに変えることのできる滝の原健児の心根の強さを、あらためて感じることができました。


  6月末までは、「制約のある中での学校生活」という、生徒諸君には少し申し訳ない再開でしたが、7月から、県教委の指針に基づき、学校における感染症対策の徹底の上に、感染リスクが高いと思量される学習活動も通常に近い形で行えるようになりました。
  教科での学び等に関しては、6月16、17日に3年校内模試を実施し、それに基づく個人面談も実施できました。7月20日~22日には期末試験を実施し、夏休みの保護者懇談も予定どおり実施できる運びとなりました。年度当初の新型コロナウイルス禍の様相を思えば、ありがたい限りと思っています。保護者の皆様には、感染対策を講じた上での保護者懇談等に御協力いただきますようお願い申しあげます。
 部活動等に関しては、7月からは練習試合等ができるようになりました。サッカー部は7月4日、4校による招待試合に参加して3位となりました。英語部は7月11日から5日間、ズームによる国際大会に出場し、英語圏の高校生たちと熱いディベートを交わすという貴重な体験を積みました。野球部は全県下の高校による交流試合に参加することができ、7月18日と25日の両日、爽やかな全力プレーを披露してくれました。そして、7月31日からWEB開催となった高知総文祭には、文芸部、書道部、新聞部が、本県代表として出場しています。出品作品の内容はHPで見ることができますので、生徒諸君と保護者の方々には、高知総文HPにアクセスして、応援していただければ幸いです。
 今年は、部活の大会等が軒並み中止となり、特に、部活に頑張っていた三年生諸君には、大変辛い現実となってしまいましたが、代替大会等に参加できた他部の者たちに対しては、静かなる応援と声援を送ってくれていたと聞いています。そんな心根の温かい滝の原健児諸君に、あらためて敬意を表します。


 さて、ここで、新型コロナウイルス感染に係る本県の状況をお知らせします。感染者数が増えている状況であっても、本県は総合的に判断して、県の警戒度は「感染観察」段階を維持してきましたが、7月27日、警戒度を「感染拡大注意」段階に引き上げました。ただし、警戒度は引き上がりましたが、外出自粛の要請・施設の使用制限・イベント開催自粛の要請といった行動基準についての変更はありませんでした。
 県立学校についても、「通常登校」が維持されましたので、本校では、3年生(と一部2年生)の前期課外を予定どおり本日から実施しています。しかし、今回の警戒度「感染拡大注意」段階への引き上げを受け、その背景を十分に踏まえる必要があると考えています。県内で複数のクラスターが発生し、直近1週間の感染者数も過去最多を更新するなどの状況においては、どの学校でも、児童生徒、教職員の中に感染者や濃厚接触者が出てもおかしくないと思われます。だからこそ、生徒諸君及び保護者の皆様には、今一度、学校再開前後の頃の緊張感を思い出していただきたいと思っています。誰が感染してもおかしくない状況ですので、感染者が発生したとしても、十分な感染症対策をとっていたかどうかで、その後の感染拡大状況も左右されると思います。3密の回避、手洗い、消毒の徹底など基本的な感染症対策が十分にできているかどうかの点検、及び、緊張感をもった感染症対策の実施に御協力をお願いいたします。
 本校では、7月31日付けで、通知「夏休み中の健康チェック等について」を発出いたしました。特に、「1(1)~(3)の基本的な感染症対策」に加えて、
   (4)感染症対策が徹底されていない施設への出入りを避ける。
   (5)感染してしまった場合は、速やかに学校或いは担任に連絡する。
について、御協力をお願いします。また、「2 登校の際の健康状況の申告について」は、万が一、本校で罹患者が出た場合への備え(接触者の確認等)の意味合いもありますので、よく手順等を御確認いただき、御協力をお願いいたします。


 なお、今後の学校における行事等の実施については、感染状況の先が見通せない状況であることから、慎重に慎重を期す必要がありますが、もちろん、今回の警戒度の変更に合わせて、学校の行事等を軒並み中止等の判断をするものではありません。万全な感染リスク対策と学びの保障という視点から、入念に検討し、適切に判断していきたいと考えています。例えば、直近の宇高祭に関しては、実行委員等の生徒諸君にも、実施等についての感染対策マニュアル作成と点検(状況に応じて臨機に対応できるよう、エビデンスに基づく引き続きの準備)をお願いしたところです。
 このコロナ禍の中、学校行事の持ち方については、様々な考え方があることは十分了知しておりますが、学校行事等のもつ本来的な意義を踏まえ、教職員と生徒たちと俱に、実施の可能性を探って行きたいと思いますので、御理解と御協力をお願い申しあげます。高校時代には、各教科の学問を通して学ぶものもありますし、学問+αの部分、学校行事や部活動等を通して学ぶものもあります。おそらく、その両方が必要だと思っています。私は、校長会長として学外の様々な委員をしておりますが、会議で御一緒した委員から、「私は宇高の卒業生を知っていますが、彼の可能性に賭ける逞しい実践力と品格は素晴らしい。将来、楽しみな人材ですよ」等の声を聞くことが多いです。有り難いことだと思います。仮に最高学府の名門大学を出れば、その人を即社会が認めるかと言えば、もちろんそうではありません。人間としての品格や人間性が、最後はものを言うと思っています。生徒の可能性を信じる、本校の「全教科主義」と「学業プラスワン」の実践から、有為な人材が育っていると確信しています。
 学びの本来的な目的は、疑いなく「人格の完成」です。高校は、もちろん楽しくなければなりません。しかし、同時に成長の場、鍛錬の場でもあります。私は、「義務を果たして文化的な生活を自立して営む人間」を「大人」と定義していますが、「大人」となるため、集団の場で年齢の近い人たちと倶に学び、様々な活動をし、多くのことに挑戦して人間として成長する場として高校は存在しています。高校は、たくさんの人間が生活する大きな集団ですので、当然、「爽やかにあいさつをする」、「遅刻をしない」、「安易に休まない」、「不正を許さない」等の決まりごとを守ることが求められます。そういった小さなことを大切にすることも、実は実社会では重視されます。そういう一見、取るに足らない小さなことも大切にしながら、滝の原健児には、「滝の原プライド(謙虚さを忘れず、仲間と俱に、可能性を信じて最後までやり続ける心)」をもって本校で学んでいってほしいと願っています。


 いずれにせよ、私はこの1学期を、この困難な状況の中、「滝の原プライドをもって、多くの宇高生が、本気で、また、頑張り始めることができた学期」と、総括したいと思います。生徒諸君には、「本気とは、後で後悔しないことだ」と話したことがありますが、この夏休みには、ぜひ多くの滝の原健児が、学習に、部活に、学校祭の準備等に、本気であたってほしいと願っています。今年の夏休みは期間が短く、例年より課外期間も長いですが、夏休みは、自分で時間管理できる貴重な時です。「命とは時間である」と言います。限りある時間を、本当に大切に使って欲しいと願っています。


 令和2年8月3日            
                                                          栃木県立宇都宮高等学校長 
                                                                           軽部 幸治


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2020/06/01

学校通常登校再開にあたって

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生徒・保護者の皆様へ

 5月の連休明けからのZoomによる遠隔授業と、先週からの登校時間を早めての分散登校を経て、本日から通常登校を再開することができました。生徒、保護者の皆様はもちろんでしょうが、私たちすべての宇高教職員も、新たな再スタートに胸が高鳴っています。
 4月8日の始業式で、「臨時休業が明けたら、この宇高に元気に戻ってきてください。私たち教職員は、この宇高で諸君を待っています。また、この滝の原に集い来て、輝く未来に向かって、新たな一歩を踏み出す諸君の可能性と健康で健全な日々を心から祈ります」私は生徒諸君に呼びかけました。そして、今日、生徒諸君は、元気に、健康に、この滝の原に無事戻ってきてくれました。休業中に求められた「不要不急の外出を避けて自宅で学習すること」、「健康管理を徹底すること」を、生徒諸君はよく守り、頑張ってくれたと思います。生徒諸君の自制的な生活、自覚的・主体的な行動実践に敬意を表します。

 しかし、今日から通常登校が再開したとはいえ、4月からの2ヶ月間の日々の現実に対峙したとき、それをどう整理すればよいのか、正直、私もまだ、うまく言葉を見つけることができません。部活の試合や大会も中止となり、とくに3年生諸君は、この辛い現実をなかなか受け止めきれずにいると思います。私も高校時代、柔道部に所属し、上を目指していた一人ですので、生徒たちの無念さを思いやると、胸が締めつけられる思いです。しかし、生徒諸君がこれまで頑張ってきたことは、確かに輝いた青春の証として、高校時代の宝物として、生徒諸君一人ひとりの心に深く刻まれ、これからの人生を必ず支えてくれると信じます。生徒諸君の中には、令和2年度はマイナスだらけからの出発だと感じている者もいるかもしれません。でも、私たちは今日から気持ちを切り替えていかねばならないのです。この理不尽な事態から何かを学び取り、マイナスを少しずつプラスに変えていける、さらには、この経験を今後に生かせるような宇高生であり続けてほしいと願っています。


 NHKの番組で、宇宙飛行士の野口聡一さんへのインタビューが放映されました。野口さんは、「何ヶ月にも及ぶ宇宙ステーションでの生活は、今の自粛生活、この自制的な生活と似ている」と話していました。野口さんは、思うように生活できない狭い空間の中で、ストレスをためずに健康的に過ごすために、「朝、必ず水を1杯飲んでから運動する」と決めたそうです。気持ちが不安定でも、「まずこれをやる」というルーティンを決めること。そして、先の話ばかりをすると手がつけられなくなるから、「自分が今できること」をまず考えること。それが厳しい状況を乗り切る「秘訣」だと、話されていました。
 通常登校は始まりましたが、6月末日までは「制約のある中での学校生活スタート」という、生徒諸君には少し申し訳ない再開となっています。生活リズムをつかむにも、多少の時間がかかるでしょうし、こんな筈ではなかったと、動揺することもあるかもしれません。今後、時に不安定になるやもしれない自分自身とうまく付き合い、自身をコントロールしていくため、自分のルーティンを決めることも効果的かもしれません。滝の原健児なら、小さな努力と少しの気持ちの切り替えで、そんな辛く苦しい日々もプラスの方向に、ポジティブに変えていってくれると信じています。
 なお、当面の学校生活に係る対応方針等については、新型コロナウイルスは未知の部分が多く、長期にわたる対応が求められていることから、県教委の指針や部活動対応マニュアルに基づき、本校も、「生徒の命と健康を守ること」と「学習保障と教育の機会を確保すること」の両立をめざしていきます。学校における集団感染のリスクを低減させるための基本的な感染症対策、家庭での検温、風邪の症状がある場合の自宅での休養、マスクの着用、こまめな手洗いの励行、感染リスクのあるゴミに係る取扱いルールの遵守、学校生活内でのソーシャルディスタンスの配慮等についても、本日の校長講話の中でもふれましたので、御家族で御確認いただけると幸いです。また、併せて、感染リスクの高い学習活動、部活動の有り様、学校行事の方向性についても説明しました。新型コロナウイルスの感染状況をみながら、感染リスクへの配慮措置ができるか等を十分に精査した上で、実施可能性の可否を含め、今後も探って参ります。高校では、教科の学習等を通して学ぶものもありますし、学問+αの、αの部分、部活動や学校行事等を通して学ぶものもあります。おそらく、その両方が必要で、それ無くしては、高校は真の成長の場、鍛錬の場とはならないと考えます。しかし、最終的には、生徒の命と健康を最優先して判断していくことになると思いますので、御理解と御協力をお願い申しあげます。


 新たな生活様式について耳にする機会が増えました。今後の我々の生活様式は疑いなく変わってくるし、変わらざるを得ないと思います。だから、私たち宇高の教職員は、今後の社会環境の変化に対応しながらも、目に見えないものと向き合い、この困難の先にある希望を見つけ出す力を、生徒に育んでいく学校を目指して、このコロナ禍をきっかけとした新たな仕組みづくりに努めて参りたいと考えます。不易と流行という言葉がありますが、本校教育の根本は不易不動です。本校の基本理念「滝の原主義」と、生徒指標「和敬信愛」「質実剛健」「自律自治」「進取究明」にあらためて心を致し、全教職員が手を携えて、生徒諸君の宇高の日々がより自覚的なものとなるよう支援していきたいと思っています。
 そして、生徒諸君には、常に自分を客観視し、謙虚に、人の言葉にも耳を傾けてほしいと思っています。宇高の先生方の言葉、真摯に諸君に向かう言葉に込められた想いにも気づいて、心の片隅に留めてもらえると嬉しいです。もちろん、私たち教員にできるのは、生徒諸君の心を揺さぶり、諸君が変わるきっかけ(仕掛け)を用意することだけです。だが、先生方の諸君の知的好奇心をくすぐり続けるための教材研究等は疑いなく本物です。諸君への期待に溢れています。
 今年度令和2年は、期間はすでに短くなっていますが、諸君には、謙虚さを忘れず、本気での取り組みを始めてほしいと思っています。「本気とは、後で後悔しないこと」です。生徒諸君の「本気」に期待しています。加えて、今日から本格的に再開する宇高の日々の中で、諸君には「見失ってはならない大切なものを見分ける力(判断力)」を磨いてほしい。こういう力を、私たちは「教養」と呼んできました。真の教養とは、その場その場の局面で、適正に判断し、実行できる力です。
 
 ある言葉を紹介します。「人の生き方には二つある。それは、『そこそこやるか』か、『そこまでやるか』だ。どうせなら、『そこまでやるか』というところまでやりたいものだ。『そこそこやるか』と『そこまでやるか』の違いは、最後まで諦めない心だ。『そこまでやるか』というところまでやった人は、必ず成功している。自分の生き方に納得している」。パナソニック創業者の松下幸之助氏も、「成功のための最大の秘訣は成功するまで続けることだ」との言葉を残しています。
 あらためて生徒諸君には、「滝の原主義に基づく真のプライド」をもって、また今日からの宇高での日々を励んでほしいと思います。「滝の原のプライド」とは、自分自身で選択した「学び」の日々に、真摯に取り組む中から生まれるプライドです。本気になってやれば、人は謙虚になります。学ぶとは謙虚さを学ぶことだと知り、高い目標に向かって、可能性を信じて己を賭けることができる。だからこそ、同じように励む友を認め、互いの人格を重んじる。そして、友とともに、主体的に、より高い目標に向かって意欲を燃やす。それが、「滝の原プライド」です。「おまえ、そこまでやるのか。おれも、ここまでやるよ」。言葉にはせずとも、宇高生の友情、良きライバル魂の根底には、そんな思いがあるような気がしてなりません。だからこそ、在宅学習では実現に限界のある「宇高の友と俱にある日々」を、また、今日から満喫してほしいと思うのです。高校時代の「学び」の中から生まれる友人は、一生にわたる宝物です。諸君には、優れた仲間と互いに切磋琢磨し、心豊かで活力のある人間、総合力のあるバランスの良い人間として、この滝の原で成長していって欲しい。切にそう望んでいます。


 令和2年6月1日            
                                      栃木県立宇都宮高等学校長 
                                                  軽部 幸治


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