一つの調査報告と二つの実践発表がありました。具体的な教材や事例の紹介をしながらの発表は、参加者から「参考になった」との意見をたくさんいただくことができました。その後、発表をもとに協議を行い、最後には県教委事務局学校教育課山岸一裕副主幹より総括した指導助言をいただきました。
発表1 少人数学級における効果的な指導法
「個に応じた指導ときめ細かな評価」「学び合う機会の充実」「教室環境やICT活用」の視点から、少人数のメリットを生かした指導の工夫例を紹介していただきました。
特に何か新しい指導法を考えるのではなく、基本的な指導法をもとに、個人指導に充てる時間を有効に使う工夫が大切であり、少人数学級を担当することは、自分の授業を「原点に戻って見つめなおす」よい機会にもなることがわかりました。
発表2 図書を活用した学習活動の実践研究
-学校図書館担当職員との連携を通して-
「調べ学習」を中心に図書館利用を促進することをねらいとし、学校図書館担当職員との連携事例を数多く紹介していただきました。
効果として、「探求型学習が推進され学習意欲が向上する」ことが挙げられ、これを様々な学習活動に取り入れて主体的に学ぶ意欲を育てることで、確かな学力の向上を図ることができると実感することができました。
発表3 しなやかに考える子どもを育てる算数授業の創造
「複式学級での指導」という特性から、「一人学び」の時間を充実させることを念頭に置き、児童が連鎖的な思考を継続できるような指導の工夫について紹介していただきました。
知識や技能の定着ではなく、「いかに思考させるか」ということに着目することで、教材や発問の工夫が充実し、教師の指導力が向上して、結果として子どもの学力が向上することを実感しました。
研究協議・指導助言
お互いの学校の情報交換を中心に、今後に生かすことにできる情報を一つでも多く持ち帰ろうと、熱心な協議がなされていました。また、発表者の皆様にはグループに入っていただき、事例についてのさらに詳しい中身の質問に回答していただきました。
最後に、「自ら考える力の育成」を本日のキーワードとして、「『教師』『子ども』のそれぞれの立場からの視点で、どのように環境を整備すればよいのかを考えながら指導法や教材を工夫するとともに、それが過度な支援になりすぎないように気を付けることが大切である。」との助言をいただきました。