中学校社会科公民的分野における、思考力・判断力・表現力を育てる社会科学習の工夫・改善についての発表と、高等学校において歴史的思考力を育てる学習活動についての発表が行われました。質疑応答の後、中学校社会科及び高等学校地理歴史科、公民科の学習における思考力・判断力・表現力を育成する授業の工夫について、熱心な研究協議が行われました。
発表1 思考力・判断力・表現力を育てる社会科学習の工夫・改善
思考力を「解釈」「説明」、判断力を「結論に導く根拠を見つける力」、表現力を「学習の結果や学習の過程で考えたこと、学習の過程で活動したことなどを他人に伝える力」と捉え、それらの力を育成するために、授業の中に意図的に仕組んだ手立てについての実践発表が行われました。「価格にはどのような働きがあるか考えよう。」を学習課題とし、身近な事例を題材に価格の変化を考察し、価格の働きを表現させる実践でした。
発表2 歴史的事象を考察し表現することにより、歴史的思考力を育てる学習活動
高等学校学習指導要領で求められている歴史的思考力の育成について、ICT、年表、統計資料を活用した実践事例の発表が行われました。「社会問題の発生」におけるICTの活用、「アジア太平洋戦争」における年表の活用、「占領政策の展開」における統計資料の活用等、各単元の特質やねらいに応じて、歴史的思考力を育てるための効果的な実践発表となりました。
研究協議
校種を越えた、熱のこもった議論が交わされました。「ICTの活用や学習形態の工夫などが、思考力・判断力・表現力の育成には有効であるが、どのような問いをどのようなねらいをもって行うかが重要な鍵となる」や「常に習得してから活用させるという順番ではなく、習得しながら活用を図ったり、活用させることで習得させるような場面も必要である」等の意見が出されました。
最後に、学校教育課小倉寬史指導主事より、指導助言をいただき、大変有意義な研究協議となりました。