学校生活[全日制]

国際理解だより 6

 「ウェストファリア講和条約」が締結される以前は、国家間の関係はまるでビリヤードの玉が互いにぶつかり合うように対立していたのです。そこには何の規則性もなく、無政府状態にあると理解されていました。ホッブスのいう「万人の万人に対する闘争」の状態です。これではいけないと、その後さまざまな形で少しずつルール作りが行なわれ、それが「国際法」という形で実を結ぶことになったわけです。
  ウェストファリア以後、国際法というルールに基づき、国際的問題の解決を図るべく努力がなされてきました。しかし、そうした平和的解決へ向けた努力にもかかわらず、最終的な武力によって問題を解決する、すなわち戦争という手段を担保したままの状況が現実にはずっと続いてきました。
 今日でも世界は基本的には無秩序で、国家は何でもできるんだ、何をやってもかまわないんだと主張する国家首脳もいるように思われます。難しい問題です。

つづく