長岡百穴
百穴はどのように造られているか

横穴の総数は52基(東群44基、西群8基)で、すべて南を向いて開口しています。

横穴の基本的な形態は、古墳の横穴式石室と同じように、玄室(げんしつ)と羨道(せんどう)からなりますが、羨道の部分は短いのが普通です。

長岡横穴群(ながおかよこあなぐん)は羨道を省略したものがほとんどです。

羽子板形の玄室から玄門(げんもん)をへて、直接に八字形または台形の前庭部に続いています。

玄門のところには扉石をはめ込んだと思われる切り込みを残したものがあります。


多くの横穴は、軟質の長岡石とよばれる凝灰岩(ぎょうかいがん)に掘り込んでいますので、破損の度合いがひどく、現在は扉石の切り込みを残していませんが、当時はほとんどの横穴に、扉石があったと思われます。

このような形態的共通性をもつ横穴群は、床面の排水溝によって以下のように分類することができます。

①底面の排水溝がないもの

②排水溝が主軸に並行して前庭部まで伸びるもの

③排水溝が主軸に直行するもの

④2本の排水溝がT字形となるもの


現在、各室にある観音像(かんのんぞう)は、後につくられたものです。

特に室町時代(むろまちじだい)後期の仏像の彫刻が横穴の破壊に拍車をかけたものと思われます。