大陸の文物や制度を積極的に取り入れながら国家の仕組みが整えられ、その後、天皇・貴族の政 治が展開されたことは、日本の古代までの様子を知る上で大切なことである。特に、聖徳太子の政 治や大宝律令により日本の政治基盤が確立していったことは、大陸の動きとあわせて興味を引くと ころであり、また、平安時代に日本への文化移入がなくなったことにより日本独自の文化が発展し ていったことも興味深いものがある。本キットでは、栃木県に残る貴重な「那須国造碑」を取り上 げ、律令体制が坂東の栃木県まで及んだことをつかませる学習を行う
・国家が形成されていくあらましをや文化の特色に関心をもつ。(1時間)
・那須国造碑を通して律令体制について考察する。(1時間)
・奈良時代の人々の生活の様子を資料から読み取り、まとめる。(1時間)
・国際的な要素をもった文化が栄えたことに対して関心をもって追究する。(1時間)
・摂関政治を通して歴史の流れと特色を考察する。(1時間)
・文化の国風化が進んだことを、わが国の歴史と関わる東アジアの歴史を背景に理解する。(1時間)
那須国造碑により下野国に国司が派遣されていたことが分かり、貴重な文化財であることを指摘している。
那須国造碑と律令体制の関連に気付いている。
那須国造碑の年代や国司という言葉から律令制度との関係を考えさせる。
観察
ワークシート分析
1 富本銭と和同開珎の写真を見て知っていることを発表する。
・写真から知っていることを発表し、本時の学習に対する関心を高める。
○富本銭と和同開珎の写真
2 地図や写真から白村江の戦いの様子や壬申の乱の様子・律令制度について知る。
・白村江の戦いに敗戦したことにより、壬申の乱を経て国家体制の整備に力を注いだ事実を知る。
・国家体制の整備の一つとして貨幣の鋳造が行われたことにも触れる。
○白村江の地図
壬申の乱の戦いの経路図
二官八省の図
3 課題内容を掲示し、ワークシートに記入させる。
那須国造碑はどんな意味をもっているか考えよう。
・那須国造碑を見せ、地元に残る文化財として関心を高める。
○栃木ふるさと学習資料集
「那須国造碑の写真」
課題掲示の紙
※ワークシート
4 碑文・解説から読みとれることについて検討する。
①いつの時代のものか。
②当時、栃木県にはどんな「国」があったか。
③「国司」とは何か。
④律令制度とどのような関連があるか。
・碑文・解説から碑のもつ意味を考えさせる。
◇那須国造碑はどんな意味をもっているかを考えることができる。
(観察、ワークシートの記述分析)
「那須国造碑」
5 ワークシートに本時の まとめを記入する。
・本時のまとめと自己評価を記入させ、次時への意欲付けをする。