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2021年3月の記事一覧

栃高先輩列伝 金子勇さんの本

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栃高第90回(平成元)卒の先輩、金子勇さん(1970-2013)を主人公とする実録小説?

『Winny 天才プログラマー金子勇との7年半』をご紹介します。著者はWinny事件

裁判の担当弁護士で、法廷での攻防の表と裏がリアルに描かれていきます。

金子さんは都賀町(現在は栃木市)在住で、栃高在学中に第一種情報処理技術者の

資格を取得、卒業後は茨城大学工学部を経て、天才プログラマとして斬新なソフトを

次々に開発、東京大学大学院数理情報研究科の特任助手(のちに講師)に就任します。

金子さんの名は、特にP2P方式のファイル共有ソフトWinnyの開発者として知られ

るようになりますが、このソフトに「著作権法違反を幇助する疑いがある」として、

2004年春に起訴され、2011年末に無罪が確定するまでに7年半を要しました。

金子さんは2013年、不慮の死を遂げますが、日本テレビ系3月1日放送の特番『近未来

創世記 日本を救うヤバイ偉人』の中で、P2P技術に立脚する仮想通貨ビットコイン

を開発した謎の日本人「ナカモトサトシ」の正体は金子さんではないか、と紹介され

反響を呼びました。

栃高先輩列伝 宇井純さんの本



栃高第52回(昭和26)卒業の先輩、宇井純さん(1932-2006)の著書です。

壬生町在住で栃高卒業後は東京大学工学部に進み、当時原因不明だった水俣病が、

有機水銀を含んだ工場排水であることを解明し、広く社会に訴えました。

東大では21年間ずっと助手のままに留め置かれながら、夜間に工学部の教室で

公開市民講座を続けました。その講義録が、文系にもわかりやすく論旨明快な

『公害原論』シリーズです。または手始めに中高生向けの『キミよ歩いて考えろ』

から読み出すのもいいでしょう。栃木ゆかりの明治の偉人、田中正造を彷彿

(ほうふつ)とさせる行動力と使命感が、読者の心を熱くします。

いずれも、「同窓生の著書コーナー」にあります。