~時代の変化に対応した教育~
知識基盤社会
21世紀は、新しい知識・情報・技術が、政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として、飛躍的に重要性を増す、いわゆる「知識基盤社会」の時代と言われている。
「知識基盤社会」の特質としては、以下の①~④などが考えられる。
① 知識には国境がないため、グローバル化が一層進む
② 知識は日進月歩であり、競争と技術革新が絶え間なく生まれる
③ 幅広い知識と柔軟な思考力に基づく判断が一層重要になる
④ 性別や年齢を問わず参画することが促進される
人工知能・ロボットの進出
平成27年12月、野村総研が「10~20年後に国内労働人口の49%に当たる職業について、人工知能やロボットで代替される可能性が高い」という推計を発表した。それは、オックスフォード大学との共同研究によるもので、参考として、人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業と、反対に、代替可能性が低い100種の職業を例示している。知識基盤社会の近未来を象徴する内容であり、強烈な衝撃を受けた。
代替可能性が高い職種は、比較的単純で、細部までルールで定められている仕事が挙げられている。反対に、地域の人が関わる仕事や、創造性や高度な思考が求められる仕事、個別具体的な無数の問題と答えがある非定型な仕事、信頼関係の構築が求められる仕事、倫理観が問われる仕事は、代替可能性が低いとされている。
ビジネスパーソンに求められる力
このような知識基盤社会を「競争」、「共存・協力」して生きていくために、これからのビジネスパーソンにとっては、以下の①~③がこれまで以上に必要不可欠な基礎的教養となると言われている。
① 語学(国語力、英語力)
② IT(情報技術力)
③ 簿記・会計(財務諸表を読む力)
特に、簿記・会計の能力は、企業の財政や経営状態を示す財務諸表を読み解くために必要不可欠な力であるとされてきた。また、簿記は「日商簿記3級が完全にわかれば経済がわかる」と言われるほど、経済活動を理解するためのスキルとして重要性を増してきている。さらに、簿記は、国際会計基準に基づいて処理されることから、英語よりも世界中で広く使われている共通の言語であるという性質を持ち、これからのグローバルな社会で生きていくために、ますます欠かせないものになっていくと考えられている。
本校の取り組み(特色ある教育活動)
知識基盤社会を生き抜く力を培うためには、「教育(=学ぶこと)」の重要性がこれまで以上に増大していく。
本校では、開校10年目を迎えるにあたり、平成27年度にこれまでの教育活動を見直し、良い伝統をさらに充実・発展させるとともに、あわせて、時代の変化に対応した教育内容と学習方法を積極的に取り入れることとした。
主な取り組みを以下に示す。 ※青字は平成27度以降の取り組み
(1)確かな学力の保証
① 45分7限授業の実施
② 検定学習(資格取得)の充実
③ 少人数・習熟度別指導の充実
④ 普通科における簿記(3単位)の必修化
⑤ 課外授業(平日8限、土曜SS、長期休業中の課外等)の充実
⑥ CBT(英検)対応
⑦ 清風五冠表彰制度による資格取得の奨励
(2)社会人基礎力などの汎用的能力の育成
① キャリア教育の充実
② アクティブラーニングの研究と積極的導入
(3)地域の教育力の積極的活用
① 普通科における保育体験、高齢者福祉施設での体験学習の充実
② 商業科・情報処理科のインターンシップの充実
③ 足利市役所、足利商工会議所等との連携強化
④ 地域におけるボランティア活動の推進
⑤ 高大連携事業(足利大学、佐野短期大学)の推進
生徒諸君の一層の頑張りを期待するとともに、関係の皆様のご理解ご協力をお願いいたします。