カトリック松が峰教会
建物にはどのような特色があるか

(1)教会聖堂


教会聖堂


教会聖堂

鉄筋コンクリートの造りで、内・外壁に宇都宮市(うつのみやし)特産の大谷石(おおやいし)をはりつけ、そこにロマネスク様式の文様を刻んでいます。

正面の2つの塔は4階、他は2階建てです。

正面左右の2階に通じる階段の手すりや2階の窓にも半円アーチが多く用いられています。

コンクリート製の聖堂では、日本で一番古い教会の一つとされています。


(2)エレベーター塔のカエルの彫刻

「さわやかに朝の祈りの鐘鳴れとねがひて過ぎぬ君が教会」


エレベーター塔のカエルの彫刻

大正(たいしょう)5年(1916年)、宮沢賢治(みやざわけんじ)がよんだ短歌です。

「君」とは、当時盛岡天主公教会(もりおかてんしゅこうきょうかい)のフランス人司祭、アルマン・プジェ神父のことです。

プジェ神父は松が峰教会(まつがみねきょうかい)に第3代主任司祭として着任しました。

プジェ神父と宮沢賢治には深い親交があり、宮沢賢治の作品の中には二人の交友を物語るものが数多く残されています。

大谷石造りのロマネスク建築の聖堂にふさわしく、かつ聖堂の歴史にゆかりのあるガーゴイル(大口を開けた怪獣などの形をした雨水の落とし口。建物より突き出して高い位置に作られる。)として宮沢 賢治の童話「蛙のゴム靴」という作品に登場する3びきのうちの1ぴきの「カン蛙」が製作されました。


(3)アンジェラスの鐘

現在の聖堂が完成した時に、ヨーロッパ製の鐘が塔に取り付けられ、近隣に美しい音色を響かせていました。

しかし、太平洋戦争(たいへいようせんそう)が激化した昭和(しょうわ)18年(1943年)、貴金属供出のため、鐘は国へ回収されました。

戦後、鐘の再現を望む声が上がり、信徒と市民の献金により、鐘が取り付けられました。

新しいアンジェラスの鐘は、 日本製です。
教会周辺への音の影響が考慮され、毎日曜日、クリスマス、元日などに鳴らされるようになりました。