輪王寺強飯式 | |
輪王寺強飯式はどのように行われるか |
強飯式は、「三天合行供(さんてんごうぎょうく)・採灯大護摩供(さいとうだいごまく)」「強飯頂戴の儀(ごうはんちょうだいのぎ)」「がらまき」の3つの部分からなります。
(1)三天合行供・採灯大護摩供(秘法)
①儀式は、僧侶・山伏・頂戴人(飯を強いられる人)の約20名の行列が三仏堂(さんぶつどう)に入ります。
②入り終わると、全ての扉が閉じられ、照明も全て消され、1本のロウソクがともるだけとなります。
③荘重(そうちょう)な雅楽(ががく)の演奏の中、「三天合行供」の読経の声が立ち上り、「採灯大護摩供」の炎が燃え上がります。
(2)強飯頂戴の儀
「御神酒(おみき)」「祈願文(きがんぶん)」「強飯」「菜膳(さいぜん)」「金甲(きんこう)」「供養」の順で進みます。
①朱塗りの大きな盃になみなみとつがれた酒をいただく御神酒。
②山盛りのご飯(3升)が運ばれ、祈願文の儀が終わると、山伏たちが頂戴人の頭上にご飯をのせ、「三社権現(さんじゃごんげん)より賜る(たまわる)御供(おとも)」 「七十五杯残さず頂戴しろ」と責めが始まります。
③先導者より強飯の由来が述べられ、ごちそうとして日光の名物珍味を盛り上げた菜膳がそえられます。
④最後に毘沙門天(びしゃもんてん)の金甲〔兜(かぶと)を表す〕を頂戴人の頭上に授け、「コリャコリャ」のかけ声とともに、大キセル・ネジレ棒等を手にした山伏が「めでとう七十五杯」と言って、手にした品物を頂戴人の前に出して強飯の儀が終わります。
(3)がらまき
①式が終わると、頂戴人たちが式でいただいた福を自分だけのものにせず、他の人々にも分け与えます。
②宝槌(たからづち)・福杓子(ふくしゃもじ)・玩具等の縁起物を一般参拝者にまきます。
(4)強飯式のご利益
「この秘法を受けた者は、七難即滅(しちなんそくめつ)・七福即生(しちふくそくしょう)の現世利益疑いなし」と昔から語り継がれていて、強飯式に参加したり、御札をいただいたりすると無病息災・家運長久などのご利益があるとされています。
(5)強飯式に参加するには
江戸時代(えどじだい)には、十万石以上の大名でなければ頂戴人にはなれませんでしたが、現在は申し込みによって頂戴人になることができます。
地元の機関や会社等の人が業績向上などを祈願し、頂戴人になっています。
頂戴人をつとめると一年間、三仏堂前に名前が掲示されます。また、申し込みをすると三仏堂の中に入って強飯式を参観することができます。
終了後、三仏堂の外で参拝者に縁起物がまかれますが、これには自由に参加できます。