学校長より

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 本校は昭和37年に創立し、何度かの学科再編を経て現在の機械科、電気科、電子情報科の3学科構成となりました。令和3年度には、60周年の節目をむかえ、これまでに一万四千名を超える卒業生を輩出し、県内外の産業を支える工業人を育成しています。これからも、県南地区専門高校の中核としてSociety5.0に代表される社会や技術の進化にも対応しつつ、教育活動を実践していく所存です。本校には「和顔愛語(わがんあいご)」という校訓があります。これは「いつもやわらいだ顔で相手方の心をくみ取り、相手方の心持ちを察してその人に接する」という意味です。工業に関する技術の習得を目指すだけでなく、ユニバーサルデザインに代表されるように、様々な使う人の立場にたった“ものづくり”を目指すなど、心豊かな人間性も育むことが重要であると考えます。 令和元年度から3年間、栃木県教育委員会より「人権教育推進校」の指定を受け、教職員や保護者、地域が一体となって人権意識を高める研究に取り組みました。また、令和5年度からは、「エネルギー教育推進事業」の文部科学省指定研究学校として、工業にも関連のあるエネルギーについて、体系的かつ総合的に理解するための研究に3年間取り組みます。

 本校の教育活動の特色として、1.「地域との交流教育活動」、2.「国際交流活動」、3.「福祉機器製作活動」の三つの柱があります。一つ目の「地域との交流教育活動」では、栃木市教育委員会と連携し各科の専門性を生かして工業技術と“ものづくり”の楽しさを伝える「サイエンススクールin栃工」や小学校でのプログラミング出前授業、市内の小中学校を対象とした修繕活動であるテクノボランティア、栃木市の11月のイベントである「うずまの竹あかり」にも製作教室を開いて協力するなど、地域との協働による活動の場を広げています。特に、本校電子情報科が設計・開発した子ども用プログラミング専用マイコンボード「SkyBerryJAM」通称:こどもパソコン)は、商標登録され、全国の学校だけでなく自治体のほか、個人や企業研修にも活用されています。二つ目の「国際交流活動」は、平成3年度の創立30周年記念事業の一環としてスタートした「タイ王国ボランティア交流研修」があり、間もなく30回目を迎えようとしています。ご協力をいただいております関係各団体や同窓会、PTAの皆様方に対して、心より感謝を申し上げます。三つ目の「福祉機器製作活動」として、「空飛ぶ車いす活動」があります。本校生が使う人の身になって修理をした車いすは、世界22か国以上に空輸され、これまでに2200台を超えました。まさに、工業の技術・技能をベースとした心の教育の実践といえます。また、部活動も盛んで全校生徒の9割近くが加入しています。空手道部、弓道部、写真部、機械研究部、電気技術研究部、電算機部等が関東大会に出場するなど、運動部とともに、各科の研究部も活動が盛んです。

 さて、本校は、令和元年の台風19号による大水害で甚大な被害を受けました。しかし、PTA、同窓会、自衛隊や地域の方々を始め、全国各地の皆様より多くのご支援や、励ましのお言葉を頂戴しながら令和3年度に完全復旧いたしました。水害に強い総合実習棟も竣工し、県内でも最新の施設・設備を備えた工業高校として生まれ変わりました。今後とも、「和顔愛語」の校訓のもと、地域に信頼され、心豊かな工業人の育成を目指す学校づくりに教職員一同、邁進してまいります。今後ともご理解とご協力をお願いいたします。

 

栃木県立栃木工業高等学校長  宇津木 禎