校内散歩

校内散歩

校内散歩9校長室のくまちゃん

校内散歩9くまちゃん 校長室の執務机の上に、黄色い「くまちゃん」がいる。
 首にリボンを結んだ、小さな可愛らしいぬいぐるみの熊である。時々、熊に目をとめた来客が、校長先生に「ぬいぐるみがお好きなんですか?」と、意外そうに質問なさるそうだ。さて、どうなのだろう?
 実は、「くまちゃん」は校長室清掃担当だった生徒たちからの贈り物なのである。
「校長先生はいつも一人で仕事をしているから、さびしくないようにプレゼントします。」と、卒業間際の生徒達が贈ってくれたそうだ。
 でも、生徒の皆さん、心配しないで欲しい。校長室には来客も、話をしにくる先生方も大勢いらして、校長先生が一人でおいでになる時間は、むしろ少ないぐらいであるから。
 それはともかく、黄色い「くまちゃん」は、今日も校長先生のボディガードとして、執務机の上に、あどけない顔をして座っている。

校内散歩8『今年一番遅い桜』

校内散歩8「今年一番遅い桜」 今春の桜の開花期は、まことに長かった。4月17日まで雪が降ったほど寒い春だったせいで、桜も散るに散れないような風情であった。しかし、それとは別に5月も半ばになって「桜が咲いた」。
 地元にお住まいのAさんが本校を訪れたのは、4月初めの雨上がりの夕方だった。写真を趣味としておられる方で、
「真女高の桜がきれいだから、撮影させてほしいんだけど」
ということだった。どうぞ、どうぞと撮影していただいたが、その時の桜の写真を、このほど届けてくださったのである。
 今年一番遅い桜は、今、事務室のロッカーの扉に美しく咲いている。

校内散歩7『バスをめぐる嬉しい「事件」』

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 5月14日(金)の朝のこと、事務室の電話が鳴り出した。
 真女高の生徒がバスの中に弁当を忘れたという連絡だった。
「それで、これから真女高の校門前を通るバスの運転手が届けるから、校門前で誰か待っててもらえますか?」
「わかりました。ありがとうございます。」
 電話を受けた公仕さんが校門前で待っていて、校門前を通過するバスの運転手さんから弁当を受け取り、無事、弁当は生徒の手に渡ったのだった。
 なんとありがたい「事件」であろうか。
 連絡を取り合ってくれた運転手さん方や、バスの事業所の関係の皆様方の温かな気持ちに感謝申し上げる。そして、地域の皆様方が常に本校生を見守ってくださっていることに感動せずにはいられなかった。
   
 
 

校内散歩6『トイレ』

校内散歩6『トイレ』 真女高の生徒達に取っては当たり前の光景になっているのだろうが、本校のトイレはとても綺麗である。教室棟の方も綺麗だが、前年度に耐震工事を行った際に改装した管理棟のトイレも綺麗だ。男女別にベビーブルーとピンクに色分けされており、省エネルギーのためではあるが、自動点灯、蛇口のオートストップ機能、便座の暖房の自動切り替え機能なども装備されている。また、広い、障害者用トイレも設置されている。初めて使った時は、あまりに綺麗なのでびっくりした。
 トイレが常に、いつまでも綺麗であるように、校訓の「美しく(うるわしく)」に則って、清掃にも力を入れよう。

校内散歩5『昭和38年』

校内散歩5『昭和38年』 職員玄関から職員室に上がる階段の下に、「昭和38年」が、ひっそりとうずくまっている。それは、昭和38年受け入れの栃木県物品の清掃用具入れである。製造されて約半世紀になるが、立派に現役として役に立っている。
 「真女生は物の使い方が丁寧なので、学校の備品などが壊れないんですよねえ」
と聞いたことがあるが、この古い清掃用具入れは、生徒達の物を大切にする精神、今の言葉で言えば「もったいない精神」の具現であるとも言えようか。
 多分、校内にはもっと古い「現役」がうずくまってるのではないだろうか。そんな物達を発見したら、「頑張ってますね、まだまだよろしくね。」と挨拶したいと思う。

校内散歩4『東望』

校内散歩4『東望』 本校は、「桜が丘」の名の通り小高い丘の上にある。東側の道路の向こうは、「崖」というのは大げさだが、数メートル切り立った状態になっているので、特に東側の眺望がすばらしい。八溝の山々から筑波山の方までパノラマが広がり、晴れた日などは胸のすくような光景が広がる。
 時々、こんな光景を眺めて勉強に疲れた目を休め、気宇壮大な夢を描こうではないか。「東望」は「はるヲのぞム」とも訓読できる。足下を見ることも大切だが、目を上げることも大事だ。真女生達が目を上げて、大きな大きな夢を描き、その実現の「はる」に向けて真剣に努力していくことを、山々も応援しているに違いない。


『ロールケーキ』

 少し前からスイーツの中でもロールケーキが人気らしい。
校内散歩3『ロールケーキ』
本校からもロールケーキが「見える」。そのビューポイントは、管理棟三階の西端の北窓である。
 本校から見えるそれは、真岡駅の駅舎である。SLをかたどっているのだが、くるんと丸く茶色いので、チョコレートロールケーキそっくりだ。
 明治45年に営業を開始した、下館と茂木を結ぶ全長41.9キロの真岡線は、旧国鉄の廃止対象路線とされかかったこともあるが、地元の熱意で第三セクターの「真岡鐵道」として存続され、沿線の観光地やSL運行で観光客を集め、また本校生たちの大切な通学の足となっている。
 
   

『陸上競技トラック』

真女高に赴任したら是非してみたいことがあった。…グランドを走ることである。校内散歩『陸上競技トラック』
 本校のグランドは、野球練習場やサッカーコートのある共学校・男子校などと比べると、やや狭く感じられる。その中央の陸上競技トラックは、少々珍しい300メートルトラックである。ここは、本校陸上部OBで、北京オリンピックの5000メートルと10000メートルの2種目で日本代表となった、赤羽有紀子選手(ホクレン)の錬成の場でもあった。ひと気のない日曜日に走ってみたが、赤羽選手を育てたコースだと思うと、何だか嬉しかった。
 赤羽選手に続けと励ましつつ、陸上トラックは今日も生徒達の足音を聞いているようだ。

『落ち椿(おちつばき)』

落ち椿 春の桜ヶ丘は、やはり桜が目立つが、ほかにも色とりどりの花が咲く。
 一年生の教室のすぐ外には、真っ赤な花を咲かせるかなり大きな椿の木がある。
 寒さに耐えて花を咲かせる冬の椿も美しいが、ほたりほたりと散る花と樹上に残る花とが呼応している春の椿も美しい。
 「落椿(おちつばき)」は春の季語である。
 〜ころころと笑う少女ら落椿〜高橋瑛子「河鹿」