生き物LIVE

小さい秋を見つけに清陵の森へ

清陵高校は、清陵の森といわれるエリアを含み、敷地面積は県内普通高校第二位の広さを誇ります。

普段なかなか校庭の向こうまではいかないので、授業の合間に、小さい秋を見つけに足をのばしてみました。

(時計回りに巡っています)

 

清原中向かいのサッカーグラウンドのハナミズキは色づいて、赤い実をたくさんつけています。

 

西側土手のサクラが狂い咲きしていました。

葉が早めに落ちると、花芽抑制物質が断たれるので、違った季節に開花するようです。今年の暑さのせいでしょうか。

 

校庭沿いに、様々な樹木が実をつけています。

モチノキ、ネズミモチ、マサキ、ミズキ等…

 

実は清陵の森、北側を通るLRT(次世代型路面電車ライトライン)開通工事にあわせ、一昨年と昨年の2か年に渡り学校で伐採を行いました。伐採前は高木が森や外へ伸びていましたが今現在は、広い空と行き来するLRTが望めます。

 

それでも、残された森は気持ちの良い空間です。

 

森の中にはどら焼きのようなキノコ、コナラのどんぐり、

拾う人のいないクリ、はじけたコブシの実などが秋を感じさせます。

 

皆さんも天気の良い日には森ブラしませんか?!

生き物?LIVEーウサギ再び

科学技術実習棟の準備室にくる生徒の多くが、

かわいい~って言ってくれるので、

3年前の記事をもう一度載せます。

ちょうど今、一年生の科学技術Aで、温度について始めたところですしね!

 

  ◇―◇―◇―◇―◇

 

わたし、○ッフィー。

オランダ出身の有名なウサギよ。

清陵の実習棟のなかにいるの。

みんな、わたしを見ると

かわいいって言ってくれるけど、

わたしなんでここに立ってるか知ってる?

 

先生のストレス発散サンドバッグじゃあないのよ。

わたしのひみつ、見せてあげる。

 

 
 4℃


↑ 8℃


↑ 15℃


↑ 23℃


↑ 30℃


↑ 34℃

 

わかったかしら?
暑いときは中に入っている空気の体積が増えてパンパンになり、

寒いときは体積が減って寝てしまうの。

高校生風に言うと、気体の体積は絶対温度に比例する…

ボイル・シャルルの法則というんだって。

知ってた?

いまでは動いてないけど、

かつてここには、屋根裏換気システムがあって、

熱を持った空気の排出口の真下だったというわけ。

それで先生がわたしをここに立たせたのかな?



以上、科学技術実習棟からのレポートでした。

鳳凰がとまる樹、アオギリ

科学技術実習棟から西体育館に向かう渡り廊下沿いに、

幹肌が緑色でまっすぐの樹木があるのを知っていますか?

これはアオギリという、アオイ科の樹木です。

樹皮が緑色…これを日本人に言わせると「青く」、

別種で紫色の花の咲く「キリ」に似ているので、「青桐」。

中国名は梧桐(ゴトウ)といって、霊鳥である鳳凰(ホウオウ)が住む樹とされたそうですよ!

なぜかということを超高速簡単に言うと、次の通り(と、思われます)。

アオギリは大木になり、葉は大きく葉柄が長いので風でばたつく →台風が近づくとアオギリが大きくざわつく →農耕にとって待望の雨が降る →幸甚キラキラこれは風の神、鳳凰のなせるワザ? →アオギリがざわついたのは吉兆キラキラ鳳凰の降臨だったんだね! →鳳凰はアオギリに住んでいるんだね ‼

また、古代より中国人の季節感に深く関わり、長恨歌など数々の詩に出てきます。

 

根元をみると、明らかにすみっコ感が…。

最初に植えられていた樹木のわきに、種が落ちて育ったのでしょう。

 

6月の今、花が咲こうとしています。

花は地味ですが、秋の実は面白いので観察してください。

種子を炒ると、ナッツのような香ばしさで、コーヒーの代用になるそうです。

 

それから忘れてはならないのは、

終戦後、広島の爆心地近くで焼け焦げたアオギリから翌年新しい芽が吹き、人々に勇気を与えた「被爆青桐」。

平和と生命力のシンボルとして、今でも平和記念公園に生き続けているそうですよ。

平和に感謝しよう…!

 

この記事は、Wikipedia、サカタのタネ園芸通信、園芸植物大事典(小学館)などを参考にさせていただきました

正門のラベンダーが咲いています

正門前のラベンダーが、今年も満開となりました。

ラベンダーは代表的なハーブで、その香りは欧米で古くから愛されてきました。

正門を通るときに香りがするとステキですが、実際は近くに鼻を寄せないと分からないかもしれませんね。

 

下は3年前の写真です ↓↓ 12月の寒い日に生徒会のみんなで植えました。

 

最近の校内にはクチナシも咲いていて、風にのって香りが広がっています。

こちらは日本でも古くから親しまれていますね。

この季節にしかない天然の香りを大いに楽しんで欲しいと思います。

 

一方で、現在では化学的に合成される香りが身の回りにあふれていますね。

清陵でも、3年の理系・科学技術で香料(エステル)合成の実験をします。

どんな香りが作れるのでしょうか?

お楽しみに…!

 

今年もシジュウカラ

今年もやってきました、

清陵の幸せのトリ、シジュウカラ。

生物室前のモニターのスイッチを押すと…

 

1,2,3…  9羽ほどが孵っています。

 

親鳥がエサを運んできました。

ひな鳥が一斉に口をあけてねだっています。

この写真ではわかりづらいですが、

エサを与えた後、ヒナのフンをくわえて出ていく様子が観察できます。

 

巣箱は校長室前にあるナツツバキの幹に掛かっています。

あまり近づかず、そっと見守ってくださいね。

みんな無事に巣立ちますように。

生き物LIVE【ヤグルマギク】

5月現在、中庭のプランターにフラフラ咲いているのは
ヤグルマギク
です。


エジプトの王家の谷に眠っていたツタンカーメンの王墓は、
今から100年ほど前にイギリス人ハワード・カーターにより発見されました。
その何重ものきらびやかな棺を開けたとき、
ヤグルマギク、オリーブ、ハス等からなるブーケや花輪が棺の上に置かれていたそうです。
若くして亡くなった王に捧げられた花束に、
ハワード達みんなは深く心をうたれたと言います。
三千年の時を経て、カラカラに枯れていたけれど、
ヤグルマギクは奇跡的にほのかな青色をとどめていたそうですよ。



そんな逸話を想いながら眺めるとまた一興ですよね!
ツタンカーメン関係の本も図書室に何冊かあったので、
興味があったら探してください。

生き物LIVE(キンギョソウその2)

初夏を彩ってくれたキンギョソウも、
夏の陽射しに茶色く枯れあがってきました。

前回お伝えしたように、
花の後の、種の莢(さや)が…
ドクロの形をしているそうなので、
さっそく見てみましょう!


↑ 莢がついてます!


↑ カワイイどくろちゃんが見えました!




↑ アップ画像を逆さまにしてみました!
 みんなで“アチイ…アチイ…”と言っているようにしか見えません。

画像で分かるとおり、キンギョソウの丸い莢(さや)の上部には、三つの穴が空いています。
三つ集まった図形が人の顔に見えるのは、
シミュラクラ現象という、
我々の脳の働きだそうです
(三ツ口コンセントが人の顔に見える、など)。

そして、造形から普段よく知ったパターンを思い浮かべる現象が、
パレイドリア現象、というのだとか
(月の表面にウサギが見える、など)。

正門前か実習棟前に、枯れたキンギョソウがまだあったら、
ドクロちゃんを探してみて下さい。

生き物LIVE(ツマグロヒョウモン)

花壇の中で、こんなサナギを見つけました ↓↓↓
(苦手なひとはこの後アップになっていくので注意!)



サナギながら、じたばた暴れています。
背中側の突起が金白色にキラキラ輝いています…↓↓↓

あっっ…! これよく実習棟で見るあれ…!!
自作基板のハンダ付けではないでしょうか!?


↑↑↑ そっくり!?(2年科学技術Bで製作した基板)


調べましたら、
ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)
というタテハチョウ科の蝶のサナギのようでした。
突起の金属光沢は、薄い透明な膜が数層重なっている構造になっており、
そこから体液が透けて見えると金属光沢を放つとのこと。
その光るトゲで外敵を威嚇しているか、
外敵の視界を攪乱させるステルスか、
また、枯れ葉の穴から漏れる光を擬態しているとも言われています。
自然界のデザインは面白いですね!

このチョウは、1980年代には近畿以西に分布していたようですが、
近年生息域を北上させ、
今では、関東北部でも普通に見られるようになったようです。

温暖化の影響がこんな所にも現れているのですね。

生き物LIVE(キンギョソウ)

5月の陽を浴びて、キンギョソウが校内に咲いています。



金魚のような形の可愛らしい花です。



英語圏ではSnapDragonと呼ばれているそうです。
直訳で『噛み付き竜』。
花をよく見ると、その意味がわかりますよ!



最近この花が、TVのバラエティなどで取り上げられているのを見ましたか。
花の後の、種の莢(さや)が…

ドクロの形をしているそうです!!


一説では魔除けとされているそうです。
どんな実がつくのか、
楽しみ!

生き物LIVE(巣立ちました)

昨日まで巣箱いっぱいだったシジュウカラですが、
今朝のモニターで見たら空っぽになっていました。
どうやら無事に巣立ったようです。



樹木に囲まれた清陵周辺で、
元気に羽ばたいていることでしょう。

生き物LIVE(すくすく育っています)

GWが終わり、ヒナたちも大きく元気に育っています。
9コの卵は全部元気なヒナになりました。


親鳥(画面右上)がエサをくわえて戻ると、
ヒナたちが一斉に黄色い口をあけてねだるのが可愛いです。


巣箱右下に、エサをくわえた親鳥が見えます。


巣箱の穴いっぱいいっぱいですね。
しかし出入り口が大きいと、
体の大きい天敵に襲われてしまうため、
体の小さいシジュウカラには
ぎりぎりの大きさが有利なようです。


シジュウカラは、天敵から巣を守るため、
あえて人の出入りのある場所に巣を作ることがあるようです。
校長室前の巣箱、そっと見守って下さい。

生き物LIVE(祝!誕生!!シジュウカラ)

校長室前のシジュウカラが卵を温めはじめて、
長い長い時間が経っています(実際は十数日)。

↑ 週明けの今日、


↑ 卵ではない何かが…!
ヒナの誕生(孵化)です!!


↑ 弱々しく動いています。
まだ孵(かえ)っていない卵も見えます。


↑ 親鳥が帰ってきました。
口を開けたヒナにえさを与えている様子です。


↑ 何回かに分けて、少しずつ何羽かに与えているようです。

これから親鳥のかいがいしい子育てが見られると思います。
是非、生物室前に見に来て下さい。

親鳥はえさを運ぶだけでなく、
外敵の襲来からもヒナたちを守らなければなりません。
頑張れ! シジュウカラ!!

生き物LIVE(今年のシジュウカラ)

清陵の幸せのトリ、シジュウカラが
今年も巣作りを始めました。


生物室前のモニターでその様子が見られますよ!

モニターテレビの電源を入れて、


セレクターの1番をぽちっと押します。

……あっ!

卵が9コ!
上手く孵ってくれますように…!!

中庭プランターの花

終業式の午後、空は久しぶりに明るくなりました。
梅雨明けも間近でしょうか。



6月に生徒会が植えた中庭のプランターが、きれいに咲きそろっています。



中庭掃除の三年生と梅雨空が、
せっせと水をやった成果です。


 ↑ ↑ ↑
マリーゴールド(黄)
ジニア(ヒャクニチソウ)(白)
ベゴニア(赤)
うしろの葉は… コキア(ホウキグサ)


 ↑ ↑ ↑
ジニア(赤)
マリーゴールド(黄)
スクテラリア(紫)



夏季休業中の水切れが心配なので、
ペットボトルで給水の仕掛けをしてみました。
無事にお盆を乗り切れると良いのですが…

始業式の日には、元気な顔に会えるのを楽しみにしています!

身近な有毒生物

皆さんの身近な場所にも毒を持った生物はたくさんいます。
今日出会ったのはそんな生物の一人。
「トビズムカデ」です。


北海道から沖縄まで日本に広く分布し,湿った場所の石の裏や落ち葉の中などにいて,基本的には身を潜めています。サイズ比較のためにペットボトルのキャップを置いてみました。10cmを超えるこの大きさが伝わると思います。やはり大きいとかっこいいですね。

毒があるため衛生害虫として扱われていて,庭いじりをしている人がかまれたり,まれに民家に入ってきて寝相で刺激してしまいかまれるといった事例もあります。
筆者もかまれたことがあるのですが,顎肢に毒腺がありかんだ際には毒を注入します。これが尋常じゃなく痛いです。いろいろな生き物の毒をこの身に受けてきましたが,純粋な痛みではムカデが一番痛かったです。



飼育自体はあまりおすすめできませんが,毒性がそこまで強くありません。気性が荒い奴が多い毒虫の中ではマシなほうなのです。

好きゆえに好意的な紹介になっていますが,あくまで毒を持つ生き物ですので身近で見かけたときには注意してください。

シジュウカラ観察日記③


無事にひなたちが孵化していました。
まだ、全員ではありませんが生まれたての様子がとてもかわいらしいです。

親がエサを持ってくるといっせいに口を開けて食べ物をねだります。
これもまたかわいいです。

長らく見ることができなくなってしまいますがGW期間中にどれくらい成長するのか楽しみです。

蝙蝠との遭遇

先日,校庭横の外トイレで思いもよらない隣人に出会いました。


幼いコウモリです。体長は5cm程度と小さく,かわいらしいです。

ドラキュラの遣いとして描かれることも多く,吸血のイメージの強いコウモリですが,ほとんどの種は血を吸いません。昆虫や果物を食べることで生活しています。

飛んでいる姿こそ恐ろしさもありますが,こうして昼間に休んでいる姿はかわいらしさがあるとは思いませんか?

 


コウモリは我々人間と同じ仲間である哺乳類です。

体の左右にある突起は人間でいう親指にあたる部分です。残りの4本は飛膜と呼ばれる翼を広げるために進化していて,指としての機能は失われています。

飛膜を持つ哺乳類は他にモモンガ・ムササビ・ヒヨケザルなどがいますが,どれも滑空に用いるだけです。しかしコウモリは鳥類に匹敵する飛行能力を持ち,空中で獲物を捕らえることが出来るほどです。

 

空中で獲物を捕らえることが出来るのは,もう一つの特筆すべき能力「超音波ソナー」による探知能力のおかげでもあるのですが,ここからはぜひ調べてみてください。

身近な生き物のご紹介でした。


シジュウカラ観察日記①

宇都宮清陵高校の正面玄関付近にある巣箱に今年もシジュウカラが営巣を始めました。
シジュウカラの巣はコケを敷き詰めた後に獣毛で卵を置いておく産座を作るのが基本となります。
清陵のシジュウカラは何を巣材にしているか,一昨年と昨年の巣を生物室前に展示しているのでぜひ見に来てみてください。

開花宣言【生き物LIVE】

校舎前のコヒガンザクラが、
先週末くらいから何輪かほころんでいましたが、
今週になって徐々に咲き始めました!







2年前の秋、みんなで植えた球根も、また咲き始めましたよ!
東門前のチューリップスイセン(蕾) ↓



誰もいない校庭の片隅には、ムスカリが満開です。↓





サッカーグランドの土手、
数年前に美化委員のみんなで植えたレンギョウも、立派になりました。↓
満開間もなくです。



空っぽの教室はさみしいですが…



春は確実にやってきました。
コブシも咲き始めています。↓



生徒の皆さんの元気な顔がそろうのを心待ちにしています。

生き物LIVEーアカマツ

晴れた冬の朝、

校舎3階から望む西体育館の奥に、

アカマツが赤く輝いていてはっとすることがあります。

 

アカマツ

Pinus densiflora

マツ科
  

清陵の森周辺に3本ほど見られます。

お隣の清原中にもアカマツの群落の名残があります。

清原50年史をひもとくと、昭和20年代頃は清原中の教室が薄暗くなるほどアカマツが茂っていた様子がうかがえます。

清陵の敷地にもかつてはアカマツ林があったかもしれませんね。

 

アカマツは文字通り樹皮が赤色を帯びたマツの一種です。

樹皮が黒っぽいクロマツPinus thunbergiiが海岸沿いに多いのに対し、

比較的内陸部の、明るく乾燥した、栄養の乏しい場所に生えることが多いようです。

 

マツの切り口からべたべたした樹液が出ているのを見たことがありますか?

アカマツの材は松ヤニを多く含み、松脂(ショウシ)とよばれる薬や、天然樹脂の一種ロジンを産出します。

ロジンは、身近なところでは野球などで使う滑り止め、バイオリンなど弦楽器の弓線への塗布、

そしてハンダ付けに用いるフラックスとして利用されます。

清陵生の皆さんは、基板に塗布するフラックスを知っていますよね?!

エッチングの後に基板にスプレーしている、あれですよ!

もっとも、実習で使っているフラックスは合成樹脂ですが…。

 

他にも、建築材や燃料(一例として松明(たいまつ)など)として重宝されたほか、

共生菌としてマツタケを周囲に生やすことが知られています。

多くの恵みを人にもたらし、強健な樹体と冬でも変わらない緑の葉は、長寿や神のシンボルとして(一例として門松など)、古くから愛でられてきました。

 

こんなにありがたいアカマツですが、

近年は全国的に、マツ材線虫病による枯死が大きな問題となっています。

 

清陵の森のアカマツが、いつまでも美しく学校を見守ってくれることを願います。


生き物LIVEーサザンカ

  サザンカとツバキは、寒さ厳しい冬をたくさんの花で彩ってくれる身近な樹木ですが、その見分け方を知っていますか?

 両者はとてもよく似ている上、交雑種や園芸種も多く、区別するのは難しい部分もありますが、大雑把に言うと…

 花弁がバラバラに散るのがサザンカ。ツバキは花がまるごと落ちるので、武士には嫌われたと言われています。

 サザンカの葉はやや小型で、葉の裏や葉柄に細かい毛があるのに対し、ツバキは厚くてつややかな感じ……等の違いがあるようです。

 最も分かり易いのは、晩秋から咲くのがサザンカで、ツバキは少し遅れて、早春の気配がするころ咲きはじめます。

 ですから、いま咲いているのは、ほとんどサザンカと言えますね。校内にもたくさん見られます。



サザンカ
Camellia sasanqua
ツバキ科

よく見ると、様々な美しい品種があります。
 
 
探してみて下さいね。

一方、ツバキはまだ蕾(つぼみ)の状態で春を待っています。
 

清陵のツバキはこれまた美しいので、咲きましたらまたレポートします。

寒い日が続きますが、季節は着実に春に向かっていますね。

生き物LIVEーコナラ


テニスコートの向こう、
清陵の森に行ったことはありますか?


11月にはまだ緑陰が残る森でしたが、


一ヶ月後には枝先まで露わとなりました。
この森を構成する主要な樹木、コナラをご紹介します。


コナラ
Quercus serrata
ブナ科の落葉高木。
この失敗したロールケーキのような樹皮、
他でも見たことがあるのでは…。
公園などによくあるコンクリートの擬木柵、明らかにこのコナラだと思いませんか。
それほど身近な樹木だということが言えるのではないでしょうか。
関東の里山では古くから薪炭林として、燃料(薪や炭)の供給源になっていました。
環境汚染や地球温暖化の心配のない、自然エネルギー源ですよね。


周囲には枯れ葉と共に、おなじみドングリが。
拾い集めた幼い頃の記憶が誰しもあるのでは。

古くから欧州では、コナラと同属のオークはローマの雷神ジュピターの神木であり、この樹には落雷しないという言い伝えがあるそうです。窓のブラインドなどのヒモの先に付いている丸い球は、本来は雷よけのドングリを模したものだったそうですよ。


是非、冬枯れの森を散策しに来てください。

初冬の小鳥達

冬至(今年は12月22日)も近づき、校内の落ち葉はきが毎日大変ですね!
葉が落ちた木々の枝にやってくる小鳥の様子が楽しめる季節になりました。



↑ メジロ
カエデ類の芽の蜜を吸いにくるようです。
にぎやかにさえずっています。


11月下旬のある日、
実習棟の廊下に、またヒナが佇んでいました。


ヒヨドリの幼鳥と思われます。
しばらくしたらいなくなっていました。
無事に独り立ちできたでしょうか。



校庭のトイレにも最近小鳥が入り込んで汚すので
(便器にフンをしてくれれば問題はないのですが)、
いらなくなったCDディスクを吊って様子を見ています。

清陵高校は周囲の自然に恵まれているため、
校内にはいろいろな鳥や動物がやってきますが、
今年はちょっと多い気がします。
学校の北側でLRTの工事がはじまっているので、
その影響もあるかもしれませんね。

実習教員研究会(地衣類)

コケの世界に続きまして、
地衣類もいくつかご紹介します。

 
↑ ツブダイダイゴケ
コンクリート上にひんぱんに見られます

 
↑ ロウソクゴケ
Candelaria concolor
ロウソクゴケ科
昔ヨーロッパで、ろうそくを黄色に染めるのに使われたそうです

 
↑ モジゴケ(属)
Graphis spp.
モジゴケ科
灰白色の表面に、アルファベットのような文字状の線(子器)が見えます
(皆さんは何に見えますか?)

このように、身近にあって気にもとめなかった所にも、
たくましく生き物たちが息づいていることが実感できました。

研究会に際しましてお世話になりました坂井先生はじめ、
たくさんの先生方にご協力いただきましたことを
この場を借りてお礼申し上げます。

実習教員研究会(コケ類)

2年生が修学旅行、1,3年生が中間試験中に、
県高等学校教育研究会理科部会実習教員研究会が、
本校を会場に開催されました。
県内の実習教員の先生方が集まり、
県博物館の坂井広人先生を講師に、
「あなたの知らないコケの世界」と題して研修を行いました。

 

そのほんの一部をご紹介します。

 
 
↑ カタハマキゴケ
Hyophila involuta
センボンゴケ科
コンクリート面などに普通に見られます

 
 
↑ コホウオウゴケ
Fissidens teysmannianus
ホウオウゴケ科
想像上の生き物、鳳凰の尾羽に見立てています

他に数種類のコケの採集と観察を行いました。
コケの小さな美しい世界をのぞき見ることができました。

生き物LIVEー植物図鑑(残念な名前)

俺の名は
ワルナスビ
Solanum carolinense
ナス科

もう何年もこの清陵の茂みで生きてるぜ
除草剤なんて俺には効かねえよ


↑ヒッコ抜こうとするやつにはこのトゲトゲでお仕置きだ
抜かれても抜かれても、地下茎でじゃんじゃん増えてやる


↑見ろよこのチャーミングな実
トマトやナスとは兄弟よ(ナス科)

北米の荒野からの流れ者だぜ
あっちでも「ソドムの林檎」てえ名前で恐れられているんだ


↑ お隣さんはまた残念な名前だ
ヘクソカズラ
Paederia scandens
アカネ科
臭うからってこの名前はないよな

生き物LIVEーカッコウ

9月下旬のある日、
学校の外廊下に佇むトリがいました。
茂みに逃げ込んだトリに近づいてみると…





↑ カッコウの幼鳥と思われます。
カッコウは『托卵』をする鳥として知られています。
このヒナも、小さい親鳥に育てられ、手狭になった巣から落ちてしまったのでしょうか。

その日はしばらく親鳥(養親)と思われる悲しげな鳴き声がしていましたが、やがてあきらめたのか、静かになってしまいました。

翌日、縞模様の羽根があたりに散乱していました。



かわいそうな結末でしたが、
自然界の秩序ですから手は出せません。

清陵の森の中では、日々いろいろな生物の営みがあるのでしょう。
その一端を垣間見た一件でした。