足尾銅山の歴史
足尾鉱毒(あしおこうどく)と渡良瀬遊水地(わたらせゆうすいち)

(1)煙害や鉱毒被害とはどのようなことか

①煙害とは、精錬所から出る亜硫酸ガスを含むけむりが起こす被害のことです。


②鉱毒被害とは、銅・鉛・亜鉛・ヒ素・カドミウムなどの金属成分が、鉱内から出る水や選鉱場から出る水に含まれ、川に流れ込んでいろいろな被害を起こすことです。

また、捨てられた廃鉱石(成分率の低い銅鉱石)からにじみ出る水に含まれる鉱毒で被害を起こすことです。


(2)その被害にはどんなものがあるのだろう

①煙害による被害

・田畑の作物が枯れたり山の木々が枯れたりして上流部の松木村(まつきむら・・・その後廃村となる)など人の住めない村や、渡良瀬川上流部、地域一帯にはげ山が出現しました。

・河川が荒れ果てた結果、渡良瀬川下流地域などに大雨にともなう洪水を引き起こしました。


②鉱毒による被害

・渡良瀬川に金属成分が流れ込み、魚類を死滅させました。

・渡良瀬川や沿岸地域の土壌を汚染し、農作物や家畜などに大きな被害を与えました。
・洪水の時には鉱毒土が田畑に積もり、山田郡(やまだぐん)や足利郡(あしかがぐん)・安蘇郡(あそぐん)で農業を不能にしました。

・群馬県(ぐんまけん)太田市(おおたし)毛里田地区(もりたちく)の水田に被害を起こしました。