アカデミアとちぎ

アカデミア『もう一度読む古典』講座第1回

 アカデミアとちぎ「もう一度読む古典」の第1日が、去る10月8日に開かれました。この講座は、有名な古典教材に違った角度から光を当てて、その面白さを再発見しようというのが主旨です。講師は栃木県の誇るカリスマ国語教師として高名な若杉俊明校長です。受講予定の方々に混じって、本校国語科の先生方や、本校生の姿がありました。
 この講義ではまず、『枕草子』の序段、いわゆる「春はあけぼの」における感性が当時の常識から外れていることを確認しました。そして「春はあけぼの」で扱われている素材と『古今和歌集』の春・夏・秋・冬で扱われている素材とを比較しました。するとその2つが大きく「ずれ」ていることがわかりました。清少納言の強烈な自意識や、自己の記述に対する意識が感じられました。

 日本における「随筆の誕生」の瞬間に立ち会うことのできた貴重な2時間半でした。