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校長室から

令和6年度卒業式式辞

厳しかった冬の寒さも和らぎ、柔らかな春の息吹が感じられるこの佳き日に、同窓会会長 和氣 久一様、PTA会長 大野 光臣様をはじめとするご来賓のご臨席を賜り、保護者等の皆様のご列席のもと、栃木県立さくら清修高等学校令和6年度卒業式をこのように盛大に挙行できますこと誠に喜ばしく、教職員を代表して厚く御礼申し上げます。

ただ今、卒業証書を授与した222名の卒業生の皆さん、栄えある卒業、おめでとうございます。保護者等の皆様におかれましては、お子様の逞しく成長した姿に感慨ひとしおのものがあるかと存じます。この3年間、本校の教育活動に対し、深いご理解とご支援をいただきました。お子様のご卒業にあたり、心より御礼と御祝いを申し上げます。

卒業生は「自主自立」、「進取創造」、「敬愛協働」の校訓のもと、学業に勤しみ高等学校の全課程を修了しました。本校は個の興味や関心、進路に応じた幅広い科目選択ができる総合学科であることに加え、活発な生徒会、部活動、ボランティアの諸活動及び学校行事が、大きな魅力と特色であることを体感してきました。

クラスや部活動の仲間と知恵を出し合い、企画・運営や発表を行った「桜花祭」や「芸術合同発表会」のような文化的行事、クラスが団結してプレーした「球技大会」や縦割りのチーム編制で挑んだ「体育祭」の体育的行事は、共に大いに盛り上がりましたね。いずれの場面でも一人一人が主役として輝いており、これからも佳き思い出として脳裏に刻まれていくことでしょう。皆さんが築いた伝統は、必ずや在校生がさらに磨きをかけて紡いでいきますので、見守っていてください。

後輩たちに生徒会役員等の座を譲り、部活動を引退してからは、進路実現という目標に向かって努力を惜しまず過ごしていましたが、最上級生として何事にも率先して取り組み、後輩たちに範を示す姿が窺えました。何より、友人と切磋琢磨し絆を強固にするなど、青春を謳歌し充実した日々を過ごしたことと思います。こうして本校の歴史に輝かしい1ページを加えた第17期生として、本日、晴れの日を迎えている皆さんを大変誇らしく思います。

皆さんを待ち受けている社会は、少子高齢化や高度情報化が加速度を増し、既存の考え方や仕組みが著しく変貌を遂げようとしています。そうした物事が複雑化し予測困難な時代を生き抜くためには、多様な価値観を受容し柔軟に振る舞う対応力、新たなものを創造しようと思考し行動する実践力、そして、他を敬うなどの優れた人格を備えた人間力が重要であると考えます。皆さんは、地域の方々のご支援や保護者等の皆様の愛情と庇護のもと、3年間の高校生活をとおして、社会を立派に生き抜く素地を培ってきました。卒業後、進む道は人それぞれですが、未来を切り開いていけると確信しています。

ここで、夏目漱石も影響を受けたとされる19世紀に活躍したアメリカの哲学者で心理学者でもある「ウイリアム・ジェームズ」のことばを紹介します。「できるかどうか分からないような試みを成功させるただひとつのものは、まずそれができる、と信じることである。」日々、目標に向かって一生懸命努力した皆さんですから、夢は叶います。自分と周りにいる仲間を信じて頑張ってください。きっとできます。

「さくらの花」が間もなく満開になります。前庭の「御衣黄」が萌黄色の花を咲かせる頃には、新天地での生活にも慣れ、活気に満ちながらも落ち着いた生活を送っていることでしょう。来年度、創立20周年を迎える本校には、いつでも皆さんを応援している教職員がいます。時には母校に足を運び、近況報告をしてくれるよう望みます。卒業生の皆さんのこれからの人生に幸多かれと祈り、式辞といたします。