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校長室から

1学期始業式式辞

 新入生240名を迎え、全学年そろって新学期が始まります。

 一人一人の思いも異なるとは思いますが、皆さんが胸に秘めている今の思いや決意をずっと持ち続けて、一日一日を大切に過ごしてください。

 では、1学期のスタートに当たり、3点お話しします。

 1点目。「飛行機人間」と「グライダー人間」の話をしたいと思います。これは、大学教授で英文学者、評論家でもある外山滋比古さんという方が使った言葉です。外山さんの書いた文章は、国語の教科書に載っていたり、あるいは大学入試などに出題されたりしますので、聞いたことある方もいるかと思います。外山さんは数年前になくなられましたが、九〇歳を過ぎても現役で執筆活動を続けていました。最もベストセラーとなったのが『思考の整理学』という本で、「飛行機人間」「グライダー人間」という言葉はそこで使われているものです。

 飛行機とグライダーは、空を飛ぶのも同じで、遠くから見るとよく似ている訳ですが、大きな違いは、グライダーは誰かに引っ張られないと自力で飛ぶことができないが、飛行機は誰かの力を借りずとも自分で飛び立てるという点です。外山さんは、「誰かに引っ張られて飛ぶグライダー型ではなく、自分の頭で考え、自力で飛び回る飛行機型人間こそ必要」と述べています。誰もが最初はグライダーだと思いますが、いずれは飛行機のように自分で飛ぶ力を身につけなければなりません。今社会で求められているのは、まさしく飛行機型の力です。

 ではどうすればそういう力が身に付くのか、それは何事も受け身ではなく、自分で考えて主体的に行動することです。一例を挙げると、皆さんは、普段の生活の中で、「先生、どうすればいいですか」とか「次は何をやればいいですか」と言ったりすると思います。それを是非変えてください。数学の質問にいくときには、「解き方がわからないので教えてください」ではなく、「こういうふうにやってみたんですけど、ここから先がわかりませんでした。でも考え方は合っていますか」とか、部活なら「今日の練習メニューはなんですか」ではなく、「今日はこういう練習をしたいんですけど、どうですか」というように、全部教えてもらおうとするのではなく、まずは考えた結果を伝えて、その後アドバイスをもらうということを繰り返していけば、飛行機型の力が身につくのではないかと思います。ぜひ、グライダーから飛行機になることを意識して、一学期を過ごしてほしいと思います。

  次に2点目。2、3年生には、4日の登校日の日に、「目標を持って努力してほしい」という話をしましたが、今日は、元大リーガーで日本人初の野球殿堂入りを果たしたイチロー選手の言葉を紹介したいと思います。イチロー選手は、日本のプロ野球から大リーグに渡って、主にシアトルマリナーズというチームで活躍しましたが、日米通算4367安打という前人未踏の記録を始め、数々の記録を打ち立てました。彼の目標設定に関する言葉です。

 「目標は高く持たないといけないんですけど、あまり高すぎると挫折してしまう。だから小さくとも自分で設定した目標を一つずつクリアして満足する。それを積み重ねていけば、いつかは夢のような境地にたどり着く」。このような言葉を残しています。

 今の自分とかけ離れた目標ではなく、努力すれば手の届く目標を立てることの大切さやそれをクリアすることで得られる達成感や満足感が、次への意欲につながっていくということを言っています。皆さんも大きな最終目標だけでなく、今日はこれをやろうとか、ここまでやろうとか、毎日小さな目標を立てて、達成感を味わいながら毎日を充実したものにしてほしいと思います。

  3点目は、皆さんに期待することを学年ごとに話していきたいと思います。

 まず3年生。3年生は、いよいよ勉強も部活も集大成となる最終学年です。部活動をやっている人は、多くの部で最後の大会が迫っています。結果も大事かも知れませんが、どれだけ一生懸命取り組んできたかの方がもっと大切だと思いますので、悔いを残さないように最後までやり切ってください。限られた時間の中で部活も勉強もやらなければならないわけですから、時間を大切にして、スキマ時間を有効に活用するなど、工夫しながら頑張ってほしいと思います。集中力とメリハリ、そして切り替えを大切にしてください。

 次に2年生。2年生はターニングポイントになる学年です。1年が終わって、勉強でも部活でもなんとなく自分の立ち位置というか、自分の力はこのくらいなのかな、と思い始めている人もいるかもしれません。でも「自分で自分の限界を決めずに」頑張ってほしいと思います。ここで目標を持ってもうひと頑張りできるか、なんとなく日々の生活に流されて惰性で過ごしてしまうか、そこは自分次第です。勉強しても伸びない時期とか、部活で頑張っているのにうまくならない時期というのは、誰にでも必ずあります。その時にどれだけ粘れるか、我慢して続けられるかが大切です。その辛い時期を乗り越えられれば、また力がついてきます。頑張ってください。また、2年生には、あらゆる面で1年生の見本となってくれるよう期待しています。

 最後に1年生。1年生には、入学式で「自分の頭で考えて、自分で判断してほしい」ということ、「自分も他人も大切にしてほしい」という二つの話をしました。これまでとは環境が変わるので、まずは新しい慣れること、そして学校生活に慣れてきたらやりたいことにどんどんチャレンジしてほしいと思います。大切なのは、考えているだけではなくて、行動することです。行動すれば、次にやるべきことが見えてきます。今日はこの後部活動紹介もありますので、いろいろ見たり聞いたりしながら興味を持った部活に入ってほしいと思います。失敗を恐れずチャレンジし、自分の世界を広げてくれることを期待しています。

  いくつか話をしましたが、1学期を過ごす上では、行き詰まって悩んだり、迷ったりすることもあると思います。そういうときには、一人で悩まずに、是非友達や先生に相談してください。

 それでは、まずは皆さんが元気であること、そして、一学期が充実した日々となることを期待して、式辞といたします。

入学式式辞

 寒暖を繰り返しながら、待ちわびた春がようやくやってきました。桜咲き誇る今日のよき日に、同窓会会長 和氣 久一様、PTA会長 大野 光臣様をはじめ、御来賓の御臨席を賜り、保護者の皆様の御列席のもと、令和七年度栃木県立さくら清修高等学校第二〇回入学式を挙行できますことは、本校教職員にとりましても大きな喜びであり、学校を代表して心から御礼申し上げます。

 ただ今入学を許可した二四〇名の新入生の皆さん、本校への入学、まことにおめでとうございます。

 さて、本日、晴れて皆さんが入学した本校は、氏家高等学校と喜連川高等学校の長い歴史と伝統を受け継ぎ、各自の興味や関心、進路に応じた幅広い科目選択と主体的な学習が特徴である総合学科の高等学校として、平成十八年に開校しました。「自主自立」「進取創造」「敬愛協働」の校訓を掲げ、生徒たちは学業のみならず、特別活動にも熱心に取り組み、成果を上げている活気溢れる学校です。今年は創立二〇周年の節目を迎える年であり、尚一層の飛躍する時期にさしかかっています。

 これから新しい歴史を築いていく新入生の皆さんに、この三年間で大きく成長することを期待して、二つのことを話したいと思います。

  一つ目は、「自分の頭で考えて、自分で判断する」ということです。他人から言われてやるのではなく、自分の意思で、自ら進んで行動するということです。現代社会は、様々な情報にあふれ、人々の価値観は多様化し、変化の激しい予測困難な時代となっています。そのような社会を生き抜くには、「自分で考え、判断し、主体的に行動すること」が必要となります。単に受験に合格できる力ではなく、その先に待ち受けている社会で自立して生きていくために必要な「生きる力」を、是非身につけてほしいと思います。しかし、このような力は一朝一夕で身につくものではありません。高校生活三年間はあっという間に過ぎていきます。日々の授業はもちろんのこと、ぜひ、学級活動、生徒会活動、部活動、そして学校行事に、主体的に、一生懸命に取り組み、逞しく生きる力を身につけてください。

  二つ目は、「人を大切にする」ということです。これは、「自分も他人も大切にする」ということです。今ここにいる皆さんは一人一人、本当に「かけがえのない」存在です。「かけがえのない」とは、「代わりがきかない、たった一つの大切なもの」ということです。皆さんは、これから始まる高校生活でたくさんの人に出会い、様々な経験をしていくことになります。そのふれあいの中で、ともに学び、ともに喜び、励まし合える「真の友人」「かけがえのない友人」をつくってください。高校時代の切磋琢磨の中から生まれる友人は、一生にわたって皆さんの力となってくれるはずです。人を大切にし、優れた仲間と互いに切磋琢磨し、他人の痛みがわかる人間、心豊かで活力ある人間に成長していってください。

 最後になりましたが、保護者の皆様方、お子様の御入学を心よりお祝いを申し上げます。小学校入学以来の長い年月に渡り、お子様の学校生活を支えてこられました保護者の皆様の思いもひとしおであろうと、心からお慶び申し上げます。

 私ども教職員は、お預かりしたお子様一人ひとりの持てる力を十分引き出し、自己実現が図れるよう精一杯努力して参る所存です。保護者の皆様には、ぜひ本校の教育方針、教育内容等についてご理解いただき、ご協力・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、新入生の皆さんが本日の入学式の感激を忘れず、努力を重ね、貴重な三年間の高校生活を有意義な実り多いものとなるよう改めてお願いし、式辞といたします。

  

鉛筆 ご挨拶

こんにちは。私はこの4月から校長として赴任しました小林と申します。

さくら清修高校ホームページをご覧いただきありがとうございます。

本校は、「喜連川高校」と全国初の総合学科設置校「氏家高校」の長い歴史と伝統を受け継ぎ、総合学科の高校として平成18年に開校しました。「自主自立・進取創造・敬愛協働」を校訓として日々の教育活動を展開しており、今年度創立20周年の節目を迎えます。

本校の特色は、なんと言っても、一人一人の進路実現や興味・関心に応じた選択ができるよう多様な科目講座を開設し、自分だけの時間割を組むことができるところです。授業は少人数で行われることも多く、きめ細やかな授業が展開され、体験学習や外部講師による専門的な授業も実施しています。

学校行事も多く、大いに盛り上がる桜花祭、全力で競い合う球技大会、体育祭といった大きな行事を毎年実施しており、充実した学校生活につながっています。また、部活動も充実しており、全国大会や関東大会に出場している部活動もあります。

卒業後の進路は、国立大学、私立大学、短期大学、専門学校、公務員、民間企業と幅広く、充実した進路指導体制のもとで、多様な進路実現を図っています。

いかがでしょうか。多岐にわたる選択科目、自分だけの時間割、様々な学校行事、それに加えて、情熱あふれる個性豊かな先生たちがたくさんいます。本校は、誰でもやる気さえあれば、それに応えられる環境が整っている学校です。

教員と生徒が本気で向かい合いながら授業や部活、学校行事に一生懸命取り組んでいる姿をぜひご覧ください。

ここでは概要のみ記しましたが、興味を持っていただけた方は、様々なページに入っていただき、さらに深く本校を知っていただければ幸いです。ホームページを見てくださる方々のご期待に添えられますよう、より充実した内容にしていきたいと思います。

教職員一同、本校で学ぶ生徒たちが充実した高校生活を送れるよう尽力して参りますので、今後とも「さくら清修高校」をどうぞよろしくお願いします。

栃木県立さくら清修高等学校長
小林 克明

学校 令和6年度修業式式辞

早いもので、本日、令和6年度修業式になりました。1・2学期の終業式は、学期が終わる節目の日ですが、年度末は、業を修める式です。皆さんの生業は学業ですから、1年間の学業を修め終える節目が、本日の修業式であると言えます。

先程は皆さんを、卒業した先輩方は卒業式予行の日に実施した表彰伝達式で称えたことでもわかるとおり、部活動、検定試験、模範篤行、皆勤など、本校には多方面にわたり努力し素晴らしい成果を修めている生徒たちが本当に多く、校長としても誇らしい皆さんですが、個人個人を振り返ると不足している点や改善すべき点が見つかるなど、まだまだ伸びしろのある皆さんでもあると思います。修業式を機に、各自、反省してみましょう

今年度は生徒会の要望を受け、男子の頭髪規定について若干の変更を加えたり、先生方が皆さんの健康を考え休業日の部活動における登下校時の服装規定を見直しました。次年度の入学生は、始業・終業時間は同じですが、皆さんと比べて正規の授業時間数が1週間当たり2時間少なくなりますし、例年、年明け早々に実施していた野外活動(スキー、スノーボード)は廃止になります。時代や実態に即した変更があるのは、当然のことですね。

数年経ちましたが、18歳成人という大きな法改正があり、来年度からは高等学校の授業料無償化が始まる予定です。今現在、日本はここ数年では例を見ない税制改革が行われようとしているなど、皆さんの生活に直接関わることだけでも大きな社会制度・構造の変化が起きています。ですから、皆さんにはコロナ禍の対応と同じように様々な出来事に対し柔軟に、そしてそこには何らかの意図があるのではないかと深く考えながら過ごして欲しい思います。目の前の愉しみ事ばかりに時間を費やすのではなく、将来、社会で活躍できるよう、その土台づくりをしているのだと意識しながら高校生活を過ごしてください。

そうすると、挨拶や身なりを整えることの大切さ、勉強の面白味さや意義、自身の目標などが自ずと見えてきます。来年度、創立20周年を迎える本校の二十歳の誕生日を祝うために皆さんが主体になって来賓をもてなし、記念芸術鑑賞会を楽しみ、そして先輩方に感謝しながら21年目の歴史をつくる主役としての自覚や責任をもつよう、期待して止みません。今が正にその準備期間です。

間もなく見頃を迎える「桜の花」が美しいのは、寒い冬をじっと耐え、春の来るべき時に一気に開花するからです。中には寒桜とも呼ばれ、冬の寒い時期に開花することで知られる「河津桜」や「土肥桜」などもありますが、これらは人に例えるならば、一握りの特別な才能がある人か、或いは努力が結実した人と言えるのではないでしょうか。ひょっとすると、冒頭話した表彰伝達式で称えられた人たちのことかも知れません。

2年次生は、進路実現のためにもう1日たりとも無駄にできませんね。夏休み後、部活の引退をしてからとか、桜花祭や秋の体育祭後に頑張ればいいのだなどと努力を先送りにしていては、それだけの結果しか得られないのは明らかです。後輩の面倒を見ながら自分を磨く日々は辛く厳しいと感じる時もあるかも知れませんが、楽をしたい自分に打ち克ち、じっと絶えた暁には、夢の実現という素晴らしい結果が待っています。桜の花と同じです。今から3年次生、最上級生としての自覚と覚悟を期待します。

1年次生には、先月、「さくらレポート」で素晴らしい発表をしたことからも、本校で確実に成長した姿を垣間見ることができました。ご指導くださった「さくら市」の方からも、高校1年生ともなると、随分、研究内容に厚みが出るもんだとのお褒めのことばをいただいています。2年次生というポジションは、上級生と下級生に挟まれた中間年次生ですから、学校の中心であると考えてください。良い先輩を手本に、自分が歩んできた1年間よりも本校生として素晴らしい高校生になれるよう、後輩を導いてください。上にも下にも自分を省みる人たちがいるということは、本当に幸せなこと、全日制の学校に通うメリットだと思います。頑張ってください。

『生徒会誌』や『さくら清修高校新聞』に記したように、「夢は見るものではなく、叶えるもの」です。とは言っても、そう簡単に物事は進まず思い悩むのが人間、特に青春期の皆さんです。人は予期せぬことに出会うとネガティブな思考に陥る傾向がありますが、そんな時には「雨過天晴」ということばを思い出してください。降り止まない雨はありません。雨の後には、空高く大きな虹が架かる晴天が広がる様子を思い描き、ポジティブな思考に変えてください。同時に、事ある度に伝えてきた「自他ともに大切にする」ことも忘れずにいてほしいと思います。

自然界の「さくら」もすぐに満開になります。卒業式の式辞でも述べたように、前庭の「御衣黄」が萌黄色の花を咲かせる頃には新たなクラス、環境にも慣れ活気に満ちながらも落ち着いた学校生活を送っている皆さんの姿を見るのが、今から楽しみです。一人一人が卒業生が残した実績を上回り、「さくら清修高校」の佳き伝統の継承者となるべく、また、4月に迎える新入生の先輩としての自覚を持ち様々なことへの準備期間である春休みを有意義に過ごすよう期待し、式辞とします。

令和6年度卒業式式辞

厳しかった冬の寒さも和らぎ、柔らかな春の息吹が感じられるこの佳き日に、同窓会会長 和氣 久一様、PTA会長 大野 光臣様をはじめとするご来賓のご臨席を賜り、保護者等の皆様のご列席のもと、栃木県立さくら清修高等学校令和6年度卒業式をこのように盛大に挙行できますこと誠に喜ばしく、教職員を代表して厚く御礼申し上げます。

ただ今、卒業証書を授与した222名の卒業生の皆さん、栄えある卒業、おめでとうございます。保護者等の皆様におかれましては、お子様の逞しく成長した姿に感慨ひとしおのものがあるかと存じます。この3年間、本校の教育活動に対し、深いご理解とご支援をいただきました。お子様のご卒業にあたり、心より御礼と御祝いを申し上げます。

卒業生は「自主自立」、「進取創造」、「敬愛協働」の校訓のもと、学業に勤しみ高等学校の全課程を修了しました。本校は個の興味や関心、進路に応じた幅広い科目選択ができる総合学科であることに加え、活発な生徒会、部活動、ボランティアの諸活動及び学校行事が、大きな魅力と特色であることを体感してきました。

クラスや部活動の仲間と知恵を出し合い、企画・運営や発表を行った「桜花祭」や「芸術合同発表会」のような文化的行事、クラスが団結してプレーした「球技大会」や縦割りのチーム編制で挑んだ「体育祭」の体育的行事は、共に大いに盛り上がりましたね。いずれの場面でも一人一人が主役として輝いており、これからも佳き思い出として脳裏に刻まれていくことでしょう。皆さんが築いた伝統は、必ずや在校生がさらに磨きをかけて紡いでいきますので、見守っていてください。

後輩たちに生徒会役員等の座を譲り、部活動を引退してからは、進路実現という目標に向かって努力を惜しまず過ごしていましたが、最上級生として何事にも率先して取り組み、後輩たちに範を示す姿が窺えました。何より、友人と切磋琢磨し絆を強固にするなど、青春を謳歌し充実した日々を過ごしたことと思います。こうして本校の歴史に輝かしい1ページを加えた第17期生として、本日、晴れの日を迎えている皆さんを大変誇らしく思います。

皆さんを待ち受けている社会は、少子高齢化や高度情報化が加速度を増し、既存の考え方や仕組みが著しく変貌を遂げようとしています。そうした物事が複雑化し予測困難な時代を生き抜くためには、多様な価値観を受容し柔軟に振る舞う対応力、新たなものを創造しようと思考し行動する実践力、そして、他を敬うなどの優れた人格を備えた人間力が重要であると考えます。皆さんは、地域の方々のご支援や保護者等の皆様の愛情と庇護のもと、3年間の高校生活をとおして、社会を立派に生き抜く素地を培ってきました。卒業後、進む道は人それぞれですが、未来を切り開いていけると確信しています。

ここで、夏目漱石も影響を受けたとされる19世紀に活躍したアメリカの哲学者で心理学者でもある「ウイリアム・ジェームズ」のことばを紹介します。「できるかどうか分からないような試みを成功させるただひとつのものは、まずそれができる、と信じることである。」日々、目標に向かって一生懸命努力した皆さんですから、夢は叶います。自分と周りにいる仲間を信じて頑張ってください。きっとできます。

「さくらの花」が間もなく満開になります。前庭の「御衣黄」が萌黄色の花を咲かせる頃には、新天地での生活にも慣れ、活気に満ちながらも落ち着いた生活を送っていることでしょう。来年度、創立20周年を迎える本校には、いつでも皆さんを応援している教職員がいます。時には母校に足を運び、近況報告をしてくれるよう望みます。卒業生の皆さんのこれからの人生に幸多かれと祈り、式辞といたします。