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校長室から

情報処理・パソコン 第2学期始業式 式辞

長かった夏季休業が終了し、第2学期始業式を迎えることになりました。「光陰矢の如し」のことばどおり、年齢を重ねるとより時の経つ早さをより実感するものですから、毎日を大切にしたいものです。

「南海トラフ地震情報」が発信され警戒したり、線状降水帯の発生により停電や浸水被害に見舞われたりするなど、自然災害の心配が例年よりも多かった夏でした。さらに今まさに、台風の日本列島横断の懸念があるため、一層、災害等への備えを万全にしなければなりません。

本日は、本県出身選手2名も車いす競技で出場予定のパリパラリンピックの開会式ですが、過日実施されたオリンピックでの熱戦同様、連日、猛暑続きの休業日でもありました。体調はどうでしょうか。今後も気温が上昇することがあるでしょうから、健康管理にも務めてください。

さて、1学期の終業式には夏休みや2学期をより良く過ごすため、どんな学校生活であったか各自で振り返るよう、皆さんに伝えました。さらに、周囲の物事に関心を持ち、正しい判断、見極めが大事であるということを心に留めて生活するようお願いしたと思います。

社会に目を向け、1つでも、一瞬でも発見や感動する場に出会えたならば、素晴らしい夏休みであったと言えるでしょう。「一日体験学習」では、本校に関心を寄せている700名を超える中学3年生を1・2年次生が中心となって親切に導いてくれました。ライトキューブ宇都宮で開催された「総合学科研究大会(サマーキャンプ)」やオンラインでの「ふれあい活動高校生のつどい」に参加した生徒たちは、他校生との意見交換をとおして、知識や友情を深めたことと思います。部活動やボランティア活動、アルバイトに勤しんだ人など、力点や目的は違えども誰にも等しく与えられた時間、心身の健康と安全に配慮して過ごせたならば、良しとしてください。

2学期は就職試験や入試、桜花祭や体育祭、修学旅行などの行事があり、学校生活の中でも皆さんの成長や将来に大きな意味をもつ時です。いつも言っているように自他ともに大切にし、適宜、信頼できる大人に相談しながら自己創造(自分づくり)に励んでください。全員の夢が叶う学期であることを願って式辞とします。

令和6年度 第1学期終業式式辞

真夏日や猛暑日が増え、夏本番の到来とともに、気が付けば第1学期終業式を迎えることになりました。熱中症予防のためZoomでの配信にしましたので、少しだけ長く話をします。

総じて、資格取得や部活動、ボランティア活動など、多方面で活躍し、充実した生活を送った人が多かった1学期だったと思いますが、時間を無駄にしてしまったとか、もっと努力できたかなと考える人もいるでしょうから、夏休みや2学期をより良く過ごすため、各自で振り返ってください。

さて、身近でありながら、殆どの人が知らないと思われることについて話します。皆さんは、自分の利き手が左右どちらか理解していますよね。時に同じくらい両方の手を器用に使いこなす人もいますし、スポーツ選手などは、場面で左右を使い分けしている人もいます。大抵、利き手と利き足は同じである場合が多いようですが、利き目になるとどちらなのか自信がないという人が、少しいるかも知れません。楽器の奏者は、左右の手足を自由自在に操って音楽を奏でていますが、楽譜を見る目や、音を聞き分ける耳はどうなっているのでしょう。脳がこの複雑な指令を全身に出しているのでしょうが、才能を生かすも殺すも努力次第です。

突然ですが、ここで問題です。「皆さんの利き鼻はどちらですか?」正確に答えられる人は稀ですが、該当するものを選んでください。選択肢は「右」「左」「両方」の3つです。選べましたか。どれも正解です。利き鼻は毎日変化するので、左右どちらかというものも、両方というのも正解になるんですね。自分自身のこと、大事な身体のことでも知らないことはたくさんありますし、私の質問から、殆どの人が三者択一と考えたことでしょう。周囲の物事に関心を持ち、正しい判断、見極めが如何に大事か、心に留めて生活してください。

話は変わりますが、本校は、生徒たちが17もの広域な地区から通学しており、しかも1学年6クラス編制という規模ですから、それだけ多様な価値観や才能を持った生徒たちの集団と言えます。だからこそ、勉強に励んだり、部活動で成果を収めたり、ボランティアで社会貢献したりと多方面で力を発揮し、学校に活気をもたらしているのだと思います。どの高校も先輩方から受け継いだ校風のもと、社会に出るための準備期間、つまり、より良く生きるために知恵を磨き、心身を鍛え、自己創造に励んでいるのですが、集団生活である以上、一定のルールは必要になってきます。これは、特定の人にとって都合が良いものであることに留まらず、社会的にも容認され得るものでなければならないと考えます。生徒総会で可決された要望事項への回答は、皆さんの代表である新生徒会長並びに副会長に伝えましたが、詳しくはこの後、生徒指導部よりありますので、正しく理解してください。併せて、皆さんの学校生活が過ごしやすくなるようなアイディアがありましたら、然るべき手順を踏んで教えてください。

身近な話題や多様な価値観と言えば、円安の問題や新紙幣の導入、インバウンドなどが真っ先に頭に浮かびます。国の経済政策や諸外国の日本に対する見方が、私たちの暮らしに大きな影響があるのは否めません。先ごろ2年次生は「県政ミーティング」で、県議会議員の方々と貴重な時間を共有させていただきましたが、全ての生徒に、社会に目を向けるよう願います。

アメリカ合衆国に限ったことではありませんが、多民族国家の代表格として、異文化について学んだことがある人は、「人種のるつぼ」とか「メルティング・ポット」などの言葉を聞いたことがあるのではないかと思います。しかしこれはひと昔前の学術用語で、様々なルーツやバックグラウンドのある人たちが、独自の文化や習慣を抱きながらアメリカ社会に馴染んでいる様子は、「サラダ・ボウル」と形容される方が今では一般的になっています。個性や考え方を認め合いながら、統率の取れた社会、学校であることは大事なことです。

皆さんは、各国の首脳会談などで、例えば日本の首相とアメリカ大統領が椅子に座って記者会見に臨んでいる映像を目にしたことはありますか?首相は足を揃え、大統領は足を組んだ姿勢が見られます。人前、或いは人に対して足を組むことがどういう価値観で社会に根付いているのかの違いで、非礼にあたるとかといった判断は成立しないのですが、これも時と場合によっては形や解釈が変わってくるものです。

アメリカの話題をもう一つ、最近、日本人の活躍で目にする機会が増えたMLBですが、ベンチの中はひまわりの種や紙屑、場合によっては紙コップまでもが投げ捨てられており、大変汚れています。大谷翔平選手は、グランドのゴミをポケットに拾って入れているようですが、ベンチ内のゴミは選手の誰もが意に介しません。何故かわかりますか?これは、きれいであると、清掃するスタッフの業務、つまり仕事がなくなり賃金の支払いに影響があるからだそうです。日本では、施設を使う前より使った後をきれいにすることが美徳とされています。次に使う人のためを考え、行動することが当然、価値あることとされています。学校生活を送る上で、皆さんはどう振舞えばよいか、考えるきっかけとしてもらいたいと思います。

もう少しで話を閉じますので、最後まで集中して聞いてください。先日、見聞きした2つのエピソードを紹介します。まず1つめは、和歌山県の高校生が、バスケットボールで見事インターハイ出場権を獲得したというニュースです。部員は僅か6名だったそうです。

2つめは、X-JapanのYoshikiさんについてです。3年生の時に、「ロックミュージシャンになること」と書いて進路希望調査を提出したそうです。すると、担任の先生から真面目に答えるようにと言われたそうです。彼は真面目に将来を展望し、努力を重ね、現在、著名なミュージシャンになって活躍しているんですよね。

夢は見るものではなく、叶えるもの。人間は、考え方と行動次第でどうにでもなるということの良き例です。
何かを発見し、暑さにも負けない心身両方の健康維持と増進、そして安全を心掛けて長期休業を有意義に過ごし、第2学期始業式には、より逞しくなった皆さんに会えることを願って式辞とします。

令和6(2024)年度 創立記念式式辞

本日は、栃木県立さくら清修高等学校「創立19年」の記念日です。ここ氏家公民館をお借りして創立記念式並びに記念音楽会が開催できますこと、誠に喜ばしく思います。また、これまで本校を支えてくださった関係者の皆様に深く感謝の意を表したいと思います。本当にありがとうございます。

来年は本校が誕生して20年、「二十歳を祝う日」を迎えることになりますが、この機会に、皆さんにとってやがて母校となる「さくら清修高校」について改めて確認してみましょう。本校は、「氏家高校」と「喜連川高校」の長い歴史と伝統を受け継ぎ、各自の興味や関心、進路に応じて幅広く選択できる科目と主体的な学習が特徴である総合学科の高校として平成18年、西暦2006年に開校しました。

前身の2つの学校について、それぞれ簡単に紹介します。まず「氏家高校」ですが、大正13年4月15日に第1回入学式を挙行、栃木県立氏家高等女学校、つまり女子高として開校しました。男女共学化に伴う校名変更など幾多の変遷を経て、平成6年に全国初の総合学科を設置しています。平成18年に創立80周年記念式典を挙行した後、喜連川高校と統合。平成20年3月3日に閉校式が行われ、卒業生は22,283名を数えています。

次に「喜連川高校」ですが、昭和21年4月1日に喜連川町高等青年学校の校舎を県が引き継ぎ、喜連川農業高等学校が開校しました。「栃木県立喜連川高等学校」としては、昭和26年4月1日が始まりです。数々の変遷を経て、平成18年4月1日に氏家高校と統合。平成18年に創立60周年記念式典を挙行した2年後、氏家高校と同様、平成20年3月3日に閉校式を挙行しました。卒業生数は9,784名です。

この伝統ある2校の歴史を受け継ぎ、旧氏家高校の敷地や校舎を利用して平成18年4月1日に「さくら清修高等学校」が開校したわけです。7月5日が創立記念日であることは、平成20年に決定しました。栃木県の市町村合併に伴い、この地がさくら市となったことから、「氏家」に代わって「さくら」という名を冠した学校がこの地に誕生し、3学年が揃った年でもあります。「清修」は清らかな心とすがすがしい態度で様々なことを学び修める生徒が育ってほしいという願いが込められています。生徒手帳にも記載されていますが、校章は、鬼怒川をイメージした青の緩やかな形から「さくら清修高校」の頭文字のSがすっと立ち上がる様を、また、青の流れが交わる部分は、氏家高校と喜連川高校が統合して一つになることを表現しています。流れに浮かぶ緑色のさくらは、本校のさわやかさと独創性、さらにはスクールカラーであることも示しています。これらの様々な要素が背景の淡いピンクの円形の中に優しく収められている見事なデザインです。平成27年には創立10周年記念式典を挙行していますが、現在まで3,733名の卒業生が皆さんの先輩として各方面でご活躍されていらっしゃいます。本校の歴史について再確認できたでしょうか?

今年は球技大会でも話したように、フランスでオリンピックが開催される年ですね。昨年度は、1992年にオリンピックが開催されたスペインのバルセロナにある、建築家アントニ・ガウディの設計による「サグラダ・ファミリア」について紹介しましたが、近未来を志向し、次年度の「創立20周年記念式典」について触れたいと思います。

長く学校勤務をしている私たち教職員においても、周年事業開催の機会に巡り合うとは限りませんが、1・2年次生は在校生として、3年次生には卒業生として来年の「創立20周年事業」を切り盛りしたり、支援してもらったりすることになります。大人の話題ではありますが、昨年度は「準備委員会」、今年度より「実行委員会」を立ち上げ、同窓会やPTAの皆様とともに、先生方は本校20歳の祝福に向けて通常業務に加えての仕事に組織的に取り組んでいます。これは皆さんが将来、母校となる「さくら清修高校」のこれまでの歩みを確かめ、地域等の関係者に支えられながら信頼と実績を誇る本校の名声をさらに高めていくという決意と、何よりここで学ぶ皆さんが、幾つになっても本校卒業生としての矜持や思い出を語れるような学校にしていきたいという強い想いからに他なりません。主役である皆さんには、一層、愛校心を抱きながら自己の伸長に励んでくれるよう期待し、式辞とします。

この後の創立記念芸術鑑賞会、「音楽鑑賞」も楽んでください。

令和6年度第1学期始業式式辞

皆さん、おはようございます。
ただ今は、昨年度まで2・3年次生をご指導くださった先生方をお送りしました。寂しさを感じている人が多いと思いますが、先週の金曜日、5日には240名の新入生が入学し、全校生徒701名で「さくら清修高校」の新年度が始まりました。賑わいを取り戻し、また春の陽気も相まって、活力や希望が湧いてくるように感じているのは私だけではないはずです。

入学式で布の染色技法の1つ、「桜染め」について式辞で述べました。新入生には記憶に新しく重複した内容になるので、入学者選抜を見事突破し合格発表で自分の受検番号が掲げられた時の歓びや、緊張しながらも高校生としての第一歩を踏み出した入学式、或いは級友との最初の出会いの光景などを思い出しながら聞いてください。2・3年次生にとっては初めての内容なので、よく聴いて参考にしてほしいと思います。

「桜染め」とは、文字どおり布を桜色に染めるものですが、用いられる桜の原料はピンクの花びらではなく、意外にもごつごつとした木の皮なのだそうです。しかも桜が開花する直前の時期、3月頃に採取したものでなければなりません。あの桜の皮を使って桜色に布が染まっていく様を皆さんは想像できますか?桜はきれいな花を咲かせるために、根や幹、枝葉の全体を使って樹液を花弁に送るのだそうです。つまり桜の花の色も桜染めの布の色も当たり前ですが、元は桜の樹液の色なんですね。私たちが自然界で目にする桜の花は、満開になって咲き誇ったかと思うとあっという間に散ってしまいますが、そのわずかの期間だけ適切な時期に花開くために、木全体が見えないところで準備・活動しているんです。

もう皆さんには、なぜ私がこの話をしたのか、意図は掴めましたね。桜は自然環境、気温、土壌などに左右され、若干、開花の時期や色合い、散るまでの日数が異なっても、1年に1度、春先には確実に私たちの目を楽しませてくれます。新入生には期待を込め、桜に例えて「3年後にどんな花を咲かせるか楽しみにしている」と言いました。2・3年次生は、それぞれ2年後、1年後に最大の結果を披露してくれるものと信じています。

私は生物に関する詳しい知識を持ち合わせていませんので、事実を正しく伝えられているか心配もありますが、植物は保持するゲノム、遺伝子情報に基づき個体を維持しており、その成長過程の1サイクルとして桜は、毎年春先に体全体で樹液を送り色鮮やかに花を咲かせるわけです。60兆以上もの細胞からなる私たち人間の体は、もとは1個の細胞からできたものであったり、環境に適応して種を保存してきた点では植物と共通しているかも知れませんが、自らの手で環境を変えることが可能であるし、大地に根を張って移動できない訳ではありませんから、進化の度合いが植物より格段に大きい訳です。何より、人それぞれ意志や目標、思考や行動が異なるため、個体差と言ってよいかは分かりませんが、個性や適性、到達度が大きく違ってくるのだと思います。皆さんは、どのような花を高校生活の集大成として咲かせますか?そのために、どの時期にどう時間と知恵を使いますか?人間は、自ら適切な肥料や水分(知識や経験のことですが)を吸収することができます。時期や量を誤らないよう、正しく見極めてください。もし迷った時には、いつでも先生方に相談してください。一人一人が素晴らしい花を咲かせるよう、応援します。

話は変わりますが、脳科学者で医学博士の中野信子先生を知っている人はいますか?先生は、東京大学大学院の医学系研究科脳神経医学専攻博士課程を修了され、現在、東日本国際大学教授、東京都港区の森美術館の理事などをお務めでいらっしゃいます。

視覚や聴覚の認知、記憶・学習・予測・言語などの高次認知、喜怒哀楽や理性などの情動に関する脳機能について研究するのが脳科学の研究分野であり、私たち人間がよりよい社会生活を送るよう、研究成果が生かされているそうです。

さて、中野先生は、過日、下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の講演会で、人間の体は他の動物と比べて非常に弱く、種として生き延びるために社会的集団をつくってきたとし、「人間は集団を守るためにルールを破りそうな異質な人を排除する、社会という罠の中に生きている」と述べられたと報じられていました。桜はその受け継いだDNAにより1年に1度、きれいな花を咲かせ、我々人間は生きるために集団を形成し、規則を設け異端者を除外するんですね。さらに先生は、「目立つ人や得をしていそうな人が標的になりやすいため、圧倒的な存在になって『あの人には敵わない』と思わせることも重要だ」とも述べられたそうです。経済人に向けた講演だけあって、中々に切り口が鋭いですね。

これは、「出る杭は打たれる」しかし、「出過ぎた杭は打たれない」と言い換えることができるでしょうか。人間の性とも言える、元来、弱い生き物だからこそ群れを成して生きながらえる。その群れ、つまり集団を守るのがルールです。これを今現在の皆さんの状況、高校生活に当てはめれば、学級や授業、部活などそれぞれの部署に所属して、各集団の決まりに従いながら知識や技術、社会性などを身に付け、将来、社会で通用するよう仲間や先生方の協力や指導によって成長していくために、校則があるのだと言えます。不条理・不合理な校則、特に時代にそぐわないものは、どの学校でも改善する方向で検討していると思いますが、本校でも制服やスマートフォンの持ち込みなどについて、一部、改定したところです。校則や社会の規則は、皆さんを不当に拘束するためのものではなく、私たちが安全でより良く生きるためにあるのですから、まず皆さんには「正しく生きること」を強くお願いします。「正しく生きる」とは、堂々と生活することですから、植物と同じで、すくすくと成長することになりますし、そのような人には応援してくれる人が集うものです。

皆さんはこれからも成長し続けます。最もその度合いが高いのが高校時代です。どの分野でどんな才能を花開かせていくのか分かりませんが、無限にある可能性に限界を決めるのは他ならぬ自分自身ですから、悔いが残らないよう、何事にも全力で取り組んでみてください。本校は、学びの形態も個性的、部活動やボランティア活動も多種多様、生徒会活動も活発ですし、読書に励もうとすれば3年間では読み切れない蔵書が図書室にあるなど、教育システムや資源に大変恵まれています。「正しく生きること」の次に、「有効に時間とものを活用すること」をお願いします。ひたむきに努力する姿に異端も何もありませんから、「常識的な範囲で大いに出過ぎて」社会で打たれない力と個性を、これでもかと伸ばしてください。資格取得なら誰にも負けないとか、ボランティア精神に溢れているのが自慢だとか、自信が持てるものに手間暇をかけてください。

新たな年度を迎え程度の差こそあれ、どの生徒も期待と不安が入り交じっているものです。徐々に新たな環境に慣れていくとは思いますが、ここさくら清修高校には、皆さんの悩みや疑問に真摯に対応してくれる先生方やスクールカウンセラーもいらっしゃいますので、
時に信頼できる大人への相談も行いながら、各自の夢の実現に向けて邁進してください。4月1日の職員会議で先生方に、「授業研究」による確かな学力の養成と「生徒一人一人に寄り添った指導」による生活支援の充実の2つを特にお願いしてあります。今年度は、始業時間が5分早まった他、朝の読書や土曜課外など、昨年度とは大きく異なる点がいくつかあります。進路実現等の目標達成のために、1時間1時間の授業に真剣に臨んでください。学習内容を理解し学力が定着するよう、予習・復習を習慣化しましょう。勉強だけでなく、友人との関わり方、高校生としての在り方や人としての生き方など、迷った時には先生方に相談してみてください。さくら清修高校には、皆さんの将来の財産となるような知恵が無尽蔵に備わっていますから、活用しましょう。

最後に、皆さんとさくら清修高校がより素晴らしいものになるよう、3つのことをお願いします。これまで話したことのまとめにもなります。1つ目は、「制服を正しく着用する」こと。2つ目は、「校歌を大きな声で歌う」こと。3つ目は、「気持ちよい挨拶をする」ことです。これらは基本的なものばかりで多くの生徒ができていることですが、皆さんを守るためであり、皆さんが社会を生き抜くために必要な基礎となるものです。併せて、呼名されたら「大きな声で返事をする」ことも2・3年次生は、必要な理由を分かっていると思います。こんな簡単なことで良いのかと思ったでしょうが、これらのことが皆さんと本校の品位、名声を高めてくれます。簡単だから難しいというものも世の中にはありますが、良い生徒・学校の基本ですので、お願いします。

以上で式辞とします。
 

令和6年度入学式式辞

 色とりどりの花々が咲き乱れるこの佳き日に、同窓会会長 和氣 久一様、PTA会長 飯村秀文様をはじめとするご来賓のご臨席を賜り、また保護者のご列席のもと栃木県立さくら清修高等学校 令和六年度入学式が挙行できますこと、誠に嬉しく存じます。教職員を代表して厚く御礼申し上げます。
 ただ今入学を許可した二四〇名の新入生の皆さん、本校への入学、本当におめでとう。私たちはこの日を心待ちにしていました。在校生・教職員一同、皆さんを歓迎いたします。
 さて、本校は、氏家高等学校と喜連川高等学校の長い歴史と伝統を受け継ぎ、各自の興味や関心、進路に応じた幅広い科目選択と主体的な学習が特徴である総合学科の高等学校として、平成十八年に開校しました。「自主自立」「進取創造」「敬愛協働」の校訓を掲げ、生徒たちは学業のみならず、特別活動にも熱心に取り組み成果を上げている活気溢れる学校です。
 新入生の皆さんは大きな期待と少しばかりの不安を胸に、今まさに高校生活を開始しました。先輩方が残した確かな実績と地域の支え、先生方の指導の下、この三年間で大きく飛躍することを期待し、次の二つのことをお願いします。
 まず一つ目は、「自他ともに大切にする」ということです。人は一人では生きられない。誰もが誰かに支えられ、誰もが誰かを支えながら社会は成り立っています。他者への感謝や思いやりの気持ちを抱き、自他の良さを認められる人になってください。対話力を高め、友人と切磋琢磨することにより達成できると考えます。そのためにも学級活動、生徒会活動、部活動、そして学校行事に一生懸命に取り組むよう、お願いします。
 二つめは、「感性を磨き、正しい価値観を身に付ける」ということです。現代は、急激に押し寄せる変化の波に、戸惑うことが多い時代です。皆さんは新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、困難を乗り切ってきた逞しい人たちですから、今後も進んで新たなものを吸収し、鋭い分析力をもって未来を切り開いてください。そのために必要なことは、日々の授業や家庭学習に自主的・主体的に取り組むことと、世の中の出来事に敏感であることです。期待しています。
 ここで、植物の桜を用いた染色技法の一つ、「桜染め」について紹介します。淡いピンク色に布を染め上げるために使われるのは、不思議なことに花びらではなく、ごつごつとした木の皮なのだそうです。しかも、花開く直前のものでなければなりません。桜の木は、美しい花を咲かせるために、根や幹、枝全体で桜色に貯えた樹液を花びらに注ぎ込んでいるのです。皆さんは本校でどのような力を蓄積し、三年後にどう披露してくれるのか、楽しみにしています。
 結びに保護者の皆様、本日、お子様の姿をご覧になり、お慶びもさぞかしであろうと、心からお祝い申し上げます。本校の教育方針をご理解いただき、お子様の成長を教職員と連携を図りながら、共にご支援くださるようお願い申し上げ、式辞といたします。